司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

「民の司直」としての検察官

2018-10-03 19:47:25 | 民法改正
「我が国で「検事」という官職が現在の意味で用いられるようになったのは,明治5(1872)年の司法職務定制の定めからである。当時の司法卿・江藤が考えた検事とは,「民の司直」であった。民事裁判にも立ち会い,裁判を受ける国民を助けることと,裁判で不正が起こらないよう監視することの二つが検事に求められた役割であった。「法の番人」としての検事である。」(倉山満「検証 検察官の近現代史」(光文社新書)64頁)

 というわけで,民法には,後記のような規定が置かれているのであろう(民法には,「検察官」の語が23個登場する。)。なるほど。


民法
 (後見開始の審判)
第7条 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。

 (不在者の財産の管理)
第25条 従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下この節において単に「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とする。
2 【略】

 (不適法な婚姻の取消し)
第744条 第731条から第736条までの規定に違反した婚姻は、各当事者、その親族又は検察官から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。ただし、検察官は、当事者の一方が死亡した後は、これを請求することができない。
2 【略】

 (特別養子縁組の離縁)
第817条の10 次の各号のいずれにも該当する場合において、養子の利益のため特に必要があると認めるときは、家庭裁判所は、養子、実父母又は検察官の請求により、特別養子縁組の当事者を離縁させることができる。
 一 養親による虐待、悪意の遺棄その他養子の利益を著しく害する事由があること。
 二 実父母が相当の監護をすることができること。
2 【略】

 (親権喪失の審判)
第834条 父又は母による虐待又は悪意の遺棄があるときその他父又は母による親権の行使が著しく困難又は不適当であることにより子の利益を著しく害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、親権喪失の審判をすることができる。ただし、2年以内にその原因が消滅する見込みがあるときは、この限りでない。

 (親権停止の審判)
第834条の2 父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、親権停止の審判をすることができる。
2 家庭裁判所は、親権停止の審判をするときは、その原因が消滅するまでに要すると見込まれる期間、子の心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して、2年を超えない範囲内で、親権を停止する期間を定める。

 (管理権喪失の審判)
第835条 父又は母による管理権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、管理権喪失の審判をすることができる。

 (後見人の解任)
第846条 後見人に不正な行為、著しい不行跡その他後見の任務に適しない事由があるときは、家庭裁判所は、後見監督人、被後見人若しくはその親族若しくは検察官の請求により又は職権で、これを解任することができる。

 (相続の承認又は放棄をすべき期間)
第915条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
2 【略】

 (相続財産の管理)
第918条 相続人は、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産を管理しなければならない。ただし、相続の承認又は放棄をしたときは、この限りでない。
2 家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、いつでも、相続財産の保存に必要な処分を命ずることができる。
3 【略】

 (相続財産の管理人の選任)
第952条 前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の管理人を選任しなければならない。
2 【略】
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「検証 検察庁の近現代史」

2018-10-03 17:37:28 | いろいろ
倉山満「検証 検察庁の近現代史」(光文社新書)
https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334043414

「本書では、近代司法制度が始まった明治時代から、熾烈な派閥抗争、政治との駆け引きに明け暮れる昭和の時代、そして多くの不祥事で揺れる現在までの検察庁の軌跡を概観」(上掲)

 検事の在り様が歴史上の事件と共に描かれており,非常に面白いです。お薦め。
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ギャンブル等依存症対策基本法の施行期日を定める政令が公布

2018-10-03 16:43:44 | いろいろ
官報
https://kanpou.npb.go.jp/20181001/20181001t00025/20181001t000250002f.html

「ギャンブル等依存症対策基本法の施行期日を定める政令」(平成30年政令第285号)が平成30年10月1日に公布され,施行期日は,平成30年10月5日とされた。
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Q&A「司法職務定制」の果たした役割」

2018-10-03 16:36:59 | いろいろ
法務省大臣官房司法法制部「法史の玉手箱」(法務史料展示室だより)第34号,2014年4月号
http://www.moj.go.jp/content/000121564.pdf

 「Q&A「司法職務定制」の果たした役割」が掲載されている。

cf. 司法書士の歴史
http://www.shiho-shoshi.or.jp/consulting/history.html
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「改訂版 中小企業の株式実務」

2018-10-03 15:51:12 | 会社法(改正商法等)
東京証券代行株式会社「改訂版 中小企業の株式実務」(日本法令)
https://www.horei.co.jp/item/cgi-bin/itemDetail.cgi?itemcd=2472609

 株式実務というと,上場企業向けの書籍ばかりであるが,本書は,中小企業向けに,豊富な書式例と共に,コンパクトにまとめられている。
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改正債権法これだけは

2018-10-03 10:26:00 | 民法改正
日経記事(有料会員限定)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35556360Q8A920C1000000/

 これまでの連載と連動型の取りまとめ記事。
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消費者庁,任期付職員を募集

2018-10-03 01:00:32 | 消費者問題
消費者庁 任期付職員の募集について
http://www.caa.go.jp/about_us/recruitment/#m01-04

「今回募集する職員は、消費者制度課係長として、消費者制度課の課長補佐級職員を支えながら主として消費者契約法に係る業務を行います。具体的には、同法見直しに向けた検討、有識者・関係団体等へのヒアリング、法解釈等をめぐる問い合わせへの助言、リーフットの改訂、全国各地での説明会・研修会の開催、ウェブサイトの活用等による周知・啓発事業、情報公開請求への対応等の業務です(その他消費者制度課が所掌する法律に係る業務を行う場合があります)」
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