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生活保護188億円削減 家賃と光熱費引き下げ

2015年01月17日 | 最新情報

厚生労働省は十四日、生活保護費のうち家賃に当たる「住宅扶助」の基準額と、冬場の光熱費増加分の「冬季加算」をそれぞれ引き下げることを決めた。二〇一五年度予算案でそれぞれ国費分三十億円ずつを減らし、計六十億円の削減となる。物価が上がるなか、受給者の生活は苦しくなる。 (鈴木穣)


 一五年度の生活保護費は二兆八千六百三十五億円で、一四年度当初に比べて百八十八億円減。安倍政権は昨年六月にまとめた骨太方針に生活保護費の削減を盛り込んだ。生活扶助は一五年度までの三年間で、計六百七十億円を削減。さらに住宅扶助は一五年から三年間で百九十億円減らす。


 住宅扶助は地域ごとに上限額が定められ、その範囲内で家賃として給付される。東京二十三区の単身世帯で月額約五万四千円。家賃の下落に合わせて減額を決めた。


 減額幅は地域や家族構成などで違う。特に少人数世帯の増加に伴い二人世帯の上限額を抑えた。減額対象になる受給世帯は、約百六十万世帯全体の二割前後とみられる。七月から実施する。


 家賃上昇が続く東日本大震災の被災地は多くのケースで増額する。また、厚労省は良好な住環境確保に国の最低居住面積水準(単身で二十五平方メートル)を満たす住宅の一定程度の確保を目指す。冬季加算は地域で額が違うが、全国の全受給世帯に給付されている。今回の見直しでは加算期間を地域により五~七カ月と幅をもたせるが、光熱費の必要額より多く給付されている地域を減額する。三人世帯で一シーズン1~20%減る。北海道や東北、北陸などの雪国で減額幅が大きい。


 除雪費用や暖房器具購入費などの増額も合わせて実施する。しかし、受給者の支援団体からは寒冷地で光熱費を給付する期間が短くて、実態に合っていないとの声が出ている。

(東京新聞2015年1月15日)
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