我が家では小4夏から御三家合格で有名なSに娘を入れました。計算問題はまずまず出来るのですが、文章題になると途端にわからなくなるようでした。本来なら親自身がわからない点を教えるべきでしょうが、私どもが共働きであることもあり、なかなか見てやることが出来ませんでした。
そこで、難関中学に何人も合格させているという有名家庭教師?の先生にかなり高額な費用で苦手な算数をお願いしました。まったく出来なかった塾の宿題を家庭教師の先生に質問して、それを教えてもらうので宿題もはかどり、初めは娘も喜んでいました。ところが、数ヶ月たっても塾の文章題のテストは解けず、いっこうに成績が上がりません。それどころか下がってしまいました。これからどうしたらいいのでしょうか?<o:p></o:p>
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この文面だけではお子さんの成績の推移や苦手分野もわかりませんし、有名家庭教師?の先生がどういう人かもわかりませんので何ともお答えできません。
そうは言ってもせっかくご相談頂いたので、あくまで一般論でお答えしますね。
家庭教師(個別指導)が逆効果になる「よくありがちな4つのパターン」
★三歩進んで三歩さがる型
わからないところを家庭教師(個別指導)に聞くと、ノートに解き方や図を写して、その場ではわかった気になり、宿題もやったように思え、そのままにして、その後まったく自分で復習しない。だからせっかくいいことをたくさん教わったのにほとんど忘れてしまい、翌週には考え方や解き方すら覚えていない。
これは、本人も親も勉強した気になっているだけで本当の意味での勉強になっていません。教える先生のほうも虚しいですね。教えるとハイハイ言うだけで次回にはほとんど残っていないのですから。いわば「豆腐にかすがい。」状態です。
★依頼心固まり型
家庭教師の先生にお願いしたことから、自分でほとんど考えなくなり、ちょっと問題を読んで難しそうだと、すぐに教えてもらおうとします。そのうち自分の宿題なのに家庭教師の先生に解かせて、それをノートにきれいに写して宿題をやった気になり、それで満足するようになります。自分の頭を使って考えないので、いくら教えても自力でできるようになりません。
★勘違い型
「親の言うとおりに塾にも通い、親の言うとおりに家庭教師にも教わっている。」しかし、肝心の本人には勉強する気がまったくないし、中学受験もしたくない。本音は地元の公立中学に友達といっしょに行くほうがいいと思っている。「中学受験をしたくないとか勉強したくない。」と言うと両親から激しく怒られるのでとりあえず黙ってしたがっているだけ。もともとやる気がないので、勉強したふりをして、自室では自分のすきなことをしている。
★無責任教師型
やる気を出させるためと言って、子どもに迎合し、子どもと雑談ばかりしていて、きちんと教えなかったり、解答をノートに写させるだけでその子がわかるまで教えていない家庭教師がいます。家庭教師(個別指導教師)といってもピンキリですから。
毎週教えていればその子がやる気がないのか、あるのか、何が原因で成績が上がらないのかぐらいはプロの教師ならすぐにわかります。無責任教師はわかっていても親御さんに報告しないし、手も打ちません。お子さんの問題点をほとんど指摘しないのです。それどころか問題点山積みのお子さんを褒めてくれます。お子さんについて本当のことをや厳しいことを言って、契約を切られては困るからです。家庭教師(個別指導教師)業界のあるマニュアルには「契約を継続させるためには、8~9割ほめて、問題点の指摘は1~2割にとどめること。」と載っているそうです。
お子さんや有名家庭教師?の先生が以上のパターンに当てはまっていたり、近い状態であれば成績が伸びるはずがありません。
では、どうしたら良いのでしょうか?
結論は
合格=やる気×やり方×やること
言い換えれば
合格=絶対合格の信念×効率的な学習法×学習量
です。
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1)そこで、まずはお子さん自身が「どうしても○○中学に入りたい。合格するためには、何でもする。出来る限りの努力をする」と思わなければ始まりません。
我が子であっても「これこれこう思え!」言ってもそう思いません。当たり前です。我が子であっても子供には自由意思がありますから、車を運転するようには我が子の心を操縦できません。ならば、親の願っていること、思っていることが子ども自身の口から出てくるように親のほうが智恵を絞ってもっていくのです。つまり、誘導しているのです。
もっとも、マインドコントロールをしなさいとか、洗脳しなさいと極端なことを言っているのではありません。「我が子の幸せを心から願っている親の願い」=「お子さん自身の希望」となるように幼少時から意識してもっていくのです。その途中経過が中学校受験なのです。
2)次に、どんなことでもコツがあるように、勉強にはコツがあります。それが効率的な学習法です。特殊算といわれる算数文章題で言えば、最初にやるやさしい「和差算」で線分式のかき方を身につけ、その考え方を理解することが大前提です。
まず、①パターンごとの考え方、線分式(図)のかき方、式のたてかたを教わり、理解する。
次に②わかったことをそのままにせずに、すぐに数値改題(数字だけを変えた類題)を沢山やり、考え方、線分式(図)のかき方、式のたて方を身につける。
③基本問題をマスターしたら、少しだけ変えてあるちょっと応用した問題をやり自力で解けるようにする。
さらに④もっと条件を変えてある応用問題をやり自力で解けるようにする。
この①~④の繰り返しが算数文章題学習法の基本です。<o:p></o:p>
このようにパターン別に学習してマスターした後に次の段階として、小5後半ぐらいから、これらの融合問題をやっていきます。
そして、小6夏ぐらいから、全国の中学入試問題の良問を次々多数解いて、思考力と制限時間内に正解する実戦力を磨いていきます。すると、初めてみた問題でも時間内に解決の糸口を自分で見つけられるようになります。
この頃になると、家庭教師(個別指導教師)は不要になってきます。正解できなかった問題も授業を聞くだけで、または、解説を読むだけで「あっ、そうか・・・な~んだ・・・・」と子どもはすぐに理解できるようになっているからです。
ちなみに、このレベルが筑駒・開成・桜蔭に余裕で合格するレベルです。
3)どんなにわかりやすく教えてもらっても、自分で復習しないとすぐに忘れます。
だから、上記のお薦め学習法のように学習すること=学習量が必要です。
ましてや、受験は算数だけではありません。国語も社会も理科もあるのです。合格するためには4科目学習するのですから、それ相応の学習量が必要です。
よく、世間では「勉強は時間ではない、集中してやれば短時間でも良い。」というような耳障りのいいことを言う先生がいますが、本当にそうでしょうか?
例えば、ほぼ同じ資質の生徒が二人いたとして、「たまに集中した学習を短時間だけやっている生徒」が「毎日集中した学習をたくさんやっている生徒」に勝てるのでしょうか。答は明らかですね。御三家に確実に合格したいなら相当量の学習はやはり必要です。
ここまで長々と書き連ねましたが、以上は一般論ですから、ご質問を頂いた方への回答としてはまったく的外れになったかもしれません。
しかし、このブログを読んでくださっているたくさんの方々のご参考となり、志望校合格の一助になれれば幸いと存じます。
では、この続きまた後日。<o:p></o:p>