昨夜久ぶりに友人と下北沢で待ち合わせて、駅上にあり外から見て入り
たかったお店に行った。ところがそのお店はあまりにもうるさくて、イメージと違っていた。友人の声は低いのでよく聞こえないほどだ。
おしゃべりしたかっので、もっと静かなお店へ行こうと何軒か行った。
でも、花金のためか予約なしではダメで、ようやく入れたお店でかなり
飲んだ。お新香はこんなものが入っていて、聞いたら「ひょうたんの小
さいもの」だそうだ。

すると突然昔の梅丘の駅を思い出した。駅は階段を昇り下りしてホーム
へ行ったが、駅のそばにお地蔵さんがあり、そこにイチョウの大木があった。
階段を昇ったところに窓があり、そこからイチョウの梢がつぶさに見え
高い樹を上が見るのが嬉しくて、そこで立ち止まって時々見ていた。
春になると芽が吹いて可愛い葉が出てくる。イチョウははじめから葉の
形をしていて、毎年春になるとその可愛い葉を見るのが楽しみだった。

季節ごとに変化が楽しみだった大木のイチョウが、ある日突然切られて
その切りかぶを見たとき、私は茫然とし、涙がハラハラこぼれた。
それは駅の工事のためと知ったが、あの時のショックは忘れない。
ひょうたんはとても大きくなるが、イチョウと同じように初めからその
形をしているのだと可愛いその形にみとれた。酩酊していたためか
どんな味だったか覚えていないが、あんな大昔のことが鮮明にイメージ
できるのは、心は何と不思議なものだろう。
