英語でハープシコード(harpsichord)と呼ばれるこの鍵盤楽器は、ドイツ語ではチェンバロ(Cembalo)、フランス語ではクラブサン(Clavecin)と異なる呼称をもつ。
「チェンバロ」「クラビチェンバロ」「クラビア」「クラブサン」ともいう。鍵付きの弦楽器の一種です。
先日ワンダ・ランドフスカのCD24枚が届くが仕事で開封して未だ聴いてなく、生憎の天候(台風)も悪く家でモノーラルのワンダ・ランドフスカのCDを聴いて見ました。
勿論、正式にはWanda Aleksandra Landowska(1879年7月5日 - 1959年8月16日)は、20世紀初頭にハープシコードの人気を復活させるために演奏、指導、録音、執筆が大きな役割を果たしたポーランド・フランスの聴衆演奏家でした。
彼女は、ヨハン・セバスチャン・バッハの「ゴルベルグ・ヴァリエーションズ」(1933)を初めて録音した人物である。
彼女は1938年に帰化してフランスの市民になりました。最初筆者が感動した曲です。
Wanda Landowska plays Bach (1953)
今から85年前の録音、音質も決して良いとは言えないがそれでも途中では止められない、そこには間違いなく素晴らしい音楽が鳴る、録音された時のノイズも多いが間違いなくバッハが鳴っているようだ。
ワンダ・ランドフスカ(1879-1959)は、ほぼ絶滅していたハープシコードという古楽器を20世紀に復活させた立役者にして、この楽器の女王だある。
彼女がチェンバロで奏でるバッハを聴き、ショックを受けた有名人にはブゾーニ、トルストイ、チュルリョーニスといった鋭敏な感受性を持つ芸術家も多く、世の中への多大な影響という点で、まさにハープシコード革命を行なったと言えるのかもしれない。
ランドフスカの演奏スタイルは、現代のハープシコード奏者のそれと比べると現在の観点では、確かに幾分古めかしさを感じる部分があるが、それでもハープシコードの裾野を広げた先駆者の演奏として決して無視できないものがある。
当に『壺中の天』である・・・。
現在拙宅の黄金の組み合わせでTANNOY IIILZ in Cabinetにトーレンスの銀線RCAケーブルと、スピーカーケーブルはWestern Electric 16GA(撚り線)single(緑)に繋いで聴く。
このシステムで聴く限り、十分満足していつまでも聴いていたい感じになる。
往年のチェンバロ奏・ランドフスカは、ピアノの普及により20世紀初頭、バッハの作品は少ない、ハープシコード作品についてはほぼモダン・ピアノ演奏の選択と状況でした。
19世紀末の1889年に開かれたパリ万博では、プレイヤー社とエアー社がチェンバロを出品して連続演奏会が開かれるなどていものの、あまり注目されることはありませんでした。
ランドフラスカも、1892年、13歳でバッハ作品をメインにしたプログラム ピアニストとしてデビューするなど、当初はピアノでバッハを弾いていました。
その後、民俗学者の夫から影響などもあってランドフスカはハープシコードに強く関心を持っているように、各地の博物館なども回って保存されていた楽器などを研究して楽器も購入、24歳の時にはチェンバロの奏者としてのデビュー演奏会を開き、以後、チェンバロのスペシャリストとして知名度向上。
問題を解決した新人チェンバロ「ランドフスカ・モデル」を完成してドイツのブラスラウ音楽祭で披露するに至ります。
この楽器は、かごでヘンデルなども使用していた大型チェンバロや、ランドフスカによる研究成果などをもパリのピアノ製作メーカー、プレイエルが製作した2段鍵盤モデルで、頑丈なピアノの筐体技術や弦の強引な張力を利用して、16笛弦と7つのレスターオペレーションペダルまで備えていました。
ランドルフはこの楽器を主に使用するため、ハープシコード復興のための活動に乗り出します。
やはり此の曲が感動したBach BWV988ゴールドベルグ変奏曲でした。
Wanda Landowska(1879-1959)
JSバッハ:イタリアの協奏曲、BWV 971
クロマチックファンタジーとフーガ、
BWV 903 ゴルトベルク変奏曲、BWV 988
20世紀前半には、バッハのゴルトベルク変奏曲はほとんど聴けなかったようです。
Claudio ArrauとWilhelm Backhausは1930年代にピアノを公に演奏したが、1933年5月、Landowskaはこの作品をハープシコードで初めて演奏した。
6ヵ月後、彼女はHMVのためにパリでそれを録音した。
これはゴルトベルク変奏曲を初めて録音したもので、リリース時にはほとんどの人が全く聞いたことがなかったため、またPleyelのハープシコードでは全く影響しませんでした。
彼女の録音はほぼ独力でその作品を復活させ、それを一般の意識に戻した。
現代批評家は次のように書いています。「Landowskaのパフォーマンスのうち、最高のものしか話せません。
今聴いてもモノーラル録音、しかも音質も今の技術で良くなったとはいえ、ナローレンジの音質だが、何故が全曲聴かずにはいられない。
J.S.Bach, Wanda Landowska, Harpsichord Goldberg Theme & Variations BWV 988
J.S.バッハ、ヘンデルと同年、イタリアに生まれた。父親はナポリ楽派の創始者として重要視される作曲家、鍵盤楽器音楽の革命家アレッサンドロ・スカルラッティ。
少年時代に始まる音楽活動の前半期はオペラや教会音楽が主な作品である。
500余曲を数える「ソナタ」は後半生、ポルトガル王女マリア=バルバラ(後にスペイン王妃)の教育目的で作曲された練習曲である。
急速な同音連打や大きな跳躍進行など、当時としては極めて斬新な鍵盤音楽の演奏技巧を開発した。
スカルラッティの「ソナタ」は主にチェンバロで弾かれることを想定して作られたものであり、現代ピアノで弾く際には、ピアノ音楽への「翻訳」を行なうセンスが必要となろう。
K. 19までの作品とは対照的に、後半が前半の3分の1程度と短く、前半の殆どの楽節が割愛されている。
K. 11などと同様に、両手共に高音に集中し、低音域の使用はカデンツに限られる。長短調の突然の交替や、明るい響きの2声の平行から上声の旋律と低声の伴奏というギャラント様式に特徴的な書法への変化など、音楽は流動的に変化していく。スカルラッティ:20のソナタも実に素晴らしい演奏である。
Domenico Scarlatti, sonatas, side 1, Wanda Landowska
現在のJ.S.Bach: Violin Sonata 録音は、ハープシコードに加えて、ビオラ・ダ・ガンバの伴奏を持っている点で非常に特別です。
バッハ自身の手の一部である18世紀半ばの2つの音源は、この楽器をミックス「se piace」に追加することを主張します(望むなら、それを選手の自由裁量にヴィオラ・ダ・ガンバはベースラインに力を与えて、ハープシコードには不十分なものを提供します。任せます)。
これの例はソナタのNo。2のAメジャー、BWV 1015には18バールのペダル・ポイントがあり、このビオラにはチェンバロに連続性がありません。コインの逆に、ソナタ2と5の3回目の動きでは、ダ・ガンバは肯定的な貢献をしておらず、省略されている。
又Menuhinの演奏がデビュー間近なのか、初々しく聴こえる。
J.S.Bach: Violin & Harpsichord Sonata No.1 in B minor BWV 1014 1. Adagio [Landowska/Menuhin]
キーボード演奏者のワンダ・ランドソフカ(Wanda Landowska、1879-1959)は、ピアノの最も重要な祖先であった楽器であるハープシコードの復活を担当していました。ヨハン・セバスチャン・バッハ、ジョージ・フレデリック・ヘンデル、フランソワ・クープランンのようなバロック時代の重要な作曲家(c.1600-1750)は、ハープシコードを念頭に置いて、より大きな作品のソロ・キーボード作品とキーボードパートを書いた。
現代のハープシコード演奏者は、Landowskaに大きな負債を負っています。
筆者が未だ良く聴くのは BACH: THE WELL-TEMPERED CLAVIER, BOOK 1 BWV.846~869 (全曲)
BACH: THE WELL-TEMPERED CLAVIER, BOOK 2 870~893 (全曲)
彼女は独創的に楽器の構造を研究し、建築家から新しい事例を依頼し、演奏スタイルを調査し、ハープシコードの使用を促進する論説記事を書いたそうです。それは5年のコンサートのキャリアの上でそれです。
彼女の影響力は、古典音楽の聴衆が、過去の音楽がしばしばそれ自身の言葉で最も高く評価されている。
今回のCD盤の中では比較的音質も良く、又筆者が昔から好きな練習曲です、最近愛聴してるのはJ.S.Bach 15Two-Part Inventlonsの練習曲をよく聴きます。
一日でWanda Landowskaを聴くのは無理ではあるが、音質は良くないが永く聴き続ける演奏者ではある。
やはりWanda Landowskaはまさに、壺中の天の宝庫です。ブラボー!