明日の風

明日は明日の風が吹く。気楽にいきましょう!

妊娠したら……

2017-08-02 19:50:24 | 時評
国会議員の妊娠・出産が話題になっています。もちろん「おめでとう!」が多数の反応と信じたいですが、妊娠・出産したら辞めろというような声もあるそう。妊娠してはなぜいけないの!? 確認しておきますが、憲法は幸福追求権のひとつとして妊娠・出産を保護しています。また、あらゆる性差別を禁止している女性差別撤廃条約も妊娠・出産に対する保護、つまり優遇は差別ではないと明記しています。
だから、こういう声は理屈ではなく感情・やっかみなんでしょうが、こんなことだから、わが国の少子化は止まらないのでしょう。呆れます。

今年の司法試験問題の憲法が似た話でした。
わが国が近い将来、外国人労働者を受け入れに踏み切るという仮定。しかし来日した外国人労働者に日本に居ついてもらっては困るので、都合が悪くなったらすぐに帰国してもらうという制度設計で、そのなかには妊娠した女性は強制帰国の措置も。
実際に在留中に同国人男性と親しくなり妊娠した女性が強制帰国させられ、この処分は違法として裁判を提起したらどう判断すべき?
一般に外国人の在留に関する法務大臣の裁量権は広いと理解されています。有名なマクリーン事件では、在留中に盛んに政治活動をしたマクリーン氏がビザの更新を拒否されたことが違法ではないとされました。
しかし妊娠を政治活動と同視することは難しいと思います。女性に妊娠するなは、いわば日本に入国させるが人間とは扱わないという仕打ちです。

妊娠したら国会議員辞めろも妊娠したら国外追放も同じレベルの仕打ち、とても文明国がすることとは思えません。ちなみに外国人労働者が妊娠したら国外追放はシンガポールで実施されているそうです。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 公立小中学校の夏休み | トップ | 旧友と南アルプスでハプニング »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

時評」カテゴリの最新記事