今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

神前結婚記念日

2006-07-21 | 記念日
今日(7月21日)は、「神前結婚記念日」
1897(明治30)年の今日(7月21日)、東京日比谷大神宮の拝殿で初めて高木兼寛男爵媒酌の神前結婚式が行われた。以来、その影響で一般にも神前結婚式が挙げられるようになったという。それまでの結婚式は家庭で行うのが普通だった。
1900(明治33)年5月10日に「皇室御婚令」が発布され、皇太子(後の大正天皇)と公爵九条通孝の四女節子との御婚儀が初めて宮中賢所大前で行われた。このことにより、国民の間に神前での結婚式を希望する気運が高まったそうだ。それを受けて日比谷大神宮は、神前結婚式を世に広める為に、新聞記者や大臣等を招いて模擬結婚式を行うなどPR活動を行った。現在の神前結婚式の原型は日比谷大神宮の宮司が、宮中婚礼を参考にして作ったものだそうだ。
古代において、日本人の祖先は性に対しては割合に開放的で、男女間の交際は大変におおらかなもので、結婚とのさかい目は明確ではなく、いわゆる乱婚とか雑婚という状態が長々と続いていたという。これはまだ、日本に仏教や儒教などの道徳規範が到来していなかったことが理由の一つであり、そのため、掠奪結婚というのもあったという。
これが、飛鳥・奈良朝になって仏教伝来とともに、戸籍制度も出来、儀式にも唐の習慣が取り入れられるようになり、結婚式は戸令(こりょう)により、唐にならって男子15歳、女子13歳で許され、その他、皇族と臣下との通婚を禁じること。父母及び夫の喪のある間は、嫁取りを禁ずること。掠奪あるいは売買による婚姻を禁じることなどが規定されている。
この時代にはいると、婚礼には媒酌人というものが定められ、男子から媒酌人を女子の父母、祖父母などに申し入れて承諾を得た話がまとまれば、男子側から進物を女子へ贈るという納采(結納)が行われるようになった。これも中国から入ってきた風習であり、また当時婚礼の日取りは吉凶を占って決めていたこともわかっているという。このような、日本の結婚形態は、「婿入婚」」が一般的であったようで、たとえ夫婦でも日常生活は別々に営み、夫が妻方に通う、いわゆる「通い婚」で、子供が誕生するか、または夫の両親が他界した時に、女性は初めて妻として夫宅へ入り、一緒に結婚生活を営むものであったようだ。当時、一般人にとっては、労働力は家族を維持するために欠かせない重要な要素であったから、ある一定期間、夫は妻宅に住み、労働力を提供することもあったそうだ。「婿入り」という言葉は現代でも使用され、これは、結婚後、夫が妻の生家に入ることを差している。
この形式は貴族社会を中心にして伝統的に行われてきたのであるが、鎌倉時代に入り武士の勢力が顕著になってくるに従って、結婚の形態は「婿入り」から「嫁入り」へと、次第に移り変わっていった。またこの時代には武家のための儀礼も確立され、それが、現代まで残されている作法の原点となっているようだ。封建制度の下では、結婚は、しばしば、家系の利益が優先され、男女とも、個人の意志を無視した結婚が行われていた。また、未婚の男女の社会的地位は、低いものであった。このような時代背景から、日本では、近代になってからも、個人の意志よりも、親族同士の話し合いによる、または仲人による結婚が多く見られた。江戸時代に入ると、裕福な町人階級が武家の結婚風俗を手本に、華やかな婚礼が行われるようにもなった。明治時代には、1870(明治3)年11月、縁組規則が制定され、翌明治4年に戸籍法が定められ、華族は太政官に、士族以下は管轄府県へ願い出て、通婚が許されるようになった。
古くから日本での結婚式の形態は古式に則って行なわれ、神や仏、または宗教に関係なく両親や親族、友人など、挙式に参列してくれた人全員を立会人として結婚を誓う人前式が一般的であり、これは今日の人前式スタイルの原型といえる。明治以降、西洋の文明開化思想の影響は結婚儀礼のなかにも反映し、人前結婚も神社や協会で行うようになるが、これは、先にも述べた皇太子時代の大正天皇の御婚儀を真似たのが、始まりであるらしい。最近では通常儀式の後、披露宴を行うため、結婚式を行う場所も出席者の交通の利便性がよく大広間が利用できるホテルや結婚式場などで行うことが多い。このホテルや結婚式場では、式場側で結婚式に関するほとんど全ての用意を行い華やかな演出まで行ってくれるので、式を主催する側には大変便利になっている。その一方、ホテルや結婚式場の用意するプランでは、女性側を華やかに演出する形式が多いため、近年の日本の結婚式は、海外やかつての日本の形式とは異なり、男女双方の結婚式というよりは、新婦が主役で新郎が脇役となっていることが多いといえるだろう。
今の結婚式で、男性よりも女性が主役になることは、それはそれで、男性が主役になるよりは、華やかで良いかもしれないと私も思っている。私が結婚した時代などは、お見合い結婚が多く、嫁入り前の女性が、結婚当日、両親の前で、育ててくれた礼を述べ、その別れ(見合い相手の家に入る)の挨拶をするシーンなど、映画を見ても一つの見せ場となっていた感があるが、今の時代も同じ様な情景が見られるのだろうか?私には1人息子しかいないし、そのような場面に立ち会ったことがないのでよくわからないが、最近のテレビドラマなど見ていてもそのような伝統的なシーンをよく見るので、そのシーンに関しては、今でも変らないのではないかと思う。
しかし、よくよく考えると、よくわからないことがある。戦後、日本の家制度は破壊されてしまったし、今では、お見合いで結婚などする人は少なく、殆どは恋愛や、コンパなどで知り合った自分の気に入った、言い換えれば、家のことや親の考えなどよりも、自分の好きだと思う人と結婚するのだろうし、私の周りを見ていても、結婚後は、結婚した男性の家族と一緒に住んでいる人達は非常に少なくなった。と言うよりも、核家族化で新婚の夫婦だけで住み、男性側の家には寄り付かないで自分の家にばかり出入している女性が多いように見受けられるし、又、養子でもないのに、女性の家親の家に住んでいる夫婦も多い。
このような状況は、言い換えれば、今の結婚は、今まで長く続いていた「嫁入婚」」というよりは、むしろ昔とは少し形の変わった「婿入婚」と言うか、「男人質婚」のような感がする。
それなのに、如何して、結婚の前の日だけは、昔の「嫁入り」をして、なかなか里の実家にも帰れなかった時代の人たちと同じ様に、悲しい別れのような挨拶が必要なのだろうか。それは、ちょっとした、女性のセンチメンタリズムか・・な?。
(画像は神前結婚。Clopartより素材借用)
東京大神宮(大神宮会館)
http://zexy.net/box_photo/0006403004/0006403004P004/
結婚- Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%90%E5%A9%9A
冠婚葬祭ネット - 婚の部
http://www.touse-web.com/modules/tinyd1/rewrite/tc_11.html
日本結婚史
http://www148.sannet.ne.jp/oota/dousuru/kankon/nihon/nihon1.htm
高木兼寛 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E6%9C%A8%E5%85%BC%E5%AF%9B