大時計の振り子を毎日少しずつ短く調節していくとなんと今では定時を打つようになった、なんとも偉いものだ。
マルシェの後は定ルートになっているブロカント巡り。
一つは週に三日しか店を開かない。
もう一つの店はいつ開くのか全く気まぐれな魔女のような容貌店主のブロカント。
ブロカントに入る時は僕はいつも 「何も買わなくてすまないが見るだけです」 とすまなそうな表情で入っていくのが常だ。
相棒は見るだけでも当然と思いつつ入っていく。
ブロカントの主人を永くやっているとこんな客の見比べが出来るようになるのだろうか、そうとは思えない。
額の損傷も少なく鏡自体も適度な汚れかたで玄関にふさわしいゴールドのフレイムの鏡に出会った。
英語まじりのとんでもないフランス語で写真の許可を得ると意外と思いやりのありそうな魔女に好感さえ感じられた。
もっと商売上手だったら買ってしまったかもしれないがおそらく来週まで売れ残っているだろうと予想しすまなそうに店を後にする。