青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

三河の海よ、豊かな恵みよ。

2023年07月16日 17時00分00秒 | 名古屋鉄道

(三河湾コーストライン@東幡豆~西幡豆間)

少し高い場所から、幡豆の街を走る白帯車を眺めれば、線路の向こうに三河湾の入江と浮かぶ小島。島の名前は前島と言うらしい。陸との間には東幡豆の干潟が広がっていて、アサリやハマグリなどの大変良い漁場でもあります。ちなみにこの三河湾沿岸って、とにかく春の潮干狩りが一大レジャーなんですよねえ。潮干狩りなんて、この令和の時代に何だか昭和のレジャーっぽいように思うのだけど、いやー、三河の人々の潮干狩りはガチです。幡豆の街を少し走れば、浜辺には潮干狩り用の番屋みたいなのがたくさん並んでますからね。時期になれば浜を網で囲って潮干狩り場にして、番屋に入った漁協のジジババが料金を取って観光客に潮干狩りをやらせる訳です。そして、漁港や浜辺のあちらこちらにロープで囲っただけのやたらと広い草の生えた空き地があるんですけど、だいたいそこには「潮干狩り駐車場」なんて書いてあるんですよ。ようは、そんくらいの広い駐車場がクルマで埋まるだけの需要があるということで・・・その広さを見ながら改めて「三河っ子、潮干狩り好きすぎねえか?」となるのだ(笑)。

暗がりに冴えるスカーレット。名鉄蒲郡線は、三河湾に沿って走りながらも、町と町の間で小さなサミットを抜けるシーンがいくつかある。特に西浦~こどもの国~東幡豆~西幡豆間では、駅の合間合間に三河湾に突き出た小半島の付け根の鞍部を越えていくので、こんな山深い雰囲気の場所があったりしてドキリとさせられます。

森を抜けて走る6000系。車体にこの時期、雨に濡れて濃くなった緑が映る。ちなみに潮干狩り、だいたい春から梅雨前までくらいがシーズンなので、この時期すでにシーズンは終わっていた。西幡豆の沖合にある梶島という島が潮干狩りのメッカになっているらしく、その様子は愛知県の観光HPに掲載されているのでありますが、老若男女が網と熊手を両手に持って一心不乱に磯を掘り漁るその姿は、もはやレジャーでもなんでもなくて狩猟そのものである。

ちなみにかくいう我が家も、ヨメさんのほうに豊橋在住の親戚がおりまして、シーズンになると「潮干狩りで獲れた」というアサリやハマグリや岩ガキみたいなのをクール便で冷蔵庫に入りきらないくらい送ってくれる。定番の味噌汁に始まって、酒蒸し、バター焼き、ボンゴレ、アサリご飯となんでも美味い。三河湾の貝類は味が濃くて、それこそスーパーの水に浸ったパックのアサリなんか物足りなくて食べられなくなっちゃいますねえ。贅沢な話です。


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