山野颯想

山野走、山野歩、山野逍遥など、山野にかかわる事柄を中心に記載しています。

妙見山・初谷渓谷~日蓮宗霊場~上杉尾根(目的は唯一つ、イワタバコであったが見当たらず)

2023年10月09日 | 山野歩
2023年08月20日(日) 
『山野歩』
<妙見山>
<初谷渓谷~日蓮宗霊場~上杉尾根>
[コースタイム]
◆[妙見口駅]8:45 → (初谷渓谷) → 9:50 [タマゴ&キバ] 10:30 → (初谷渓谷) → 12:36 [分岐(車道に合流)] → (暫くで、左へと山道に入る) → [妙見大菩薩・鳥居] → 13:16 [妙見山・霊場裏口) → 13:26 [妙見山・三角点(660.1m)] → [妙見山・山上駐車場] 14:10 → (稜線展望コース・上杉尾根) → 16:43 [妙見口駅]
◆所要時間:7時間58分
<目的は唯一つ、イワタバコであったが見当たらず>
今日の目的は唯一つ、“イワタバコ”をカメラに収めることにあったのだが、残念ながら見当たらなかった。
それは、初谷渓谷に入ってそれほどに歩かない処の金網に、“イワタバコ”にかかわるちょっとした掲示板がかけてある。
それゆえ、僕であっても、“イワタバコ”が咲いているであろう場所が特定できる。
そして今日は、その掲示板が設置されている金網横から土手を下りて、初谷川を渡渉し、
対岸の岸壁辺りを暫くの間、丹念に見つつうろうろしたのだが、“イワタバコ”は残念ながら見つからなかった。
がっかりしてやって来た“タマゴ&キバ”の処に設置したある椅子に腰掛け、
さてこれから、妙見山へ向かおうか、それとも帰ろうかなと思案していると、
男性2人と女性2人のグル-プが、「川の水嵩があって渡れない」と言って戻って来られた。
この高年4人組は、初谷渓谷に入ってから出会い、“イワタバコ”の掲示板のところまで、言葉を交わしながら歩いた人達で、
4人の中の1人の女性は僕と同い年、1人の男性は10歳も年配であった。
同い年の女性に“イワタバコ”が見つからなかったという話をしたところ、
以前に、掲示板にあったあの場所の堰堤付近で、花は見なかったがそれらしき葉っぱを見たことがあるとおっしゃり、
続いて、8月の中頃に“赤目四十八滝”に行くと、“イワタバコ”がいっぱい咲いているよとおっしゃるのだ。
その方は花には詳しいという様子で、金剛山のカトラ谷でも見たことがあるともおっしゃったのだ。
その話を聞いた僕は、今年はもう駄目だけど、来年に赤目四十八滝か金剛山に行けば、“イワタバコ”に出合えそうだと思うと、
俄かに活力が湧いてきて、計画通り妙見山山頂まで上り、上杉尾根を下りようと決心するが、椅子に腰掛けてから既に40分が経過していた。
今日、初谷渓谷で眼に留まった花は“マツカゼソウ”のみで、春と違って盛夏に開花する花は“マツカゼソウ”以外にはまったくなかった。
しかし、初谷渓谷に至るまでの田圃の際に咲いていた白花に気付き撮影していて、
帰宅して植物図鑑を紐解くと、その白花は“オモダカ”という今迄に僕がカメラに収めたことがない花であったので殊の外嬉しかった。
ところで、吉川自治会掲示板の記載によると、初谷渓谷にて7~8月にかけて咲いている花は、
“イワタバコ”始め、“ヒオウギ”、“オオヒナノウスツボ”、そして“イヌホオヅキ”なのだが、残念ながらすべてが眼に留まらなかった。
上杉尾根を歩くときに、脚にこむら返りが生じ、その時々に芍薬甘草湯を服用する。
大腿部や足指、脹脛と脛などであったのだが、なかでも、度々生じた大腿部のこむら返りは、まったく歩けない状態に陥るのが常で、
痛みに耐えながら、薬を呑み、脚をしっかりと伸ばし直立していると漸次に治まってくれる。
治まると、またゆっくりと歩き始めるのだが、倒木が現れると難儀をする。
それは、倒木を跨いだり、潜ったりすると脚が攣るのだ。通常ではない脚の動きが原因のようだ。
そのこむら返りが原因かも知れないのだが、上杉尾根の最後の最後で、足が滑り転倒しひっくり返ってしまったのだ。
しかし、肘辺りを擦り剥いたのみで大事には至らなかったのは幸いであった。
滑らないように、こけないようにと、終始注意しつつ歩いているのだがやってしまった。
しかしそのときに直ぐに気になったのは、我が身体ではなく、トレッキングポールが折れていないだろうかということであった。
これまでに3度トレキングポールを折っていて、その内2度は転倒が原因だからだ。記憶に新しいのは、昨年7月の白山山行時だ。
緊急通報立て札の3番を過ぎた辺りだっただろうか。下方で、懐中電灯の灯が動く。
下って行くと、小さな網と採集籠を持った小学校3年生くらいの男児と男性が、樹木やその周辺を懐中電灯で照らし、何かを探しているという様子。
そこで僕が、「何を探したはるんですか」と問うと、「クワガタ」との回答であった。
男性は男児のお父さんで、「クワガタムシの採集です」「堺からやって来ました」「ここにはカブトムシはいません」「クワガタだけです」等とおっしゃった。
男児が提げている籠には、クワガタムシが溢れていた。男性によると、上杉尾根はクワガタムシで有名だそうで、どうもネットで、そういう情報があるようであった。
僕が目の当たりにした昆虫は蝶々で、クロアゲハとモンキアゲハだ。
中でも、上杉尾根では、一頭のクロアゲハと一頭のモンキアゲハとの優雅な競演を見ることとなった。
また鳴声のみではあったが、三種の蝉の声を楽しむことが出来た。初谷渓谷では、ミンミンゼミの鳴き声から始まり、
妙見山山頂が近づくと、ツクツクボウシの声が加わり、そして上杉尾根を下るときには、ヒグラシのカナカナという鳴声も耳に入るようになった。
ポカリスエットを1500ml用意してきたのだが、芍薬甘草湯を服用するときに必要だったこともあり、すべてを飲み干してしまう。
妙見口駅に着いたとき、ザック中には、カッパ以外に重たい荷物はなかった。
能勢電車に乗って暫くすると、予想外の激しい雷雨となり、山中でなかったことに安堵するばかりであった。


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