ここ数年(1~2年くらいかも?)で、ソフトハウスに
大きな格差が生まれようとしているように感じているので、
それについて思ったことをまとめる。
■格差社会前:中規模ソフトハウス(従業員:15~60人)の存在
まず、ソフトハウスは売上高と技術的先端性の2軸を取ると、
大きく3つに分割できる。
(1)1プロジェクトあたりの売上高小(1000万以下)
既存・汎用的技術中心
数年前は、中小ソフトハウスはJavaとかPHPとかでフレームワークを
使った案件が取ってこれた。なので、この受託を取ったり、中小企業の
小売業、製造業相手のIT化などの仕事をしたりしていた。
技術が好きな人が社長さんになったりして、その「コンピューター」
技術談義に花を咲かせるなどという・・・のどかな時代があったものでした。
(2)1プロジェクトあたりの売上高小(1000万以下)
先端、専門技術中心
もっとも、この時代(っていっても、数年前なんだけどね)にも、専門・先端技術
をやっている中小やベンチャーはあって、画像処理とか、ハードよりの組み込みとかを
していたかんじ。
(3)1プロジェクトあたりの売上高大(1000万以上)
既存・汎用的技術中心
これがいわゆるSIerをトップとした中小下請構造
最底辺はSES・派遣の場合と、受託(偽装請負含む)の場合もある
SESのほうが、社員に給料を払ってから、入金までのサイトが短いこと、
大きな残業の場合は、ある程度発注側が負担してくれることなどから、
小規模でも受けやすい(2、3人を送り込む100万台の案件~)
この上にSIerがあって、まあ、5次請け、6次請けとかあったわけだ。
※なお、組み合わせ上、
1プロジェクトあたりの売上高大(1000万以上)
先端、専門技術中心
という案件も考えられるが、ここで分けるほど大きな案件はあまりない。
先端といっても、本当の先端というよりは、既存技術。
大きなプロジェクトの場合、先端技術を導入してリスクをとるということを
しないことがおおきな原因だけど、そもそも、日本は新規開発が少なく、保守
にお金がかかっている現状、この市場に投資する余裕がない・・・ってことも
あると思う。
※時間が流れると、技術も流れていくので、それにともない、この図も
平行移動する。なので、既存技術をやっている人たちも技術改革の影響
をうけるんだけど、「ある時点で区切ってみると」いつもこんなかんじ。
■今起こっている格差
ところが、2~3年前から、急激な変化が起こった。
一つはAIとIoT。
これは、コンピューター技術でも、いままでのフレームワーク
の延長ではないし、ソフトとハードの融合がものすごく、専門知識
が結構いるようになった。
もう一つは、大規模システムの開発失敗
みずほはなかなか出来ない、
マイナンバーも結局・・・
東電託送・・・
等など、大規模案件で、納期どおりうまく開発できなくなった。
世間的には、前者が大問題と思っているかもしれないけど、
実は、後者のほうが大問題。予算が決まっている、でも、納期どおりでない・・・
・・・どうなったか・・・
単価を下げて、人をあつめた。
・・・どこから・・?
はじめのうちは、組み込みや、中小ソフトハウスからだった。
→中小ソフトハウスは、この段階で単価が下がった。
その前はめちゃくちゃ単価が高くなったので、まさに急降下ってかんじ。
でも、それでも集めきれなくなり、一般の人を募集するようになった。
それとフリーランスの人。この業界、50代、60代の人たちが若かった
ころは時代が良かったので、お金になったけど、いまいろいろ大変で、
フリーランスになる人が多い。そして環境的にも、首都圏コンピューターとか
レバレッジとかでてきて、フリーの人たちも働きやすい環境になった。
そこで、こまったのは、中小ソフトハウス。フリーランスの人は、1人月50万で
請ける。その値段では、中小ソフトハウスは採算取れない・・・けどやる?
この場合、中小ソフトハウスは、上のほうに行くことになる。
右横、つまり、先端技術のほうにいけるか・・・
これ、中小ソフトハウスの偉い人は、コンピュータ技術好きだから行きたくて
行ってしまう。Raspberry Piとか、ディープラーニングとか
でも、Raspberry PIにはすぐにつながらないし、ディープラーニングやっても
うまく学習してくれない。それなりの技術はいるのよ・・・
なので、右横に行くと、失敗する。
結局、中小ソフトハウスは存立できなくなってきている。
ただ、大規模プロジェクトが失敗してくれているおかげで、マネジメント部門
(PMO)に人が必要で、そこに押し込めば、何とかお金は確保できるので、
やっていけている。
今後はプロジェクトの規模が小さく、多くなってくるので、PMの需要が多くなる
と思う。そこに食い込めば、一時的にはやっていけるかもしれないけど・・・
全体的には、中小ソフトハウスは減ってくるかな?
もともと、ベンチャーや専門技術の会社は、そんなにない。
そこで、今の状態だと、中小ソフトハウスが減って、上のほうに行く
大規模下請け会社と、中小企業間の仕事を請ける、小規模やフリーランス
となって、中間層は減っていく・・・そんな気がしています。
大きな格差が生まれようとしているように感じているので、
それについて思ったことをまとめる。
■格差社会前:中規模ソフトハウス(従業員:15~60人)の存在
まず、ソフトハウスは売上高と技術的先端性の2軸を取ると、
大きく3つに分割できる。
(1)1プロジェクトあたりの売上高小(1000万以下)
既存・汎用的技術中心
数年前は、中小ソフトハウスはJavaとかPHPとかでフレームワークを
使った案件が取ってこれた。なので、この受託を取ったり、中小企業の
小売業、製造業相手のIT化などの仕事をしたりしていた。
技術が好きな人が社長さんになったりして、その「コンピューター」
技術談義に花を咲かせるなどという・・・のどかな時代があったものでした。
(2)1プロジェクトあたりの売上高小(1000万以下)
先端、専門技術中心
もっとも、この時代(っていっても、数年前なんだけどね)にも、専門・先端技術
をやっている中小やベンチャーはあって、画像処理とか、ハードよりの組み込みとかを
していたかんじ。
(3)1プロジェクトあたりの売上高大(1000万以上)
既存・汎用的技術中心
これがいわゆるSIerをトップとした中小下請構造
最底辺はSES・派遣の場合と、受託(偽装請負含む)の場合もある
SESのほうが、社員に給料を払ってから、入金までのサイトが短いこと、
大きな残業の場合は、ある程度発注側が負担してくれることなどから、
小規模でも受けやすい(2、3人を送り込む100万台の案件~)
この上にSIerがあって、まあ、5次請け、6次請けとかあったわけだ。
※なお、組み合わせ上、
1プロジェクトあたりの売上高大(1000万以上)
先端、専門技術中心
という案件も考えられるが、ここで分けるほど大きな案件はあまりない。
先端といっても、本当の先端というよりは、既存技術。
大きなプロジェクトの場合、先端技術を導入してリスクをとるということを
しないことがおおきな原因だけど、そもそも、日本は新規開発が少なく、保守
にお金がかかっている現状、この市場に投資する余裕がない・・・ってことも
あると思う。
※時間が流れると、技術も流れていくので、それにともない、この図も
平行移動する。なので、既存技術をやっている人たちも技術改革の影響
をうけるんだけど、「ある時点で区切ってみると」いつもこんなかんじ。
■今起こっている格差
ところが、2~3年前から、急激な変化が起こった。
一つはAIとIoT。
これは、コンピューター技術でも、いままでのフレームワーク
の延長ではないし、ソフトとハードの融合がものすごく、専門知識
が結構いるようになった。
もう一つは、大規模システムの開発失敗
みずほはなかなか出来ない、
マイナンバーも結局・・・
東電託送・・・
等など、大規模案件で、納期どおりうまく開発できなくなった。
世間的には、前者が大問題と思っているかもしれないけど、
実は、後者のほうが大問題。予算が決まっている、でも、納期どおりでない・・・
・・・どうなったか・・・
単価を下げて、人をあつめた。
・・・どこから・・?
はじめのうちは、組み込みや、中小ソフトハウスからだった。
→中小ソフトハウスは、この段階で単価が下がった。
その前はめちゃくちゃ単価が高くなったので、まさに急降下ってかんじ。
でも、それでも集めきれなくなり、一般の人を募集するようになった。
それとフリーランスの人。この業界、50代、60代の人たちが若かった
ころは時代が良かったので、お金になったけど、いまいろいろ大変で、
フリーランスになる人が多い。そして環境的にも、首都圏コンピューターとか
レバレッジとかでてきて、フリーの人たちも働きやすい環境になった。
そこで、こまったのは、中小ソフトハウス。フリーランスの人は、1人月50万で
請ける。その値段では、中小ソフトハウスは採算取れない・・・けどやる?
この場合、中小ソフトハウスは、上のほうに行くことになる。
右横、つまり、先端技術のほうにいけるか・・・
これ、中小ソフトハウスの偉い人は、コンピュータ技術好きだから行きたくて
行ってしまう。Raspberry Piとか、ディープラーニングとか
でも、Raspberry PIにはすぐにつながらないし、ディープラーニングやっても
うまく学習してくれない。それなりの技術はいるのよ・・・
なので、右横に行くと、失敗する。
結局、中小ソフトハウスは存立できなくなってきている。
ただ、大規模プロジェクトが失敗してくれているおかげで、マネジメント部門
(PMO)に人が必要で、そこに押し込めば、何とかお金は確保できるので、
やっていけている。
今後はプロジェクトの規模が小さく、多くなってくるので、PMの需要が多くなる
と思う。そこに食い込めば、一時的にはやっていけるかもしれないけど・・・
全体的には、中小ソフトハウスは減ってくるかな?
もともと、ベンチャーや専門技術の会社は、そんなにない。
そこで、今の状態だと、中小ソフトハウスが減って、上のほうに行く
大規模下請け会社と、中小企業間の仕事を請ける、小規模やフリーランス
となって、中間層は減っていく・・・そんな気がしています。