東京多摩借地借家人組合

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【独自】高級住宅街で“立ち退き騒動” つるされた生魚…住民困惑「マフィアみたい」

2022年12月17日 | 明渡しと地上げ問題
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000276079.htm

 東京でも屈指の高級住宅街・白金台のマンションにつるされた魚や散乱したごみの山。取材を進めると、住民への強引な立ち退き要
求があったことが分かりました。

■つるされた生魚…地面には「卵育て中」

 先月、東京・港区にあるマンションで撮影された映像です。
 1階の入り口にスプレーで書かれたとみられる「持久戦」「バンザイ」という乱雑な文字。「干物」と書かれた先には、複数の魚が
つり下げられ、地面には「卵育て中」という文字とともに、生卵が置かれています。家電製品などのごみも散乱していました。
 映像が撮影されたのは、なんと、都心の一等地として知られる港区白金台です。
 高級住宅街に広がる異様な光景。現場に行ってみると、「バンザイ」といった文字や、つるされた魚が消えていた代わりに、映像に
はなかった「解決済み」という文言が新たに書かれていました。
 これら一連の行為は一体、誰が…?

■元所有者「うちはただ売っただけ」

 7月までマンションを所有していた女性に、話を聞くことができました。
 マンションの元所有者の女性:「(Q.誰がやったんですか?)分かりませんよ、全然。持ち主が、今どうなっているかも分かりませ
んからね。うちはただ売っただけです。嫌な感じですよね。自分のものではないんですけどね。最近まで持っていたものが、こんな感
じになっちゃって」
 今年7月、女性はマンションを関西の不動産会社に売却。それ以降の状況は、知らないといいます。

■夜11時に来て「取り壊すから出て行って」

 そこで、9月までマンションに住んでいた男性(33)に話を聞きました。
 男性:「(Q.9月に退去した理由は?)いきなり(新しいオーナー会社が)夜来て、書類を持ってきて。『ここにはんこを押してく
れ』っていう。『賃貸者契約を解消するんで』って。唐突でしたね。『きょう押してくれ』って」
 午後11時ごろ、男性が寝ていると、玄関のドアを激しくたたく音がし、ドアを開けると、スーツを着た男性2人が立っていたといい
ます。
 男性:「7月に(マンションの)オーナーが変わったということで、『2カ月後に取り壊すから、出てってくれ』という。いきなりな
んで、嫌でしたよ。2カ月後だと引っ越しも大変じゃないですか?物件探しも。『考えます』って言ったんですけど、『いやダメ
だ』って」
 30分以上、玄関先に居座られ、男性は泣く泣く立ち退きを了承。引っ越し後、マンションの前を通り掛かったところ、あの異様な光
景を目の当たりにしたというのです。
 男性:「肉とか魚が干してあって。結構、ハエも飛んでいて、傷んでるなって感じです。干物ではないです。水分が抜けていないん
で。生魚、生肉、臭かったです」「(Q.それはいつごろ?)10月の頭です」
 つるされていたのは干物ではなく、生魚や生肉。10月になると、スプレーの文字は増え、ほとんどの住民が退去していったといいま
す。

■近隣住民も…“不審な男たち”目撃

 所有者が関西の不動産会社に代わって以降、始まったという異変。近所の住民は、マンションの前で不審な動きをする、スーツ姿の
男たちを目撃していました。
 近隣住民:「夜の9時、10時ごろとかに見たことあります」「(Q.その時は何をしていました?)魚をつるしていたころは、日替わ
りじゃないですけど、色んなものを少しずつ積み上げて。座り込んでたばこを吸ったり、携帯で電話をしたりしていました」「(Q.誰
がやったのか分かりますか?)地上げを、今している会社がやっているということは聞きました」「立ち退きでしょうね。こちらの店
舗と、上の住民の方がなかなかどかないので、嫌がらせが始まった」

■近隣住民困惑…初対面で「家壊しますよ」

 さらに、不動産会社による立ち退き要求は、マンション以外の住民にも。
 マンション裏手の一戸建てに住む女性(88)は、こう話します。
 近隣住民:「不動産の人が、毎日じゃないけども、何回も何回も(来る)。夕方とか、昼間とか。横になってる暇がなかった」
 女性の家に押し掛けた不動産会社は強い言葉で、こう要求したといいます。
 近隣住民:「初めましての人なのに、『(家を)壊しますよ』って言われたのね。壊してもいいですか?って言うなら良いけど、
『壊しますよ』って。私、『マフィアみたいだ』って言ったの。初めて会った人に『家を壊す』って言われて」
 不動産会社は女性に対し、マンションの建設計画があるため、家を8500万円で売却するよう迫ったというのです。さらに…。
 近隣住民:「『家庭裁判所に呼び出す』とか、手紙がきたのね。びっくりしちゃって」

■不動産会社を直撃「取材に答えるつもりない」

 マンションに生魚などをつるしたり、近隣住民に「家を壊す」と迫ったりしたのは、周辺一帯の立ち退きを進めるためだったので
しょうか?
 不動産会社に取材を申し込むと、次のような返答がありました。
 関西の不動産会社:「嫌がらせ?誰が、そんなことを言っているんですか?立ち退きでもめているのが事実かどうかも含めて、取材
に答えるつもりはない。マンションのオーナーであることは事実です」
 不動産会社がこうした行為をしたのが事実であれば、法的な問題はないのでしょうか?専門家は、次のように話します。
 加藤博太郎弁護士:「あくまで卵を育てているとか、干物を育てているとか。そういった言い訳をしようと思ってると思うんですよ
ね。そんな所で卵を育てたり、干物を育てたり、不自然なわけです、明らかに。なので、裁判では(主張は)全く通らないと思いま
す。かえって、違法性を認識していたからこそ、言い訳をするために細工をしているんだと。脅迫・強要の手段として行われたのであ
れば、強要罪という罪も考えられますし、法規に違反する可能性があると思う」

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