ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

年頭の3日間

2019-01-05 06:40:17 | エッセー
元旦は恒例の氏神様「世田谷八幡宮」へ、夫と初詣に行ったが、いつもより
1時間ほど遅かった。物凄い人で、私達は神社境内の裏側から入ったが、足の遅い
夫に「私先に行って並んでいるから、あなたこの辺で待っててね」と走った。
 するとその行列は、入口の階段の下の方まで続いていた、だんだん神殿が近
づいて時々列を離れて探したが、夫の姿はどこにも見えなかった。
仕方なく一人で新年の願い事をしてから、広い境内を一周し、もう一度探したが
夫は見つからなかった。一人で帰ったのかしらと電話をしたが、まだ帰ってない、
急いで家に帰ったが、夫はやはりいなかい、そのため心配でとてもいたたまれず
北沢警察へ電話で相談したら、「それではこちらから警察官を向かわせますから」と
住所と名前を聞かれた。

 10分ほどしてから若いお巡りさんが来て、いなくなった場所、夫の年齢、服装
などいろいろ聞かれ、「これから110番して下さい、パトカーが巡回してくれるので」
と言われた。玄関先で話していたら、何と夫が帰ってきてホッとしたが、「ベンチで
待っていたのに、ずっと来ないから帰ってきた」と言った。
手には神社に納める古いお札入れた紙袋を持っていた、やはり夫は判断力が欠け
ているのだと実感した。110番に「たった今帰ってきた」と報告を終わった警察官に
丁寧にお礼を言ったが、警察は本当に親切に対応してくれると、とても有難かった。
夫はその状況を察したようで、警察官に「ご迷惑をかけました」と挨拶したが
それからしばらく不機嫌だった。私は「ゴメンナサイネ。ずっと待っていてくれた
のね。寒かったでしょう」と労ったが、これからより注意しなければと、大いに反省。
 
1月2日はサントリホール、「ウイーン・フォルクスオーパー交響楽団」のニューイヤー
コンサート、会場はお正月らしく、とても華やかな雰囲気だった。
今年は一般発売前に買えたので、前から三番目のやや右側、大変良い席だった。
演奏は例年と変わらなく感じたが、オペラ歌手は二人共素晴らしく、またバレーは大変
優雅で美しく、ため息がでるほど素敵だった。私達は毎年このニューイヤーコンサート
に来ているが、夫は本当に音楽を楽しんでいるようで、音楽の感性は全く衰えていないと
嬉しかった。コンサートが終わり、クロークへコートを取りに行ったが、長蛇の列で
「あなたは入り口で待っててね」と言いかけて、また昨日のように迷子じーさんにして
は大変と気づき、「ずっと私と一緒にいてね」と言った。すると「分かった、ずっと
離れないね」と、夫はちょっと嬉しそうにニコニコした。

3日間はお天気続きで空がきれいだが、とても寒かったが、二人で「箱根駅伝」
をずっと見ていた。世田谷区では、駒大、国士館、日大と確か3大学が出場して
いるが、選手のひたむきさを見ていると、みんな勝たして上げたいと、本気で
思ってしまうのが私の悪い癖だ。その夜のNHKテレビの番組「篠田桃紅105歳」
を見たが、100歳過ぎてもまだ現役で意欲がある方もいらっしゃるのだ。
「まだ私は83歳で元気だ」と急に嬉しくなった。すると突然あることを閃き
即行動した。私も感性も、心のエネルギーも衰えていない、今年もハイヒールで
歩きたいと思った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする