日本共産党都議会議員(町田市選出)池川友一「市民とつくる都政への架け橋」

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都立江北高校夜間定時制の募集停止の決定を「拙速」に行うべきではない

2018-10-04 | 東京都政・都議会のこと

 2日の文教委員会で、「都立江北高校夜間定時制の募集停止の決定を拙速に行わないことに関する請願」について質疑を行いました。

 江北高校夜間定時制については、昨年11月28日に質問しました。

 今回の請願は、来年度に募集停止予告が行われている現状の中、拙速に行わないでほしいというものです。

■基本的な認識について

 夜間定時制についての基本認識について、次のように答弁しました。

  • 定時制課程の高校については、従来から、昼間に学校に通うことができない勤労青少年の学びの場として設置してきました。
  • しかし、今日では、小中学校時代に不登校を経験した生徒、学習習慣や生活習慣等に課題がある生徒や外国人の生徒など多様な生徒が在籍しております。
  • また、定時制課程では、全日制課程に比べて少人数での教育を実施するとともに、入学者選抜における第二次募集以降では、全日制課程などへの進学希望がかなえられなかった生徒のセーフティーネットの機能を果たしております。

 これは前回の質問と基本的に同じ内容で、多様な生徒が在籍し、「セーフティネット」の役割も果たしているというものです。

■応募者数の減少傾向が顕著というが…

 再度強調しますが、「拙速に」募集停止しないでほしいというのは無謀な要望なのでしょうか。

 私は、今回の質問を通じて、拙速すぎるということをいくつかの場面でただしました。

 その一つが、応募者の推移です。

 都教委は、第一次募集について、17年度入試は11人、18年度入試は10人と答弁しました。そしてこれを持って「減少傾向が顕著」と結論づけたのです。

 しかし、これは明らかにミスリードです。

 2018年度募集は「平成31年度新入生の募集は停止する予定です」という告知をして行われたもので、通常の募集とは違う状況で行われました。

 さらに、18年度募集は、都立高校全体が、普通科高校でも3次募集まで行っても定員が埋まらないという状況だったことを考えれば、「減少傾向が顕著」などとは到底言えません。

 付け加えていうのであれば、2020年度には足立地区チャレンジスクール(荒川商業高校を改編)が開校することになっています。このチャレンジスクールの開校後の状況を見てから判断するということができない理由についても、納得のいく答えはありませんでした。

■在校生や卒業生をはじめ、関係者の思いが置き去りにされている

 この質問を行うにあたり、何人かの方からお話を伺いました。

 そのうちの一人の卒業生が次のように語ってくれたのがとても印象に残っています。少し、紹介します。

 定時制の学校に通っている人たちというのは、家庭の事情があったり、他の人との間で色々あって人間不信になったりで、「自分と同じだな」と思うような人たちがいっぱいいる。自分のことを「社会不適合かな」と思うこともあるけれど、ほかにも同じような境遇の人がたくさんいるんだと感じることができた。みんな優しくて、共感できた。

 人間不信という感じだったんですけど先生たちが頑張っていると、自分もがんばらなければと思って、毎日学校に行って賞をもらった。本当に嬉しかった。親になったら、自分も江北高校定時制だったけど、いい学校だったぞと送り出してやりたいと思う。

 自分のような状況の人が他にもいる。その時に、江北高校があれば、よかったと思えるのではないか。家庭環境が複雑であったり、経済的に厳しい状況である人が救われる場所を一つでも多く残しておいてほしい。先生たちも本当にあたたかく接してくれた。だからこの江北高校定時制を無くさないで存続させてほしい。

 一つひとつ、夜間定時制高校で学んだことへの思いが詰まった言葉です。

■なぜ、くり返し反対の声が上がるのか

 最後に、教育長に「なぜ、くり返し反対の声が上がると考えているのか。在校生や卒業生の声をどう受け止めているのか」と迫りました。残念ながら、これに対する明確な答弁はありませんでした。あったのは、「都立高校は税金で運営されている」ということで、聞いていた方々からは「夜間定時制にお金をかけるのが無駄かのように感じた」という声が寄せられました。

 私は、くり返し反対の声が上がる背景には、各学校の夜間定時制高校の歴史と伝統を大切にしてほしいという願い、「適正化」の名のもとに廃止計画がすすめられしかも決定過程が「ブラックボックス」で不透明であるということへの不信感、そして何よりも現実に夜間定時制高校が果たしている今日的役割を深く認識しているからだと思います。

 夜間定時制の火を灯し続けるため、みなさんと力を合わせ、引き続き取り組みを強めていきます。

 

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