青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

伝統のチョコバナナ

2019年03月20日 22時00分00秒 | 秩父鉄道

(斜光を浴びて…@上長瀞~親鼻間)

500番台の色モノデキ、最後はチョコバナナの502号機。ピンクはちょっとやり過ぎ感が感じられますが、いわゆる「チョコバナナ」と言われるこのカラーリングは一昔前の秩父鉄道で自社発注車だった300系や500系などの車体に塗られていたもの。ある意味秩父鉄道の伝統の色でもある訳で、そう思えばそこまでおかしな感じもしないですね。個人的にはこの色味は嫌いじゃなくて、追っ掛けの対象にしたこともあります。


早春の青空に二丁パンタを突き上げて、返空鉱石が一路武州原谷を目指します。影森の三輪鉱山からの出荷は昼過ぎまでで、午後からは武州原谷からの積み出しが中心になる秩父貨物。この時間だからおそらく原谷行きでしょうね。夜遅くの返空2本は影森まで走り、翌日の三輪鉱山への朝の1便・2便になるダイヤ。


原谷での積み込みに向けて、空車のヲキを入れ替え中。ホッパーの下は無架線地帯なので、ここで専属のDLにバトンタッチ。警手さんをデッキに乗せての作業は淀みなく。三輪の鉱山にいるのよりも新しそうなDL、運転台の前にあるバーは石灰石の飛散によるガラス破損防止用のプロテクターでしょうか。


DLが推進運転でヲキをホッパーに押し込むと、ザラザラ~ガラガラ~という音が響いて石灰石が積まれたヲキ車がポコポコと建屋から出て来る。なんだかタイムボカン感があって見ていて飽きない(笑)。風の噂では、3月の中旬ごろから太平洋セメントの熊谷工場が恒例の定期検修の時期に入ってしまったので、暫くデキ貨物はお休みだとか。この定検のためにいっつも桜とデキを撮れないんだよなあ。たまには時期をずらしてくれてもええんやで。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

黒谷春霞

2019年03月17日 17時00分00秒 | 秩父鉄道

(チョコデキ通過@和銅黒谷駅)

いつもなら、秩父に行った時は貨物の走っている三ヶ尻~武川~影森を広く広く追っ掛けて行くのですが、この日は何かめんどくさかったので和銅黒谷の駅回りで。デキ500シリーズは様々な色にカラーリングされておりますが、今度はチョコレート色に塗装されたデキ505が来ました。副本線のある秩父鉄道の駅は、普通列車の待避などとあいまって駅構内のどの線路を通って来るのかイマイチ分かりづらいのだが、貨物列車同士の交換がなければ返空は副本線通過なのかな。


早春の霞に煙る武甲山をバックにデキ301。まあいろんな色に塗られているけど、秩父のデキはこの色がやっぱり落ち着く。で、積載貨物は副本線ではなく通常の上りホームを通過して行った。たぶん大野原方から下り坂を降りて来て駅を通過するのに、左カーブの副本線に入るのでは駅手前のポイントのカントがきついからなのかな。貨物列車が交換待ちをする際は、駅舎から一番遠い副本線に入れて待ってるんだけどね。


先日東急から完全に引退した元東急8090系こと7500系。2連の7800系とともに既に秩父鉄道では一番の大所帯となっている。国鉄101系の時代が終焉を迎え、これからの秩父鉄道ではグリーンのグラデーションのSMBC(三井住友銀行)カラーに塗られた旧東急勢が長期政権を担っていくのでありましょう。しかし地方鉄道での旧東急勢の強さといったらないな。旧東急系が入ってない電化された地方鉄道事業者の方が少ないんじゃないかってくらいだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

桃色的衝撃

2019年03月16日 17時00分00秒 | 秩父鉄道

(目に突き刺さるピンク@三輪鉱山~影森駅間)

美味しいご当地ラーメンをツルツルと食し(半ライスまで頼み)、腹もくちくなってきたところで再び三輪線に戻る。そろそろ山に行った昼便が戻ってくる頃…と思いつつセッティングしていたら、山を降りて来たのは真っピンクにカラーリングされたデキ504だった。504がピンクになったのは知ってたけど、実物を見るのは初めて。それにしても、のピンク過ぎるピンクである。秩鉄のエラい人もよくゴーサイン出したな、と思わずにいられない。これは目ェ痛くなるワ(笑)。

 

ヤマを降りて来たピンク鉱石貨物、影森の駅構内で発車待ちのところを何カットか。影森折り返しで留置されている東急の8500こと7000系と。近年になって影森から先は乗客減のため減車減便が図られてしまい、日中はもっぱら東急8090系改造の7800系2連が運用の中心。以前は影森から先も30~40分おきくらいだったと思うのだが、現在では影森止まりの増加によって1時間~1時間20分間隔くらいになってしまった。秩父から奥の過疎化、という事なのだろうけど、少々寂しいものが。

 

普通電車の到着を待って、やおら発車して行くデキ鉱石貨。影森の構内にヲキ車の連結器の音が響き渡る。しっかしこのデキ504のピンクは同じピンクでも蛍光塗料でも塗ってるんじゃないかという刺激的な色合いでとにかくバカっ派手だなあ。夜とか武川の機関区に留置してたらこのカマだけボーッと発光してそう…。また秩父クオリティでやたらピカピカに磨き上げてるもんだから余計に目に刺さる色合い(笑)。少し前にトヨタがピンクのクラウン出して度肝を抜きましたけど、あのピンクよりもさらにアピール度が強いよ。この手の色を身に纏えるのは、宇都宮の名手・内田利雄くらいのもんだろ。内田も今は浦和の乗り役だから、デキ504と埼玉二大ピンクコンビ結成か。って公営競馬マニアしか分からんな。


桃色的衝撃の去った影森の駅。改めて、この影森の駅の佇まいと言うのは実にいいものだ。山が迫る広い構内、貨物の着発線付きのヤード、鉱山へ続く専用線と、慎ましやかな旅客ホームには木造の上屋。シーサスで終わってる安全側線も渋いし、駅に隣接する昭和電工秩父事業所の小さな荷役設備跡とか、今でも貨物扱いがあったらコキ3車くらいの小貨物が熊タから走っていたのかなと妄想。化成品コンテナとか載ってて、小さいフォークリフトがちょこまか動いていたりしていたかもしれないね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

武甲梅見候

2019年03月13日 20時00分00秒 | 秩父鉄道

(秩父の街を静々と@影森~御花畑間)

石灰石を満載にしたヲキ車を牽き連ねて、御花畑の駅の手前の坂道を降りて来るデキ102。「だんござか」と呼ばれる坂道の踏切から。秩父夜祭では、この坂道を勇壮に山車が登って行く姿が一番のクライマックスなのだとか。手前の線路は、西武秩父駅の構内と御花畑の駅を結ぶ連絡線。西武線内からの長瀞・三峰口行きの列車は手前の横瀬の駅で4両ずつに分割され、長瀞方面への乗り入れ列車は西武秩父の駅には寄らず直接この連絡線を通って御花畑の駅に直行します。


桜にはまだまだ遠い秩父路でしたが、私が行った際にはちょうど梅が見頃でした。梅の花を横目に、三ヶ尻の工場を目指す鉱石列車。現在の秩父鉄道では影森からの三輪鉱山の石灰石と、武州原谷で積む叶山鉱山(群馬県)の石灰石と、二つの鉱山から採掘された石灰石を輸送しておりますが、三輪鉱山(武甲山)からの石灰石の方がややクリーム色を帯びているのだとか。


この「だんござか」の踏切からほど近い場所にあるのが、秩父名物「珍達そば」。秩父名物ってーと「わらじカツ」だとか「豚みそ」だとか「ホルモン」だとかのいわゆるB級グルメが幅を利かせていますが、この「珍達そば」もご興味あればぜひ食べていただきたいご当地ラーメン。豚バラと大量のネギを炒めてしょうゆ味のとろみスープに合わせたのが、細打ちのムニュムニュしたストレート麺にどっさり。香り付けのゴマ油の香りが立っていて、これはメシにも合うラーメンですねえ。ごちそうさまでした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

還暦過ぎなお溌剌と

2019年03月11日 22時00分00秒 | 秩父鉄道

(三輪坂ダッシュ@影森~三輪鉱山間)

影森から三輪の鉱山までは20‰の断続的な登り坂。空車とは言え、デキが20両を超えるヲキ車を牽き上げて行くのはなかなかの迫力であります。冬の時期は両パン上げて走るのが通例なんですが、2月も終わりの頃でしたんで三輪鉱山の2便を引っ張って来たデキ303は片パンでやって来ました。ムムムッ(片パンでもデキはデキだけど、やっぱり両パンがいいよね派のココロの葛藤の唸り声)。


気を取り直して第3便。お。今度は最古参のデキ102が牽いてきました。切妻顔のデキ102。デキ100の系列では松尾鉱山からやって来たヒサシ付きのデキ108が人気ですけど、ペタンコの表情が国鉄でいうとEF15っぽさを感じる秩父生え抜きのデキ100番台も好み。小学校の頃、二ヶ領用水で釣りをしてると、101系のカナリアイエローに混じってたまーにEF15が牽いた石灰石列車が通り過ぎて行ったものだ。


手前に引きつけてもう一枚。デキ102は昭和29年日立製作所製造の、御年65歳の大ベテラン…なのだが、津軽で御年90を超える電機を見て来てしまっているだけに何というかまだまだお若いですネ、と言った感じだ(笑)。実際、塗装なんかもきれいに塗られているし、パンタ周りから流れた油染み一つないし、身なりが整っているせいでそんなにくたびれたような感じもしないのだ。JR貨物のカマなんか、新しくてもエライ汚い使われ方してるのいっぱいあるのにね。

むしろ、言っちゃあナンだが秩父は旅客に使ってる電車の方がよっぽど汚いような気が…(え)。
特に東急から持って来たステンレス車、窓とか車体にレールの鉄粉がこびり付いてるざますよッ!(小姑的モノ言い)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする