こ と の 端

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な ら わ し

2013-10-13 09:50:29 | Weblog
文明は

いま

破滅へと至る一本道を

急ぎ足で

辿っている


世界の経済を成り立たせている最大の因子は

基軸通貨として機能しているドルと

その発行権をもつアメリカ

と呼ばれている国


地下資源の決済は

世界中どこでも使える

汎用性のあるドルが指定され

エネルギー需要を満たすためには

ドルを買って

代金の清算を行うことが

義務化した


ドルの需要があるのに

供給を怠っていると

通貨の価値は高くなる

反対に供給が過剰になると

ドルの価値は低下して

過剰流動性が顕在化する


アメリカの歴史には

王侯貴族の類は不在

そのことが

民主主義の先進国へと

アメリカを位置づけた


民主主義という名の

よく知られているシステムがもつ固有の欠陥が

議会運営のかけひきを巡って

俄かに浮上する事態を

迎える時代がやってきた


国が使うための新年度の予算案の決議を

議会制度に備わっている

意思決定のその方法が

駆け引きの道具として用いられたことにより

官公庁の休止可能な分野の

すべて



予算の執行が

一時的に

一部停止される事態となった

公的機関の活動が

すなわち

成り立たなくなった

ということなのだ


公務員の多くが自宅待機を迫られ

仕事があるのに

何一つ

遂行することができない

という状況が

米国の公的機関へと与えられた


新年度の予算案が議会で可決されなければ

国債の利払いを実施することもできず

債券を新規に発行することも

当然できない

ドル建ての公債は

その価値を失い

資産としての機能性を

放棄せざるを得なくなる


国が背負った借金の返済を

実施することができない

という債務不履行(デフォルト)に国家が陥った時

最も安全な資産だとされていた米国債が

一瞬にして

ただの紙切れと化す


通貨発行権を用いて

債務保証の代わりとして

困難な状況を乗り切ることが

仮にできたとしても

アメリカのもつ

絶大な信用

で成り立っている

世界経済というものは

極めて深刻な影響を

地球全域で

被る


議会制民主主義の手法が

市場経済を成り立たせているそのメカニズムを

自らの手で

破壊する

ということ


信用を失ったドル資産から

安全な通貨への乗り換えが急務となり

為替市場はドルの崩落に備えるための

新たな資産となる何か

を求めて

活発に変化する


アメリカに自浄能力が不在なら

基軸通貨の発行権は

失われる

代わりを務められる通貨は

現状で

まだ

ない

そこで

どこかの国の通貨が

暫定的にドルの代理を務め

国際的な決済業務に

支障がでないよう

特段の配慮が

市場から

IMF体制の枠組みに

求められるようになる


世界中のあらゆる国で通用する通貨でなければ

基軸通貨とはなり得ない

エネルギー資源の産出国が

汎用性の高い通貨であったドルを歓迎したことから

ドルがポンドに代わって

戦後の基軸通貨としての役割を

円滑に果たす時代が永らく続いていた


ドルという名の通貨に与えられていた信用が

米議会による対立の激化で

失われた時

世界の資本は

特定の通貨または

安全な金融資産を求めて

右往左往するようになる


中国の経済バブルは

既に終わりの始まりを迎え

ドルが信用を失墜した時点で

最も多くのドル資産を保有する中国の信用も

また

同時に失われてしまうだろう


人民元を信用する中国人は

いない

流通している自国の紙幣が

信頼できないものであるからこそ

安定した価値を持つ貴金属をもちたがる

中国ではそのような歴史的経過が

数千年に亘って残されている


一方

ユーロの脆弱性は

G7をG20へと拡大させた

リーマンショック後のEU危機で

明白になっている


米政府がデフォルトを宣言したとき

ユーロでも人民元でもない

その他の通貨が

ドルの役割を担うよう

文明全体から求められるようになる


通貨価値を裏付けるものが

ドルショック以降

金から石油へとシフトしたことから

ドルの通貨価値を保障する機能を

地下資源を取引する決済システム全体が

アメリカにだけ認めることを許していた

その枠組みのことを

IMF体制と呼ぶ


地下資源の殆んどは

炭化水素からできている

このため

環境負荷があることを承知の上で

大量に消費することで

経済活動を活発化させてきた

産油国が原油の輸出に応じられる通貨

でなければ

ドルの代わりを果たすことは

できない


国際経済はアメリカが金本位制から一方的に離脱したときから

金の持つ絶対量の束縛から解放され

青天井で流通可能な通貨となった

この経過がドル余り現象の生みの親


議会制民主主義の先進国であるアメリカで

ドルの持つ機能を操作する権能を確保することが

意思決定の手段として

戦略的に使われるようになったとき

国際経済を破綻させる原動力へと

その性質が反転する


つまり

民主的な制度それ自体が

国際経済の行く手を阻む装置と化す

ということなのだ


想定しうる最悪の事態を事前に回避するためには

米議会で多数派を占める野党勢力が

少数派で成り立っている政権与党に

一定の譲歩を実施することが

滞りなく

できていなければならない


駆け引きは大詰めの段階へと夙に差し掛かっており

予算案が仮に可決されたとしても

その後すぐ

国債発行枠がもつ上限の引き上げも

また

迫っている


いずれにしても

国際経済の今後は

米議会での審議の結末が

左右する

オバマ政権がデフォルトを宣言すれば

アメリカがもつドルの発行権は

債務の返済を急がせるための手段

へと変化する


地下資源の産出国が

基軸通貨としてのドルの関与を見限ったとき

国際経済の枠組みは

一新されることとなる


アメリカは世界の指導国の立場から

破産管財人による監視を受ける立場の国へと陥落する

そのとき

IMF体制もまた

無傷ではいられまい


両者は相互に

補完しあうという濃密な関係

で成り立っている

隆盛を極めた信用経済は成り立たなくなり

金や原油などの現物資産の担保がなければ

国際的な決済業務を遂行することも

できなくなる


日本でも国会が

赤字国債を発行するための特例措置法案を否決したとき

同じ結果に見舞われる


いうなれば

民主主義という制度を

恣意的に扱ってきた国の議会のすべてが

経済ダイナミックスの破滅を

自らに強いる

という顛末を生む


世に

これを

自業自得

と呼ぶ慣わしになっている
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