小川糸著 ライオンのおやつ 児童書のような題名
だが 内容は違ったライオンはホスピスの名称
余命を宣告された女性は 年寄りかと思って読み始めたがまた違った
それは若い人だった 瀬戸内海の島 海の見えるホスピスが舞台
そこでの出会い 別れ 人の人生を知る 1か月間の出来事
本文では食べ物が登場し それにまつわる話は感動する
ホスピスでは入居者がもう一度食べたいおやつのリクエストがある
お茶会に誰のリクエストかは明かさず その人の思い出と共に提供される
おやつは身体に必要ないものかもしれないが 人生が豊かになる 心の栄養 人生のご褒美
命の尊さ なんでもない日常の幸福 それらの描写に引き込まれ
思い切り不幸を吸い込んで 吐く息を感謝に変えれば 人生はやがて光り輝く
読んだ後に 自分の お思い出の食べものはなんだろうかと考えた
母の作ったホウの葉の柏餅か 誕生日には必ずつくってくれた赤飯か
はたまた父親が仕事帰りに買ってきた砂糖を塗った動物ピスケットか
さらに自分は子どもたちに思い出になるような食べ物を与えただろうか
色々考えて反省する本だった