2月13日に熊本県後期高齢者医療広域連合議会が開かれました。
新年度予算ほか、保険料の改定にかかわる議案等もありました。
順次報告いたします。
保険料については、料率は変更されなかったものの、賦課限度額が5万円引き上げられたことや、昨年4月から実施されている軽減制度見直しの影響で、一人平均2500円引き上げとなる条令改正案が提案されましたので、問題点を指摘して反対討論を行いました。
【討論の全文】
議第8号「熊本県後期高齢者医療広域連合後期高齢者医療に関する条例の一部を改正する条例の制定について」問題点を指摘し、反対討論を行います。
今回の条例案で保険料算定にかかわってくる点は、保険料率、均等割保険料の軽減対象拡大、賦課限度額の見直しの3つがあります。
保険料率は、薬価・材料費等に係る診療報酬のマイナス改定の影響等で医療給付費が抑えられたこともあり、平成30年度・平成31年度は据置きとなりました。また、所得要件の変更による均等割保険料の軽減対象拡大では、5割軽減世帯500人、2割軽減世帯455人に軽減が拡大され、総額で約1170万円の保険料軽減となります。
一方で、今年度より始まった段階的な特例軽減見直しの影響で保険料負担が引き上げられます。昨年2月の条例改正で、今年度・平成29年度は、9割軽減の対象であった方が7割軽減になって総額3億8300万、ひとり7251円の負担増となりました。これが、平成30年度からは、さらに5割軽減となるために、総額2億8800万、一人6570円の負担増となります。
さらに、今回の条例改正による賦課限度額の見直しで、限度額が57万円から62万円へと5万円も引き上げられるために、2500人を対象に保険料が上がることになります。そのうち、2300人は5万円の負担増となり、残った200人が100円から49900円の引き上げとなります。低所得者も、課税所得者も、幅広く保険料の負担増を求めるというのが、今回の条例改定の内容です。これらの内容を合わせ、保険料額は一人年間約2,500円の負担 増となる見通しです。
しかも、今回条例改正に合わせて説明を受けました保険料改定の説明資料では、中期見通しに立った今後の保険料見通しで、今回を上回る大幅な保険料の負担増が予測されています。仮に、一人当たりの保険料増加分を 4分の3に押さえるために、剰余金や財政安定化基金から20億円を充当したとしても、2020年度・2021年度の保険料は、一人年間約6,700円の負担増と予測されています。先にも述べましたように、2017年4月からの軽減特例見直しで、今でも保険料負担は大幅に増えています。それが、将来的には、さらに大幅引き上げとなったら、高齢者の日々の暮らしはどうなっていくでしょうか。
ほとんどの高齢者の暮らしの糧である年金は、今年度、昨年4月から物価変動率のマイナスによって、支給額が0・1%のマイナス、3年ぶりのマイナス改定となりました。次年度は、2016年に成立した年金カット法によって、マクロ経済スライドのキャリーオーバーが導入される予定なので、繰り越して年金を抑制していく仕組みも加わります。将来的には、賃金マイナススライドの導入により、物価と賃金、どちらが下がっても年金が引き下げられていくというのですから、高齢者の暮らしは先細るばかりです。そういう中で、負担の重い保険料をこれ以上引き上げるべきではありません。
しかも、医療保険料ばかりではなく、医療費そのものも上がる見通しです。また、次年度は介護保険の事業計画見直しの年度となりますが、介護保険料も値上げです。
高齢者を取り巻く今の状況を考えるならば、健康で長生きすることを応援するような後期高齢者医療保険の制度設計こそ必要であると考えます。そういう意味で、次年度も、そして将来的にも高齢者に大きな負担増もたらす今回の条例改正には賛成できません。
国に対しても、大幅な国庫負担の増額と高齢者の立場に立った制度の見直しを求めていただくようお願いいたしまして、討論を終わります。
新年度予算ほか、保険料の改定にかかわる議案等もありました。
順次報告いたします。
保険料については、料率は変更されなかったものの、賦課限度額が5万円引き上げられたことや、昨年4月から実施されている軽減制度見直しの影響で、一人平均2500円引き上げとなる条令改正案が提案されましたので、問題点を指摘して反対討論を行いました。
【討論の全文】
議第8号「熊本県後期高齢者医療広域連合後期高齢者医療に関する条例の一部を改正する条例の制定について」問題点を指摘し、反対討論を行います。
今回の条例案で保険料算定にかかわってくる点は、保険料率、均等割保険料の軽減対象拡大、賦課限度額の見直しの3つがあります。
保険料率は、薬価・材料費等に係る診療報酬のマイナス改定の影響等で医療給付費が抑えられたこともあり、平成30年度・平成31年度は据置きとなりました。また、所得要件の変更による均等割保険料の軽減対象拡大では、5割軽減世帯500人、2割軽減世帯455人に軽減が拡大され、総額で約1170万円の保険料軽減となります。
一方で、今年度より始まった段階的な特例軽減見直しの影響で保険料負担が引き上げられます。昨年2月の条例改正で、今年度・平成29年度は、9割軽減の対象であった方が7割軽減になって総額3億8300万、ひとり7251円の負担増となりました。これが、平成30年度からは、さらに5割軽減となるために、総額2億8800万、一人6570円の負担増となります。
さらに、今回の条例改正による賦課限度額の見直しで、限度額が57万円から62万円へと5万円も引き上げられるために、2500人を対象に保険料が上がることになります。そのうち、2300人は5万円の負担増となり、残った200人が100円から49900円の引き上げとなります。低所得者も、課税所得者も、幅広く保険料の負担増を求めるというのが、今回の条例改定の内容です。これらの内容を合わせ、保険料額は一人年間約2,500円の負担 増となる見通しです。
しかも、今回条例改正に合わせて説明を受けました保険料改定の説明資料では、中期見通しに立った今後の保険料見通しで、今回を上回る大幅な保険料の負担増が予測されています。仮に、一人当たりの保険料増加分を 4分の3に押さえるために、剰余金や財政安定化基金から20億円を充当したとしても、2020年度・2021年度の保険料は、一人年間約6,700円の負担増と予測されています。先にも述べましたように、2017年4月からの軽減特例見直しで、今でも保険料負担は大幅に増えています。それが、将来的には、さらに大幅引き上げとなったら、高齢者の日々の暮らしはどうなっていくでしょうか。
ほとんどの高齢者の暮らしの糧である年金は、今年度、昨年4月から物価変動率のマイナスによって、支給額が0・1%のマイナス、3年ぶりのマイナス改定となりました。次年度は、2016年に成立した年金カット法によって、マクロ経済スライドのキャリーオーバーが導入される予定なので、繰り越して年金を抑制していく仕組みも加わります。将来的には、賃金マイナススライドの導入により、物価と賃金、どちらが下がっても年金が引き下げられていくというのですから、高齢者の暮らしは先細るばかりです。そういう中で、負担の重い保険料をこれ以上引き上げるべきではありません。
しかも、医療保険料ばかりではなく、医療費そのものも上がる見通しです。また、次年度は介護保険の事業計画見直しの年度となりますが、介護保険料も値上げです。
高齢者を取り巻く今の状況を考えるならば、健康で長生きすることを応援するような後期高齢者医療保険の制度設計こそ必要であると考えます。そういう意味で、次年度も、そして将来的にも高齢者に大きな負担増もたらす今回の条例改正には賛成できません。
国に対しても、大幅な国庫負担の増額と高齢者の立場に立った制度の見直しを求めていただくようお願いいたしまして、討論を終わります。