20絃&琴柱(ことじ)
お気に入りのライブ喫茶店から届いた案内はがきの「蘇州夜曲」の文字に惹かれて予約の電話をいれた。
近々、蘇州方面へ出かける予定がある。これは、前夜祭として聴きにいかねばなるまい。
と、いう訳で旅友を誘って出かけた。
琴奏者は、豊橋在住の「杉浦 充」さん。
オープニング曲は、13絃での「さくら・さくら変奏曲」
以後、アンコール曲までを20絃で演奏。
西洋音階が日本でも使われるようになり、それに対応する為の20弦。
13絃と比べると、音域の広さはもちろん、ハープに近い音色にワイルドな迫力も加わる。
前半は、オリジナル曲を含めた日本の楽曲と中国の楽曲。
後半は、沖縄に所縁ある曲と中国の楽曲。
馴染みのある曲のリズムには、小さく体が揺れる。
演奏の間に、琴についての解説が入る。
中国から渡来以後、ほとんど姿が変わらず、シーラカンス的な楽器とも云われているそうな。
現代の琴の種類は、13弦・17弦・20弦だと、云うが・・・
私は、長野県小布施の高井鴻山記念館で1弦の琴を弾いたことがある。
歴史上には様々な琴の姿が出現してきたのだろうと推測する。
琴は、福島県会津産の桐の木を広島県に運び福山市で作られると云う。
桐の箱の中は空洞で、大きな響面体を持ち、弦を弾くことにより音を鳴り響かせる。
琴の弾き語りの紹介には、、、生まれて初めてのことで面食らった。
曲目は、設楽町の「臼引き歌」。歌声は容姿(羽織袴の日本男児姿)に、似合わず優しい声だ。
風邪で伏せてる奥様を想いながら歌われた。。。
3曲後に、「中村ゆみこ」さん登場。 二胡と琴(20弦)の「蘇州夜曲」演奏に聴き入る。
お二方の中国曲のコラボは素敵だし、息の合った軽妙なトークに場内は爆笑の渦が広がる。
でも、演奏後は拍手の嵐が鳴り続けた。
★二胡に張られている皮はニシキヘビ。弓には、白馬の尾の毛が何本も束ねたものが張ってある。
もの哀しい音色に惹かれるのだけど、中村さんの演奏には力強い演奏もある。
2時間の演奏の間に弓の馬毛は切れとぶ。切れても毛の交換はしない。
痛々しい弓での演奏姿が強く印象に残った。
★国内の演奏会は、3本の琴を車に積み自らハンドルを握り出かけるという。
PCを駆使し、お琴・三味線・作曲・歌・運転手etc.
一人何役もこなす杉浦さん、、、 いつしか、鉄人琴奏者に見えてきた。
余談:30分の休憩時間には、紅茶とシフォンケーキが用意されている。
そして、休憩場所は水彩画の展示会場。
大好きな趣味の世界に浸る、友人と共に過した2月22日の夜。