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こーじ苑
世界挑戦のモラルに ついて
不可思議に作られたWBC暫定フライ級王者のポンサクレックが 8月28日に
タイで暫定タイトルの初防衛戦を行うらしい。
問題なのが挑戦者が22位の升田貴久だという事。
升田は05年に1階級下の東洋Lフライ級王者になったものの、初防衛に
失敗しブランクを作った末に4勝。
4勝の中で08年8月に当時WBAフライ級5位のワンディに判定勝ちして
いるが、6月に日本ランカーの小林タカヤスに判定負けした直後という事
なのだ。
ポンサクレックは07年に内藤から敗れるまで17度の防衛に成功していた
名王者だが、その中に日本のトラッシュ中沼・小松則幸・中広大悟に
勝っているものの彼らは世界挑戦前に負けた選手。
また1階級下のLF級から3人選んでいるし、1人は18位・1人は23位という
相手だ。
だから升田がタイで挑戦と聞いて ある意味‘またか’と思ったのだ。
つまりポンサクレックも升田も‘何を考えているのか’という事に
なる。
かつて世界戦といえば奪取できそうな挑戦者でないとダメという不文律が
あり、最低限のマナーとして前哨戦で敗れた選手は挑戦自体をキャンセル
していた。
実際に75年にWBCバンタム級王者ロドルフォ・マルチネスに挑戦した沼田
剛は連敗して世界挑戦して惨敗したが、マスコミからは‘暴挙’ と辛辣に
批判され、77年6月にWBCフライ級王者ミゲール・カントに挑戦して惨敗した
触沢公男が1試合も挟まずに7ヵ月後にWBAフライ級王者グティ・エスパダス
に挑戦した時も批判された。
一方で元WBCのLフライ級王者・中島成雄が81年5月に7月に世界挑戦
するべく前哨戦として戦った試合でKO負けすると世界戦自体がキャンセル
され周囲も‘当然’という雰囲気だった。
こういう例を見ても分かるように世界タイトルに挑戦するには、それなりの
モラルがあったのだ。
ところが昨今の敵地ではあるが噛ませ犬挑戦者としか見えない選手が
前の試合で負けたにも拘わらず挑戦する事について 殆どのマスコミが
批判するどころか無関心という嘆かわしい状況だ。
確かにボクサーにとって世界戦を戦うのは名誉な事だし、そうそうある
ものではない。
しかも試合というものは、やってみないと分からないのも事実。
とはいえ世界戦のステイタスを上げるためにも前哨戦で負けた選手は
挑戦をキャンセルするぐらいの内規を作らないとモラル低下に歯止めが
かからないのではないかと危惧するわけである。
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現王者が何らかの事情で試合ができないならできないで、その間に挑戦者決定戦とか、場合によっては現王者のタイトル剥奪とかでいいと思います。
こうして見るとW○AもW○Cも、実態は大物プロモーターによってやっぱ運営されてるのかなどと、思ったりもします。
それと日本のボクサーは恵まれてますね。だって自分が防衛するならいざ知らず、挑戦する場合でも相手に来てもらってるんですから。前哨戦で負けてさらに恥を上塗りするのも、この辺りが原因でしょうか?
いずれにしろ、仰るように、前哨戦で負けた選手は世界戦には(実績を出さぬ限り)出させないようにしないと、ボクシングが駄目になるでしょうね。
本来なら正規王者がケガや病気で防衛戦が挙行できない場合の暫定王者というのは悪いシステムではないと思ってました。
辰吉が網膜裂坑になったときなど、これがあったおかげでタイトルを返上しないでよかったのですから。
ところがWBCストロー級王者のリカルド・ロペスが強すぎてタイトルを返上するのを前提に作った頃から怪しくなり、畑山がJライト級王者になった頃から正規王者が防衛戦可能なのに暫定王者が作られる事になりました。
これはドン・キングやボブ・アラムといった悪徳プロモーターの差し金ですが、彼らを資金源にしている両団体は文句が言えないワケです。
ちなみにAはベネズエラに、Cはメキシコに本部があって本部の国の人間がトップです。
ラテン系は理念より実利主義ですから、こういう事が露骨に行われるようですね。