日本共産党都議会議員(町田市選出)池川友一「市民とつくる都政への架け橋」

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「学校をどうすべきなのか」──竹を割ったような結論にはならないけれど…

2020-05-01 | 東京都政・都議会のこと

 学校をどうすべきなのか──いま、子どもや保護者、学校や教員、教育委員会も含めて議論百出の状況です。

 竹を割ったようなすっきりとした結論にはならないわけですが、この問題にしっかりと向き合い、どうすべきかを思考することが求められています。

 私も、様々な立場の方からご意見・ご要望を多数寄せていただいています。私自身も小学生の子どもの保護者の一人として、思うところ、考えるところがあります。

 最初から「正解」があるとは言えない状況で、忖度するのではなく、意見を交わすことができる環境をつくることはとても重要だと考えます。

 特に、当事者である「子どもたちの意見」を政策決定に反映することがどうやったらできるのかが大切だと思います。

 国連子どもの権利委員会が「今回のパンデミックに関する意思決定プロセスにおいて子どもたちの意見が聴かれかつ考慮される機会を提供すること。子どもたちは、現在起きていることを理解し、かつパンデミックへの対応の際に行なわれる決定に参加していると感じることができるべきである」と述べていますが、この視点を決定に関わるおとなにぜひ意識していただきたいと思います。

 学校の休業という事態は、

  • 子どもの教育保障(学習や人間関係など)をどうするか
  • ICTを活用しての授業をどうするか
  • 学校給食など、学校に関わる業者の経営をどうするのか
  • 親子ともに長時間一緒にいることによる虐待等のリスクをどう回避するか
  • 受験生の対応をどうするか(就職への影響をどうするか)
  • 学費や授業料の負担のあり方をどうするか
  • 保護者の仕事との関係をどうするか

 など、この他にもいくつもの問題が複合的に絡み合っています。

 参考:新型コロナでわかったこと──五味太郎さんのインタビューから学んだこと

■学校をどうするかという一つの指針

 文部科学省が「新型コロナウイルス感染症対策としての学校の臨時休業に係る学校運営上の工夫について(通知)」(以下「通知」)を出しました。

 この「通知」は、全国的な学校の状況を視野に入れて書かれたものであり、東京に特化したものではありません。その点を踏まえた対応が必要だと思います。

 子どもの教育保障という視点から考えると、私は注目すべき内容が含まれていると感じています。

 例えば「通知」では、

 この点は,懇談会提言においても「学校における感染リスクをゼロにするという前提に立つ限り,学校に子供が通うことは困難であり,このような状態が長期間続けば,子供の学びの保障や心身の健康などに関して深刻な問題が生じることとなる。」とされており,「社会全体が,長期間にわたりこの新たなウイルスとともに生きていかなければならないという認識に立ち,その上で,子供の健やかな学びを保障するということとの両立を図るため,学校における感染及びその拡大のリスクを可能な限り低減しつつ段階的に実施可能な教育活動を開始し,その評価をしながら再開に向けての取組を進めていくという考えが重要である」とされている。

 と、記されています。

 私が注目したのは、

  • 「感染リスクをゼロにする」=学校に通うことが困難
  • この状態が長期間続けば、子どもの学びや健康に深刻な問題が生じる
  • 社会全体が、新たなウイルスとともに生きていかならないという認識

 という部分です。

 「感染リスクをゼロにしたい」という思いは、多くの人が抱いています。しかし、感染リスクをゼロにすることは、現状では容易ではありません。

 一旦、感染者が減少しても、また時間の経過とともに新たな感染が引き起こされる可能性はあります。

 新型コロナウイルスとともに、どうやって生きていくのかという問題提起は、私は大切な視点だと感じています。

 くり返しになりますが、地域的に状況が違う中で、どういう選択肢を取るのかは、子どもたちの意見を踏まえて慎重に判断することが必要です。

 追記:「学校再開 段階的に/文科省懇談会が提言」(赤旗、5月2日)

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