青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

東武トラッド、雨を衝いて

2019年06月23日 10時00分00秒 | 東武鉄道

(東武と言えばこの色この顔この編成@東武スカイツリーライン新越谷駅)

昭和の東武電車永遠のスタンダードであった8000系。昭和40年代から20年に亘り、総数にして700両以上が製造され、「私鉄の国電」と呼ばれたそのスタイルはまさに東武鉄道の「顔」でもありました。今回原形のまま保存されている8111編成が、某旅行会社の団臨として動く事が発表されました。この編成、通常運行を退いた後は東武鉄道ではなく一般財団法人東武博物館の所蔵となっており、博物館の収蔵物として動態保存になっているのですが、流石に東武鉄道を興した根津財閥は文化に対する造詣が深いなあと感心してしまうのであります。普段はどっか駅間で展開したかったんだけど、時折強い雨がざあっと降り付けるこの天候では・・・という事で屋根のある新越谷で。スジが良く分からないので通過2時間前から待つという自分でもあまりやらないことをやってしまったのだが、周りを20人以上(?)の知ったかぶりとイキリの目立つガキキッズ鉄に囲まれてしんどい事この上なかった。暗い雲に覆われたシンコシ、ここは金網越しに撮るのでどうしても絞れないのと貧レンズの画像の悪さはお察しなのですが、雨の中やって来た8000系はカッコ良かったなあ。けど、もう二度とやらね(笑)。

団臨は北千住で折り返して入区するので、回送を小菅の駅でガキキッズ鉄たちと。現在でも野田線やら北関東の支線区では改造された新8000系の系列が元気に活躍しているのでありますが、やっぱり原型&東武伝統のセイジクリーム塗装と言うのは価値が高いという事でしょうか。キッズには目新しく、そしてオッサンには懐かしいこの塗装とこのお顔。まあ東武の電車なんて一昔前は8000系に限らず全ての車両がこの顔で、子供心に「みんなおんなじでつまんない」的な感想を抱いていたものだ。柏の駅に転がってた5000系シリーズとか、旧型国電の吊り掛け駆動に8000系のボディだけ乗っけたハリボテチックな電車みたいのも、今思えば懐かしい。柏の駅の東武線ホームの奥に国鉄との連絡線があって、使ってるんだかどうかわからない東武の貨車が転がっていた時代である。

ちょっと暗くて分かりづらいのですが、いかにも東武の車両らしいミンデン型の台車が渋い。どしっとした下揺れ枕と横に張られたボルスタアンカー。あの頃は「みんなおんなじでつまらない」なーんて思っていたキッズ鉄が、今や「うむ、セイジクリームにこの東武顔、まさしく東武トラディショナルを具現化した存在であるな!」なんてイキっているのだから、オッサン鉄もタチが悪い事には変わらないのであろうなと思う。歳を取るだけ業が深い。

コメント
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