今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

公認会計士の日

2007-07-06 | 記念日
今日(7月6日)は「公認会計士の日」
日本公認会計士協会が1991(平成3)年に制定。
1948(昭和23)年の今日(7月6日)、「公認会計士法」が制定されたことによる。公認会計士法は、公認会計士の制度を定める法律である。公認会計士・公認会計士補の使命、職務、監査法人・日本公認会計士協会・監査審査会の制度などを定めるほか、無資格者の財務書類の監査及び証明事務の取り扱い禁止、事務を取り扱う表示の禁止、公認会計士事務所の名称使用禁止などを定めている。
公認会計士の使命は、公認会計士法第1条において、”公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする。”とある。
我が国の職業会計人制度の芽生えは、明治、大正時代の自然的発生から1927(昭和2)年の「計理士法」(法律31号)に基づく計理士へと制度化されていたが、第二次世界大戦後の日本は、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)による財閥解体などによる証券の民主化、大衆化が行われ、有価証券取引市場の機構確立と同時に、会社の経理内容の公開とその真実性の確保が強く要請され、1948(昭和23)年4月、「証券取引法」が制定されるとともに、同年7月に計理士法を廃止して新たに「公認会計士法」(法律103号)が制定された(計理士制度は、公認会計士法の附則で存続していたが、昭和42年3月をもって廃止された)。
企業の経営状態は貸借対照表損益計算書などの財務諸類(会社法では、計算書類と呼ばれるが、一般には決算書とも)を見れば知ることが出来る。債権者が金銭等を貸すとき、或いは、投資家が企業に投資するとき、財務書類をもとに経営状態を判断し、金銭を貸すのが妥当か、投資するのが妥当かを判断している。従って、もし、その肝心の財務書類が現実の経営状態を反映していないものであったとしたら、債権者や投資家などの利害関係人は、判断の基礎となる財務書類が間違っているのあるから、正しい判断が出来ないことになる。そのようなことになれば 、経済全体や資本主義の根幹に関わる問題になりかねない。
企業の監査は、主として会計監査あるいは業務監査をいうことが多いが、これは、公認会計士が行う監査、会社法上の監査役等(監査役または監査役会)が行う監査、そして企業の内部監査人が行う監査の三種類があり、総称して三様監査制度と呼ばれる。公認会計士が行うのが会計監査であり、監査役等および内部監査人が行うのが業務監査である。(商法上の小・中会社の場合は監査役が会計監査も行う)
このように、法的には、日本の監査制度は、完璧に見えるのであるが、その実態は非常に問題がある。それは、監査をしてる会計監査人も、監査役も内部監査人も全てが、監査をしている企業から報酬を受けていることである。
企業の経営を任されている取締役は、その期間の会計年度の営業の成果を株主総会で、株主に対して報告した上で、決算承認とそれに伴う剰余金分配決議、役員の選任決議その他重要事項の決議をすることになるが、その際、貸借対照表、損益計算書等の計算書類とそれに対する会計監査人・監査役等の監査意見を表明した監査報告書を貼付した上で、計算書類が正しいことを報告しなければならない。しかし、先ほど書いた事情からこの監査報告書に、会計などが正確に適法に処理されていないにもか関わらず適法として報告されているものがあることは、過去、山一證券ヤオハン足利銀行カネボウなどの粉飾決算事件が、マスコミ等の報道で知られている通りである。
このようなことが起こるのは、経済大国と言われている日本の株式市場が未成熟であることを証明しているようで、恥ずかしい限りである。日本人の預貯金は、世界の中でもぬきんでいるが、株式への投資に対する意識は低い。優秀な企業に投資をして、その企業を育てていくことが、資本主義の世の中では非常に大切なことであるが、日本人の多くは、会社への投資意欲は低く、株式を買っても、投資先の企業に対する株主としての発言や監視をしっかりとしていない。最近、外国資本が大量に日本株式を購入し、日本企業に発言力を強めている。面白いことに、この頃は日本人が、日本の株式を買わず、本当にただのような安い定利の銀行預金をするのがいやな人達が、金利や配当の高い外国への投信を買って、そのお金が廻りまわって日本の株式へ大量に流れ込んできているのである。日本人が、日本を良くするために一生懸命努力をし、貢献している企業を育て、悪い企業にものを申すようにしなければいけないのではないか。
今、日本では、非常に多くの社会問題が噴出しているが、その殆どは、法律の未整備等の問題ではなく、殆どのものが、貴方任せになっており、管理や監査、監視といった牽制が機能していないことである。資本主義の考え方はどちらかと言うと性悪説に立っているといわれる。資本主義では、自由に何でもやれることが特徴であるが、その代わりに何をするかわからない悪い人が出てくることを前提にしておかなければいけない。従って、そのような人たちが出てこないように確りと管理し、本当にそのようなことがないかをチェック(検査・監査)してゆかなければならないのである。そうすることによって、正直に、真面目にしている人達が不平等を被らなくて済み、その人たちの権利が守られ自由に行動できるのである。日本人の感覚では管理されるというと拘束されるように感じるかも知れないが、それは逆である。日本の場合は、自らの力で自由・民主主義を勝ち取ったのではなく、戦後の敗戦の中で、GHQによって導入された。そのため、正しく理解がされておらず、まだまだ、西洋などの表面上の真似事をしているだけで、体質的これらの制度に馴染んでいないのである。見せ掛けの民主主義・資本主義の国といえるだろう。
(画像は、「会計監査論」 (単行本) 山浦 久司 著。)
参考:
公認会計士法 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AC%E8%AA%8D%E4%BC%9A%E8%A8%88%E5%A3%AB%E6%B3%95
日本公認会計士協会
http://www.hp.jicpa.or.jp/
公認会計士・監査審査会ホームページ
http://www.fsa.go.jp/cpaaob/
財閥解体 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%A1%E9%96%A5%E8%A7%A3%E4%BD%93
企業 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%81%E6%A5%AD
歴史の証人・数えることの歴史
http://www.rekihaku.ac.jp/research/publication/140witness.html
財務局発足三十周年記念HP
http://www.mof.go.jp/zaimu/30nenn/main/000100.htm
性悪説 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%80%A7%E6%82%AA%E8%AA%AC