山野颯想

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義兄の葬儀(クラッシックが流れる)

2017年02月04日 | 音楽
2016年12月25日(日)
『義兄の葬儀』
<クラッシックが流れる>
上さんが二度に亘り、実家より持ち帰ったK兄さんのクラッシクCDが50枚余りとなった。それらCD中にコピーをしたものが3枚存在する。「レコード盤は残しておいてほしい」と甥が言ったゆえ、レコード盤は頂戴していない。もっとも頂戴しても我が家には今、プレーヤーが無いので聴くことが出来ない。それら3枚のコピーCDの内1枚は、兄さんが闘病中に数多あるレコード盤から自身の葬儀用にとコピーしたものだろうと思われる。
その1枚には「①マーラー交響曲 第5番 4楽章 アダージョ 通夜・告別式の開始前に繰り返し流す」「②ベートーベン 7番3楽章 出棺時 繰り返す」と、兄さんが鉛筆で記している。これらの2曲が、兄さんの希望により、兄さんの葬儀の時に流れた筈なのだが、音楽に造詣が無い僕はその時の旋律を覚えていない。そして今日、葬儀から6年を経てその2曲を聴く機会を得た。
「②ベートーベン 7番3楽章」が流れるときに部屋にやって来た上さんに、「この曲、兄さんの出棺時に流れていた曲だよ」と告げると、「分かっていた。この部分だけだけど」と応えた。僕と違って、敬慕する兄を送らねばならない上さんの心中には、あの日から6年経った今でも、流れていた曲の旋律がしっかりと刻まれていたことに、僕は驚くばかりであった。2010年11月10日午後2時過ぎに兄さんは亡くなった。それは殆どの家族が揃う中での最期であった。その11月10日は、奇しくも上さんの誕生日でもあった。
兄さんは遺書を残していたという。僕はそれを見ていないゆえ如何なることが書かれていたのか詳細は分からないが、そのなかの一つに、「家族の香典は不要、その分、花を供えてほしい。」というのがあったようだ。これには兄さんの如何なる想いがあったのだろうか。通夜に二百人を軽く超える弔問客が訪れた。告別式にも通夜同様多くの方々がお参りしてくださり、300名から400名くらいの参列者数になったと記憶している。なかでも印象的であったのが、小学校同窓の六二会の皆さんが“高校三年生”を歌ったことであった。
今日は、[マーラー交響曲 第5番 4楽章 ]と[ベートーベン 7番3楽章]を繰り返し繰り返し聴いた。[マーラー交響曲 第5番 4楽章 アダージョ]が何ゆえ「通夜・告別式の開始前」なのか、[ベートーベン 7番3楽章]が何ゆえ「出棺時」なのか、と思考しながら何度も聴いた。
コメント
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