上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

立野ダム建設に反対!

2012-11-18 20:08:54 | 住民とともに
7.12九州北部豪雨災害に乗じ、「白川の治水」を目的に「立野ダム」を建設しようという動きが急速に強まっています。世界遺産登録を目指す「阿蘇」に、巨大なコンクリートの環境破壊ダムはいりません。以下、国が行った意見聴取に提出した私の意見です。



「立野ダム建設事業の検証に係る検討に関する意見募集」
                            上野 美恵子
<素案全体について>
① 素案の住民への周知徹底がされないまま、公聴会での意見聴取を行うこと・同じく短期間に意見募集に意見を提出することには無理がある。
9月11日に開かれた第3回「立野ダム建設事業の関係団体からなる検討の場」で、「立野ダムを含む案有利」の提案なされ、わずか10日程度しか経たないうちに公聴会を開き住民の意見を聞くこと自体に無理がある。数日で、200ページを超える、専門的な内容の素案を読みこなし、一般の住民が意見を述べることは、不可能に近い。

② 国が、住民の意見を聞く姿勢がないことは問題
公聴会の参加者募集の呼びかけには、「発表時間は5分となっていますので、多くは話せません」と書いてあり、国が住民の意見を聞く姿勢がないことがはっきりと示されている。総事業費900億円を超える国民の税金が使われるのに、国民の意見を聞かずに事をすすめるのは問題です。

<6-7ページから6-22ページのパブリックコメントについて>
③ 出されている意見がほとんどダム建設には「慎重・反対」であるにもかかわらず、検討主体の意見では、ダム推進の立場を述べるだけで、納得のいく説明がないまま「ダム案が有効」と結論付けられているのは問題である。住民世論は、素案のどこに反映されているのかわからない。
④ 熊本市内で開かれた住民の意見を聞く公聴会においても、すべての意見が「ダム反対」であった。パブリックコメントへの対応を見ていると、こうした住民の意見は、今後どのように反映されるのかわからない。

<3-3ぺージの建設費用について>
⑤ 概算総事業費の約905億円については、内訳を説明すべき。積算がはっきりしなければ信憑性がない。

<4-91ページ以降の評価軸ごとの評価について>
⑥ 評価軸による評価の中で、「生物の多様性の確保、及び流域の自然環境への影響」において、ダム案を除く他の5つの案では、「影響が全くない」か「影響は限定的」となっています。一方、「立野ダム建設案」では、「動植物の重要な種について生息地が消失や、生息・生育環境の変化により影響を受けると予測される種があるために、生息・生育環境の整備や移植等の環境保全措置を講じる必要がある」と指摘されています。このように、ダム建設案は他の案に比べ、重大な環境への影響があるということが明確に検証されています。一方で、環境保全措置を講じるといいながら、その詳細は示されていません。説明が不十分です。

<4-13ページ>
⑦ 立野ダム案の目標流量について
ダム建設を含む河川整備計画による白川の河川流量の調節は、全体で毎秒2,300立方メートルです。そのうち、下流域の堤防建設や河岸の掘削等によるものが2000立方メートル、立野ダムと7箇所の黒川遊水地建設を合わせて300立方メートルということですから、ダムに比べ、流域の河川整備による流量調節効果ははるかに大きいわけです。しかも、12年前、2000年8月の九州地方整備局事務所長会議で、国の専門官が「白川は特殊堤防を使っているので、『余裕高』で行くと、立野ダムが吹っ飛んでしまう」言われています。「余裕高」も含めた流量調節機能を検証して、示すべきです。

<その他>
⑧ 立野ダム予定地周辺の渓谷は、阿蘇カルデラ内の火山から流下してきた立野溶岩で、冷却によって生じた角材状の割れ目(柱状節理)がよく見られ、巨大ダムを建設するには危険な地質であるといわれています。また、立野ダム予定地には、国内で地震発生確率の高い活断層である「布田川・日奈久断層帯」の一部である「北向山断層」が通っています。実際、立野ダム本体予定地左岸では、多くの崩壊箇所が見られます。地盤が悪く、地震による崩壊の危険性も指摘されているので、建設するダムの安全性について検証し、説明すべきです。

⑨ 9月12日から14日まで、国土交通省が黒髪・渡鹿地域で3回の河川改修説明会がありました。説明会では「川底に土砂がたまって、浅くなっている」「10年以上も前に、家の中まで入ってきて調査しながら、そのままになっていた」などの意見が出ていた。これまでなぜ、河川の改修・日常の管理がじゅうぶんなされてこなかったか、説明すべきです。また、河川整備が遅れてきたことについても、説明すべきと思う。

⑩ ダムを除く、下流域の河川整備・改修については、今年の7・12水害の降雨量を反映し、堤防の高さ・規模を改めて見直すべきと考える。
                                以上
コメント (1)
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大変ご無沙汰しました

2012-11-18 19:27:49 | ちょっと、ひとこと
しばらくお休みしていました。季節は、春から夏、そして秋も深まってきました。
我が家には、嫁が来て、孫も生まれました。5人に減っていた家族は、また7人になり、にぎやかに暮らしています。

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