さて、今年の名人戦である。三たびこの舞台に登場したのは森内であった。そして、前年ストレートで失った名人位を見事奪回したのである。ここに10年以上続いた羽生の覇権は森内に取って代わられた、と言ってよいだろう。長年の雌伏の末に勝利を収めるというのは、物語としては面白いが現実世界では稀である。将棋界なら中原と米長邦雄、囲碁界なら趙治勲と小林光一のように、紙一重がなかなか越えられない。だからこそ、今回の森内の快挙は、NHKや朝日新聞などわが国の主流マスコミでも取り上げられた。森内は、竜王奪取後のインタビューで、「羽生がいなかったらと思うことはないか」との質問に、羽生がいたからこそ私はここまで来れたという趣旨のことを言っているが、これは本心であって、そういう純粋な気持ちが奇跡を生んだのだろう。もちろん、羽生が弱くなった訳ではない。失冠した3つのタイトル戦と並行して行われていた朝日オープンでは並みいる強豪を倒し挑戦手合に登場し、深浦康市を破って選手権者となった。森内と羽生、2人の闘いは将棋を知らない者をも熱くする。当分、目が離せないことは間違いない。
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