今日(7月21)日(第3土曜日)は、「家族ふれあいの日」 (東京都)
心の東京革命推進協議会が2001(平成13)年に制定。2004(平成16)年度より、毎月第3土曜日に加えて、第3日曜日も「家族ふれあいの日」とし、「深めよう!親子の絆考えよう!家族の関係」をキャッチフレーズに、家族の結びつきが希薄になっている今日、家族のコミュニケーションを密にし、親子の絆を深めたり、改めて家族の関係について考え、まず家庭から心の東京革命を実践しようというのが趣旨である。
家族とは、居住を共にすることによってひとつのまとまりを形成した親族集団であり、そのつながりの内容からいえば、夫婦や親子、兄弟などとのつながりを原型とする情緒的包絡で結ばれた第一次的な福祉志向団体であるとされている。情緒的包絡という表現は、”emotional involvement”の訳だそうで、”involvement”は、「係わり、関与、男女関間の親密な関係」のことで、「産み、産まれる」係わりの中から生じた親と子という絆、そうしたものによって繋がっている、つまり、血縁関係を基礎とした小規模な小規模な共同体が家族であるとされている。英語では"family"と表記される。(以下参考に記載の◆家族の定義〔森岡清美の定義〕参照)
しかし、日本では今の時代この家族関係が危機に面しているように思われる。この日のことは、前にも書いた(ここ→1月21日は、「家族ふれあいの日」)が、今日は多少違った観点から書いてみよう。
今、内閣総理大臣安倍晋三は、憲法改正を最大の公約に掲げているが、この憲法は、 国家権力の構造や運営の基本にかかわる法であり、一見すると、人の誕生・結婚・死にかかわる問題についてはあまり関係のない法であるかのように思われるかもしれない。しかし、それらの問題は、人の生活のあり方の基本に関係するものであり、社会構造の基底を形成し、ひいては一国の権力構造や性格を規定する問題であるともいえる。
明治憲法は、神権的国体観念と立憲主義とを結びつけようとする複合的性格の強い憲法であったが、戦後、占領軍は、戦前の日本の軍国主義・全体主義の根源が明治憲法の中に見られる社会構造にあると捉え、マッカーサーの草庵において、その神権的国体観念に基づく天皇制を否定(1条)する一方、「日本国の封建制度」の廃止と個人の尊厳をうたい(12条)、さらに、家族生活における個人の尊厳・両性の本質的平等の確立を求めた(23条)。
「封建制度の廃止」と言う言葉は消えているが、新しく出来た日本国憲法13条は、この草庵12条に、24条は、この草庵23条に対応するものである。つまり、日本国憲法は、神権的国体観念を支えた「家」の制度を解体して、個人の自由と平等に基礎をおく個人主義的・自由主義的な家族関係の確立を目指したのである。新憲法は、このような定めに応えるべく、民法とくに親族相続編は全面的に改められた。新しい親族相続法は、「家」を廃止し、「戸主及び家族」の規定を削除し、「妻の無能力」に関する規定を削除し、また、夫婦平等(夫婦財産制や離婚原因等)および父母平等(婚姻同意権や共同親権等)を基本原理となし、さらに、家督相続を廃止して諸子均分(しょしきんぶん)の原則を採用し、配偶者相続権を認めるなど、従来の親族相続法とは根本的に異なるものとなっている。ここにおいて自由・平等な人格たる一男一女とからなる夫婦が、その間に生まれる未成熟な子を含んで形成する家族(核家族)を基本とする社会構造が法制上我が国においてはじめて確立された。実際、その後において、核家族化が進んだことは周知のとおりである。このような核家族化は、アメリカでの家族生活の有り方を何とはなしにモデルとして来たようなところがあるようだが、そのアメリカでは、「性の革命」等を通じて家族のあり方も大きく変貌し、離婚の増大、離婚に伴う子供の精神生活への影響の問題、幼児虐待の問題等々が指摘されはじめている。つまり、自己主張、自己実現(以下参考の自己実現理論 参照)が社会や共同体のためにもなるという楽観主義に対する懐疑が今、芽生えてきているともいわれている。(週刊朝日百貨「日本の歴史」)
長崎県の小さな島から北海道の開拓村まで旅をする一家の姿をドキュメンタリー風に撮った山田洋次監督の映画「家族」がある。丁度映画が公開された1970(昭和45)年の、日本万国博覧会開催中の大阪、公害に悩む東京など旅の風景には当時の社会状況が浮かび上がる。キネマ旬報ベストテン一位に輝くなど山田洋次の代表作の一つである。
「バンパク」は、「人類の進歩と調和」をテーマとし、日本を含む77カ国と四つの国際機関が参加した。東京オリンピック(1964年)以来の国家的イベントであり、多くの企業・研究者・建築家・芸術家らがパビリオン建設や映像・音響などのイベント制作・展示物制作に起用され、高度経済成長を成し遂げアメリカに次ぐ経済大国となった日本の象徴的な意義をもつイベントとなった。そして、この時代、テレビ・洗濯機・冷蔵庫の3種類の家電製品は三種の神器と呼ばれ、急速に家庭に普及していった。これら家庭製品の普及は生活時間の配分にも大きな影響を与え、女性の社会進出を少しずつ促すことにもなった。「家制度」の崩壊した後に、「核家族化」が進み、高度経済成長とともに転勤族の単身赴任、更に、女性の社会進出によって、家庭における一家での団欒の機会が失われていった。
アメリカでの家族生活の有り方をモデルに正当(しょうとう)にも「家」の制度を排除して、個人主義的・自由主義的方向を目指した我が国の家族関係は、これからもどうなって行くのだろうか?
イタリアのルキノ・ヴコンティ監督の映画に『家族の肖像』というのがある。家族を持たないバート・ランカスター演じる老教授が『家族の肖像』と呼ばれる18世紀の英国の画家たちが描いた家族の団欒図のコレクションに囲まれてローマの中心地の豪邸に孤独な生活を送っている。彼自身がイタリア・ミラノの名門ヴィスコンティ家出身の伯爵でもあり、老教授はルキノ・ヴィスコンティ自身の投影なのかもしれない。そこに突然押しかけてきた妙な一群。母娘とその情夫たちである。彼らは教授の屋敷の2階に住み着き、教授の平穏な生活はかき乱されてしまう。だが、母親の情夫コンラッドとの美術談義だけは、教授に不思議な安息を与えていた。そんなある日、コンラッドが過激派に襲われて負傷してしまう。やがて、その傷がきっかけとなり、コンラッドは彼らの前から姿を消すことになるが……。ヴィスコンティが、現代における家族の存在理由と定義を問い直す作品である。
いくらお金があっても幸せな家庭を持つのは難しいものだ。逆に、貧乏な中多くの子供を生みけんか腰で子供を育てている家庭の子供たちや親が不幸だと思っているわけでもない。
それでは、理想の「家族」とは一体どのような家族なんだろう?。また、その家族を構成する、良い親とはどういった親なのだろう?「父性とは・・・?」「母性とは・・・?」そして、家族の中でどのような子が良い子なんだろう?・・・・このようなことについて、書こうと思ったが、これらについて、非常に、考えさせられるページが有った。私が、ごちゃごちゃ書くよりも、私は「いい母親」だろうか?悩んでいるお母さん、また、父親の権威がなくなってしまったとしょんぼりしているお父さん、自分達なりのいい家庭を築くために一度読んでみて、夫婦で話し合われてみるのと良いのではないだろうか。是非一読をお勧めします。
(講演)“理想”の家族という幻想
http://www.toyama-cmt.ac.jp/~kanagawa/father/parent.html
(画像はDVD「家族の肖像」 デジタル・リマスター 無修正完全版)
参考:
心の東京革命推進協議会(青少年育成協会)
http://www.kokoro-tokyo.jp/
今日(1月21日)は、「家族ふれあいの日」
http://blog.goo.ne.jp/yousan02/e/6634e4a94f307f5074591463908c0673
家族 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%B6%E6%97%8F
家族 - goo 映画
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD19376/index.html
goo 映画「家族の肖像」(1974)
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD11752/index.html
(講演)“理想”の家族という幻想
http://www.toyama-cmt.ac.jp/~kanagawa/father/parent.html
◆家族の定義〔森岡清美の定義〕
http://www.geocities.jp/kguik/public_html/kazokunokinou.html
安倍晋三 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E5%80%8D%E6%99%8B%E4%B8%89#.E6.86.B2.E6.B3.95
第154回国会 参議院憲法調査会 第2号
http://www.sangiin.go.jp/japanese/kenpou/keika_g/154_02g.htm
自己実現理論 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%B7%B1%E5%AE%9F%E7%8F%BE%E7%90%86%E8%AB%96
ルキノ・ヴィスコンティ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3
[PDF] 第13回 相続制度概説
http://www.matsuoka.law.kyoto-u.ac.jp/Lecture2000/FamilyLaw/13Succession.PDF
心の東京革命推進協議会が2001(平成13)年に制定。2004(平成16)年度より、毎月第3土曜日に加えて、第3日曜日も「家族ふれあいの日」とし、「深めよう!親子の絆考えよう!家族の関係」をキャッチフレーズに、家族の結びつきが希薄になっている今日、家族のコミュニケーションを密にし、親子の絆を深めたり、改めて家族の関係について考え、まず家庭から心の東京革命を実践しようというのが趣旨である。
家族とは、居住を共にすることによってひとつのまとまりを形成した親族集団であり、そのつながりの内容からいえば、夫婦や親子、兄弟などとのつながりを原型とする情緒的包絡で結ばれた第一次的な福祉志向団体であるとされている。情緒的包絡という表現は、”emotional involvement”の訳だそうで、”involvement”は、「係わり、関与、男女関間の親密な関係」のことで、「産み、産まれる」係わりの中から生じた親と子という絆、そうしたものによって繋がっている、つまり、血縁関係を基礎とした小規模な小規模な共同体が家族であるとされている。英語では"family"と表記される。(以下参考に記載の◆家族の定義〔森岡清美の定義〕参照)
しかし、日本では今の時代この家族関係が危機に面しているように思われる。この日のことは、前にも書いた(ここ→1月21日は、「家族ふれあいの日」)が、今日は多少違った観点から書いてみよう。
今、内閣総理大臣安倍晋三は、憲法改正を最大の公約に掲げているが、この憲法は、 国家権力の構造や運営の基本にかかわる法であり、一見すると、人の誕生・結婚・死にかかわる問題についてはあまり関係のない法であるかのように思われるかもしれない。しかし、それらの問題は、人の生活のあり方の基本に関係するものであり、社会構造の基底を形成し、ひいては一国の権力構造や性格を規定する問題であるともいえる。
明治憲法は、神権的国体観念と立憲主義とを結びつけようとする複合的性格の強い憲法であったが、戦後、占領軍は、戦前の日本の軍国主義・全体主義の根源が明治憲法の中に見られる社会構造にあると捉え、マッカーサーの草庵において、その神権的国体観念に基づく天皇制を否定(1条)する一方、「日本国の封建制度」の廃止と個人の尊厳をうたい(12条)、さらに、家族生活における個人の尊厳・両性の本質的平等の確立を求めた(23条)。
「封建制度の廃止」と言う言葉は消えているが、新しく出来た日本国憲法13条は、この草庵12条に、24条は、この草庵23条に対応するものである。つまり、日本国憲法は、神権的国体観念を支えた「家」の制度を解体して、個人の自由と平等に基礎をおく個人主義的・自由主義的な家族関係の確立を目指したのである。新憲法は、このような定めに応えるべく、民法とくに親族相続編は全面的に改められた。新しい親族相続法は、「家」を廃止し、「戸主及び家族」の規定を削除し、「妻の無能力」に関する規定を削除し、また、夫婦平等(夫婦財産制や離婚原因等)および父母平等(婚姻同意権や共同親権等)を基本原理となし、さらに、家督相続を廃止して諸子均分(しょしきんぶん)の原則を採用し、配偶者相続権を認めるなど、従来の親族相続法とは根本的に異なるものとなっている。ここにおいて自由・平等な人格たる一男一女とからなる夫婦が、その間に生まれる未成熟な子を含んで形成する家族(核家族)を基本とする社会構造が法制上我が国においてはじめて確立された。実際、その後において、核家族化が進んだことは周知のとおりである。このような核家族化は、アメリカでの家族生活の有り方を何とはなしにモデルとして来たようなところがあるようだが、そのアメリカでは、「性の革命」等を通じて家族のあり方も大きく変貌し、離婚の増大、離婚に伴う子供の精神生活への影響の問題、幼児虐待の問題等々が指摘されはじめている。つまり、自己主張、自己実現(以下参考の自己実現理論 参照)が社会や共同体のためにもなるという楽観主義に対する懐疑が今、芽生えてきているともいわれている。(週刊朝日百貨「日本の歴史」)
長崎県の小さな島から北海道の開拓村まで旅をする一家の姿をドキュメンタリー風に撮った山田洋次監督の映画「家族」がある。丁度映画が公開された1970(昭和45)年の、日本万国博覧会開催中の大阪、公害に悩む東京など旅の風景には当時の社会状況が浮かび上がる。キネマ旬報ベストテン一位に輝くなど山田洋次の代表作の一つである。
「バンパク」は、「人類の進歩と調和」をテーマとし、日本を含む77カ国と四つの国際機関が参加した。東京オリンピック(1964年)以来の国家的イベントであり、多くの企業・研究者・建築家・芸術家らがパビリオン建設や映像・音響などのイベント制作・展示物制作に起用され、高度経済成長を成し遂げアメリカに次ぐ経済大国となった日本の象徴的な意義をもつイベントとなった。そして、この時代、テレビ・洗濯機・冷蔵庫の3種類の家電製品は三種の神器と呼ばれ、急速に家庭に普及していった。これら家庭製品の普及は生活時間の配分にも大きな影響を与え、女性の社会進出を少しずつ促すことにもなった。「家制度」の崩壊した後に、「核家族化」が進み、高度経済成長とともに転勤族の単身赴任、更に、女性の社会進出によって、家庭における一家での団欒の機会が失われていった。
アメリカでの家族生活の有り方をモデルに正当(しょうとう)にも「家」の制度を排除して、個人主義的・自由主義的方向を目指した我が国の家族関係は、これからもどうなって行くのだろうか?
イタリアのルキノ・ヴコンティ監督の映画に『家族の肖像』というのがある。家族を持たないバート・ランカスター演じる老教授が『家族の肖像』と呼ばれる18世紀の英国の画家たちが描いた家族の団欒図のコレクションに囲まれてローマの中心地の豪邸に孤独な生活を送っている。彼自身がイタリア・ミラノの名門ヴィスコンティ家出身の伯爵でもあり、老教授はルキノ・ヴィスコンティ自身の投影なのかもしれない。そこに突然押しかけてきた妙な一群。母娘とその情夫たちである。彼らは教授の屋敷の2階に住み着き、教授の平穏な生活はかき乱されてしまう。だが、母親の情夫コンラッドとの美術談義だけは、教授に不思議な安息を与えていた。そんなある日、コンラッドが過激派に襲われて負傷してしまう。やがて、その傷がきっかけとなり、コンラッドは彼らの前から姿を消すことになるが……。ヴィスコンティが、現代における家族の存在理由と定義を問い直す作品である。
いくらお金があっても幸せな家庭を持つのは難しいものだ。逆に、貧乏な中多くの子供を生みけんか腰で子供を育てている家庭の子供たちや親が不幸だと思っているわけでもない。
それでは、理想の「家族」とは一体どのような家族なんだろう?。また、その家族を構成する、良い親とはどういった親なのだろう?「父性とは・・・?」「母性とは・・・?」そして、家族の中でどのような子が良い子なんだろう?・・・・このようなことについて、書こうと思ったが、これらについて、非常に、考えさせられるページが有った。私が、ごちゃごちゃ書くよりも、私は「いい母親」だろうか?悩んでいるお母さん、また、父親の権威がなくなってしまったとしょんぼりしているお父さん、自分達なりのいい家庭を築くために一度読んでみて、夫婦で話し合われてみるのと良いのではないだろうか。是非一読をお勧めします。
(講演)“理想”の家族という幻想
http://www.toyama-cmt.ac.jp/~kanagawa/father/parent.html
(画像はDVD「家族の肖像」 デジタル・リマスター 無修正完全版)
参考:
心の東京革命推進協議会(青少年育成協会)
http://www.kokoro-tokyo.jp/
今日(1月21日)は、「家族ふれあいの日」
http://blog.goo.ne.jp/yousan02/e/6634e4a94f307f5074591463908c0673
家族 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%B6%E6%97%8F
家族 - goo 映画
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD19376/index.html
goo 映画「家族の肖像」(1974)
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD11752/index.html
(講演)“理想”の家族という幻想
http://www.toyama-cmt.ac.jp/~kanagawa/father/parent.html
◆家族の定義〔森岡清美の定義〕
http://www.geocities.jp/kguik/public_html/kazokunokinou.html
安倍晋三 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E5%80%8D%E6%99%8B%E4%B8%89#.E6.86.B2.E6.B3.95
第154回国会 参議院憲法調査会 第2号
http://www.sangiin.go.jp/japanese/kenpou/keika_g/154_02g.htm
自己実現理論 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%B7%B1%E5%AE%9F%E7%8F%BE%E7%90%86%E8%AB%96
ルキノ・ヴィスコンティ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3
[PDF] 第13回 相続制度概説
http://www.matsuoka.law.kyoto-u.ac.jp/Lecture2000/FamilyLaw/13Succession.PDF