昭和31年高校生時代の散文から…
? 春 ?
春の陽射しを感じた後、雪が二日続いて降った
雨を交えた雪であった
懐かしく顔を見せていた黒土は再び雪の中に埋もれてしまった
この雪が今年(今冬)最後のものだろうと察した時
人々には少しばかりの愛着の心を感じたが
それ以上に春を呼ぶ心が強かった
数日して生暖かい風が吹いた時
人々は春のささやきを聴いた
春が来たのだ!春が来たのだ!
しかし地上の片隅には薄汚れた雪がわずかに残っていた
雨が降った 春雨であった
風が流れた 春の甘い香りを乗せた風であった
片隅の雪は静かに消えた~
人々の顔には初めて春を迎える喜びの色が浮かんだ
もう直ぐ草木の芽も生えるだろう
地上には温かい春の陽が眩しかった
当時は今以上に雪が多くて、長靴がすっぽり雪の中に入る位の積雪であった。
高校生時代は内陸の豪雪地帯に住まいしていたから~尚更、春を待つ気持ちが強かった。
そんな時代の散文~何か今の私の心境に通じる所があるなーと共に、こんな文を作っていたんだ~と懐かしくも感じて再記です。