ウィリアムのいたずらの、まちあるき、たべあるき

ウィリアムのいたずらが、街歩き、食べ物、音楽等の個人的見解を主に書くブログです(たま~にコンピューター関係も)

工数は、ファンクションポイント規模に対し、指数的に上がる

2012-06-29 13:37:12 | トピックス
SDM公開講座「現代ソフトウエアエンジニアリングの俯瞰図
の第12回

ITプロジェクトのベンチマーキング
~ソフトウェア開発定量データとその活用~

を聞いてきたのでメモメモ




■1.定量データとベンチマーキングの必要性
定量データの必要性
・定量データが集まれば、こんな活用ができる

 ユーザー
  経営層:IT投資
  業務・情報システム部門
  プロジェクト管理者

 ベンダー
  経営層
  PMO・品詞保証部門
  PM,PL

プロジェクト活動における定量データの活用
・データ収集からプロジェクトへのフィードバックの流れ
   組織活動
   プロジェクト活動
     →ベンチマーク作成:データ白書のようなもの

SECの取り組みとデータ白書の目的
・定量的アプローチによる科学的マネジメントの普及拡大
  物差しとしての精度を高めていく

データ白書2010-2011の構成
・代表的な要素
  規模、工数、後期、生産性、信頼性
・プロジェクトの特性(プロファイル)
  開発種別、開発言語、アーキテクチャ、業種、
  開発ライフサイクルモデル、プラットフォーム
 →値ごろ感がわかりたい

SECセミナーのアンケート結果
・プロジェクトデータを収集している:76%
・プロジェクトデータを活用している:53%
  →ちゃんと活用できていない

収集した定量データ活用の期待とギャップ
・期待感(ひとつの例)
  ・収集したプロジェクトデータについて、
   代表的な要素間には相関関係がある
  ・2つの要素の関係が、回帰分析により定式化される

   ↓

・現実とのギャップ
  相関は低い
  ばらつきが大きく、型よりもある
  プロジェクトの特性に合わない
   →そもそもデータを集めてもムダ?

 統計分析をしても、赤字になる(ぶれ幅おおきい)

今回のポイント
・SEC「ソフトウェア開発データ白書」を例にして
   ベンチマーキング

【参考】ITプロジェクト性能ベンチマーキング
  →なにをするのか、まとめられている
  →経済産業省ソフトウェアメトリクス高度化プロジェクト

■2.データ白書の見方とポイント

白書の表記と見方の留意点
・データの分布を視覚的に捕らえることができるグラフ
  →箱ひげ図
  99.7%入っていれば良い・・・標準偏差
   5つのM(品質工学)
   ソフト→正規分布しない→箱ひげ図
  変なはずれ値があっても、影響を受けない

・対数変換による分析
  →対数変換すると、正規分布になるらしい・・・
    →線形性が見えてくる

・基本統計量、プロファイルデータの見方と留意点
  中央値と平均値をとっている
    →平均値ははずれ値に左右される

収集したプロジェクトデータの分布について
・FP規模:1000FP以下が7割弱
・SLOC:50KSLOC以下が多い
・工期:14ヶ月以下
  :
  :

工程別の分析について(8章)

工数比率
・開発工程を実施するのに必要な作業工数の比率

工期比率
・各開発工程を実施するのに必要とされる期間

 →お客さんが言われたとき、目安になる

テスト工程別のテストケース数と検出バグ数
  結合テストケース数は総合テストケース数の約4倍

テスト工程別のテストケース数と検出バグ数
  「規模あたりのテストケース数と検出バグ数」のデータ活用
   ゾーン分析

生産性の分析について(9章)
  層別による分析
  月あたりの要員数
  信頼性要求レベルが高いほうが生産性は低い傾向にある

予実分析
  計画と終わった段階
    工期:中央値0(=納期は守る)
    工数:中央値2.9、-3~+24%で変動
        ただし、3倍越えのはずれ値も!

■3.定量データの活用事例

ソフトウェア開発ライフサイクルからみた活用事例

見積もり:規模、工数、工期のデータ活用
・データ活用の狙い
  50%信頼幅、95%の下限値

・いきなり機能分割→類推見積もり
・見積もり:ボトムアップ見積もり
   パラメトリック見積もり

 1000FP→40人月
  じゃあ、4000FPだったら4倍?
  ちがいます。
  工数=AX(FP規模)**B B=1.19
  指数的に上がる!!

工数の見積もり
・留意点
  規模が大きくなると、「規模の増加率以上に工数が増大する」

・見積もりがでたら
  →妥当性を確認:ベンチマーキング

「工数と工期」

・工期は工数の3乗根におおむね比例
  工期=AX(工数)**0.31
  JUASだとA=2.54 125人月で1年
  でも、これでは受注できない

・留意点
  工期短縮には限界がある
  12ヶ月を工数短縮しても5ヶ月
    →失敗しても、5ヶ月

・分析の切りくち
  →Javaのほうが.Netより生産性悪い

・規模、工数、工期からの適切な計画案の策定の事例

コントロール「残作業の見積もり」
  基本設計工程は全工程の15-30%、中央値は23%
  基本設計で、1.5ヶ月が2ヶ月かかったとする
    →全体の比率は?

  ベンチマーキングとして使う

評価
・規模の小さいプロジェクトは生産性のばらつきが大きく
 PMスキルの分布もばらついている
・規模の大きいプロジェクトは、生産性が低い傾向と同時に
 PMスキルが高い傾向が見られる


■4.実践的活用をサポートするツール

プロジェクト診断支援ツール
  Webサイトにデータ白書がそのまま載っている

スタンドアロン型プロジェクト診断ツール
  自社のデータをいれる
  (Webの)プロジェクト診断支援ツールに渡せる

PowerPointもある

<<おまけ>>
・最近のデータ白書
  中小企業を考慮
   小規模
   工程別の生産性分析
   特定分野の経験:要員配置
  信頼性
   信頼性向上
   開発手法

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする