都議会に共産党都議団が提出した「小中学校学校給食費助成条例」。
私たち共産党都議団は、都議選で都民のみなさんから寄せられた強い願いの一つが教育費の負担軽減だったことも踏まえて、最初の条例提案を給食費の問題にしました。
文教委員会では、都民ファーストの会が予算を伴う条例案は「審査すべきではない」と発言しました。その根拠として地方自治法第112条、149条を示しましたが、これは予算編成権が知事にあることを規定しているだけで、議員の予算をともなう条例提案権を否定するものではありません。
政策的な議論を尽くして結論を出すのが議会の場です。立場の違いがあっても、しっかりと意見を交わすことが、議会制民主主義の原点です。
自民党、公明党、民進党は都議選で「学校給食費の無償化」の公約を掲げていました。
しかし、公約を掲げた各会派からは質疑もありませんでした。公約したのであれば、責任を持ってこういう方法で無償化に向けて議論すべきだと対案を出すことが必要ではないでしょうか。
結局、文教委員会では日本共産党以外の反対で否決すべきと結論が出されました。
私が、文教委員会の意見表明で発言した内容を紹介します。
日本共産党を代表し、議員提出議案第16号、東京都小中学校給食費助成条例案について、賛成の意見を述べます。
憲法第26条は、すべての国民の教育を受ける権利を保障し、義務教育の無償を明記しています。しかし、実際には無償の内容は、公立小中・特別支援学校の授業料の不徴収と教科書無償交付にとどまっています。
現在、子どもの7人に1人が貧困状態におかれる中、家庭の経済状況により、子どもの栄養に格差があることも明らかになっています。教育の一環である学校給食費の負担軽減により保護者を支援し、子どもたちの健やかな成長を保障することは緊急の課題です。2005年制定の食育基本法でも、給食・食育が知育・徳育・体育の基礎をなすものとされ、教育的意義はさらに大きくなっています。
本条例は、東京都として義務教育無償化に向けた第一歩として保護者の学校教育費の負担のうち小学校では4割を占める学校給食費の助成を行い、区市町村の財政規模に関わらず、公立小中学校と特別支援学校小中学部に通う子どもの給食費を一律に負担軽減する内容です。東京都として、給食費無償化への流れを前にすすめようではありませんか。
政府が公立小中学校の給食の無償化に関する全国調査を始めました。そうした中で、都道府県初の助成条例を実現することは、無償化への一歩につながります。
保育園、幼稚園から中学校までの給食を無償化している、埼玉県滑川町の町長は、「給食費の無償化は、義務教育の無償化を謳う国が本来責任を持って実施すべき国策だと思う。国に先駆けてはじめた施策だが、他の自治体でもぜひ取り組んでほしい。それが、結果として国を動かし、無償化費用の全額とまでは行かなくても、3割、5割の補助をしますとなるのではないか」とその意義を語っています。
先の都議選の公約でも多くの政党が、小学校・中学校の給食費の無償化を掲げました。本条例案は、多くの都民と会派のみなさんに賛同をいただける内容だと思います。
今、都議会の役割が大きく問われています。
地方自治法112条第1項を根拠に、議員提出の予算を伴う条例提案は、審議すべきでないという議論がありましたが、そもそもこの条項は、議員による予算案の提出権を認めていないものであり、予算をともなう条例提案を否定するものではありません。
鳥取県日南町では、議会で町長が考えていないと答弁した住宅改修助成条例などの政策条例を議員提案で成立させました。この内容は、全国町村議会議長会から特別表彰を受けています。都議会もこうした進んだ例に学ぶべきではないでしょうか。
議員が予算をともなう条例提案はできないとなれば、都民の願いを実現するための、実効性ある提案の多くができなくなります。議員の議案提出権を大きく制約することは明らかです。
今都議会でも、議会改革、議会の活性化が大きな課題となっています。議会の権能を自ら狭めるのではなく、都民の福祉や教育の向上をめざす立場からの前向きな議論を大いにすすめることを呼びかけるものです。
東京都小中学校給食費助成条例の提案は、子どもたちの健やかな成長や子育て世代の支援をすすめるものです。議員提案により、長年続いた日本の教育への最低水準の公的負担を引き上げることにもつながります。
委員のみなさま、ぜひともご賛同いただきますよう心からお願いを申し上げまして、議員提出議案第16号の意見表明といたします。
にほんブログ村←日本共産党池川友一のオフィシャルブログ「都政への架け橋」を見ていただきありがとうございます。一日1回、応援クリックをお願いします。