「自然体で生きる」「ありのままで生きる」それはとても良いことだと思えるが
人生100歳時代と言われる現代、もしもみんながそうであれば、世の中は随分
索漠とした風景になると思う。見た目がよくない老人が増えるしだけではなく
介護される人だらけになるだろう。毎日のように流れるテレビのコマーシャル
新聞広告、折込みチラシなどは、若さと健康と美しさに関するものばかりだ。
つまり、すべて自然に逆らっているとも言えるが、それが人情だと思う。
何もしないで自然体でいたら、その結果は、お金と手間をかけて努力した
人のみが、若々しく見えるし、健康も保てるのは自明の理だ。
※活躍していた頃
40歳代後半から50歳位は明らかに向老期だが、それを全然意識せず「この
ままでいいや」と、今までと同じ生活状態でいたとしたら、その結果は60歳
過ぎには、ツケになって表れる。また身体面だけでなく、精神的にもそれ
なりに努力している人は、人間としての重みが感じられる。
大昔ある講演会で「その道で成功している人は、必ず人知れず努力をして
いる。白鳥は水面を滑るように泳いでいるが、見えない水の中では必死に
足を動かしているように」と聞いたことを思い出した。
私は仕事が大好きでいつも努力していて、色々な意味で満足した人生を
送れるはずだった。でも、私の人生の設計は、想像できないほど大きく
変わった。その一つは夫が認知症になり、その介護のために、私のエネルギー
のかなりをそれに当てなければならないことだった。
それ以来その介護のため、絶えずアンテナを張り、最新の情報をキャッチし
それらを元に自分なりに考え実行している。その努力の成果は自他共にも
十分感じられるから、大変遣り甲斐がある。能力はないが、努力を継続
できる人間だと思っているが、やはり自然体でいたら、もうとうにこの世
にはいないと思う。でも、まだ夢追うのは困ったものだが、心の中で
「ラストステージのためにがんばって!」とささやくのだから、もうしばらく
努力しようと思っている。時にはやり過ぎもありますが・・・