司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

貸金業規制法改正、少額・短期の例外は消極

2006-07-27 13:45:10 | 消費者問題
貸金業規制「例外は相当慎重に」 与謝野金融相 (朝日新聞) - goo ニュース

 与謝野金融相は、少額・短期の例外については消極のようである。8月末には、改正案がまとまるようである。

cf. 「貸金業制度等に関する懇談会」(第18回会合)の開催について
http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kasikin/siryou/20060727.html

消費者金融会社アエルに全店業務停止命令
http://www.asahi.com/business/update/0727/147.html
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「代表取締役の就任・退任時期とその承諾の要否」

2006-07-27 12:03:28 | 会社法(改正商法等)
 「代表取締役の就任・退任時期とその承諾の要否」について、参事官室で議論がされているようである。
http://blog.livedoor.jp/masami_hadama/archives/50923127.html

 おそらく、取締役会設置会社への移行の際の現任代表取締役の任期満了&権利義務承継問題等に関する検討等がなされているものと思われる。

 葉玉さんは、取締役会設置会社に移行した時点で、従来の代表取締役は任期満了となり、権利義務承継代表取締役となる、しかし、その後の取締役会で代表取締役に再任されれば、特に変更登記は不要である、との見解のようである。
 しかし、「任期満了」の点に関して、会社法上明文規定がないことから、法律関係は明確ではない。したがって、取締役会設置会社に移行する時点で辞任→就任が望ましいのでは、との説もある。

 私見としては、取締役会設置会社への移行、あるいは取締役会の廃止の際に、代表権は異動しないとの解釈を採るべきではないかと考える。会社の通常の意思として、代表取締役の立場に異動を生じさせることは望んでおらず、また、当然の任期満了あるいは当然の代表権の付与という効果を生じさせる合理性もないからである。

 取締役会設置会社においては、取締役会が代表取締役を選定しなければならない(会社法第362条第3項)とされているが、これは新たに代表取締役を選定する場合の規定と解すればよいのであって、取締役会設置会社への移行時に、同規定により現任代表取締役を任期満了させて、改選を要するとまでする必要はないと考える。

 取締役会を廃止する場合においても、従来代表権がなかった取締役に当然代表権を付与することを株式会社は意図しないのが通常である。会社法第349条第2項の規定により、一旦各自代表にリセットした上で、新たに代表取締役を定める(同条第3項)ことを余儀なくさせる必要はないと考える。特に代表取締役を定める決議等がなされない限り、代表権については従前どおりと取扱ってよいのではないか。

 取締役会設置会社であるか否かは、株式会社の機関設計においてきわめて重要な点であるが、取締役会の設置又は廃止の際に、必ず代表権に異動を生じさせなければならないとする理由はないと考えるものである。
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戸籍のコンピュータ化で複雑な思い

2006-07-26 16:56:30 | いろいろ
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000076270.shtml

 戸籍謄本を請求したら、コンピュータ化による改製直後で、大幅に削除されており、原戸籍謄本を改めて請求しなければならないケースがままある。記事は、そのようなケースで、遺族が複雑な思いをしていることを伝えるもの。思いもよらなかったが、そういうことは・・・あるでしょうね。
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会社法の下での官報公告は慎重に(再掲)

2006-07-26 00:03:41 | 会社法(改正商法等)
官報の公告内容に、誤りが散見されるようである。

 本件において、甲は、会社法施行後、特例有限会社から通常の株式会社に移行した会社であり、乙は、特例有限会社である。その両社が、甲を吸収合併存続会社、乙を吸収合併消滅会社として吸収合併を行うとして、債権者異議申述のための公告(会社法第799条第2項)を平成18年7月25日付官報で行っている。
http://kanpou.npb.go.jp/20060725/20060725h04386/20060725h043860027f.html(下から2段目)

 その内容中、会社法第799条第2項第3号に規定する法務省令で定める事項として、下記の記述がある。
(甲)特例有限会社から株式会社に変更後最初の決算期が到来していないため、確定した最終の事業年度はありません。
(乙)計算書類の公告義務はありません。

 しかし、甲は、通常の株式会社に移行しているのであるから、即会社法第440条の適用がある。公告に関しては、経過措置が設けられていない(ただし、会社計算規則附則第4条を除く。)ためである。従って、甲は、会社法施行規則第199条第5号に該当せず、同条第7号に該当し、最終事業年度に係る貸借対照表の要旨の内容を債権者異議申述のための公告かつ通知の内容としなければならないと解される。

 会社法施行規則第199条は、公告実務においては、重要な条文である。
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戸籍法の見直しに関する要綱中間試案に対する意見の募集

2006-07-25 14:48:33 | いろいろ
 「戸籍法の見直しに関する要綱中間試案に対する意見の募集」がスタート。8月28日(月)まで。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=300080001&OBJCD=&GROUP=

 行政手続法に基づく手続ではなく、任意の意見募集である。

cf. 平成18年7月18日付「戸籍謄本等の職務上請求」

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株式買取請求権のための通知・公告の省略

2006-07-25 12:19:15 | 会社法(改正商法等)
 反対株主の株式買取請求権を保障するための通知・公告の省略あるいは期間短縮の可否につき、葉玉ブログで詳細に論じられている。
http://blog.livedoor.jp/masami_hadama/archives/50919825.html

 私は、定款自治に関して、「会社法は強行法規であるがゆえに、会社法の明文規定に反する定めは、たとえ総株主の同意があっても無効である。」との立場であり、「明文規定がないため、省略等は認め難い」という点に関しては、是認できる。しかし、本来、明文規定を置くべき事柄であった、と思われるのだが。
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稲の独占的育成者権を担保にした融資

2006-07-25 10:14:46 | 会社法(改正商法等)
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20060724AT2C2400424072006.html

 稲の独占的育成者権(種苗法第19条以下)を担保にした融資という面白い事例である。

cf. http://www.hinsyu.maff.go.jp/qanda.htm#qa12
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困ったな、と思ったら、まずは、法テラス!

2006-07-24 11:56:27 | いろいろ
 困ったな、と思ったら、まずは、法テラス!
http://www.moj.go.jp/SHIHOUSHIEN/

 平成18年10月スタート。京都司法書士会も、もちろん協力しています。
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消費者金融、苦肉の保証業務拡大

2006-07-24 11:47:26 | 消費者問題
 消費者金融各社が、金融機関の個人ローンにつき、保証する業務を拡大する傾向にある。金融機関にとっての狙いは、消費者金融会社のノウハウの獲得にあると言われているが、消費者金融にとっての狙いは、現在より低い金利で貸しても利ざやを取れる、返済能力の高い優良顧客の開拓にある。アイフルの行政処分により、拡大傾向に歯止めがかかるような見方もあるようであるが、やはり徐々に拡大していくものと思われる。

cf. 本日付日経朝刊4面
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投資とは何か

2006-07-23 18:57:28 | 会社法(改正商法等)
売買お任せカブロボ・夜間取引 進化するネット証券 (朝日新聞) - goo ニュース

 まさに「投資とは何か」である。証券業界は、デイトレーダー急増によって、息を吹き返したのかもしれないが、マネーゲームをさらに助長する方途しか示せないようでは、ブラックマンデーの再来は必至であろう。
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消費者金融からの借入「5社以上から」が230万人

2006-07-23 18:27:04 | 消費者問題
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060722it06.htm

 全国信用情報センター連合会の調査によると、消費者金融からの借入「5社以上から」が229万人であるそうだ。日本の人口は、約1億2781万人(推計)であるから、約1.8%が多重債務状態。予備軍も含めると、国民の約10%は、消費者金融から借入している計算となる。

 と、いうわけで、「高金利引下げ京都大集会」にぜひご参加下さい。私は、残念ながら所用で参加できないのですが。
http://www.siho-syosi.jp/topics/20060729.pdf

cf. 自己破産申請数データ
http://www.ir-aiful.com/japanese/data03_01.cfm
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株主総会を開催し直しで500万円

2006-07-22 23:17:48 | 会社法(改正商法等)
http://www.toyo-shutter.co.jp/library/pdf/topics/ir/ir1/060721.pdf

 利益処分の際に、10分の1以上を利益準備金に積み立てる必要があったにもかかわらず、取締役会、監査役会及び会計監査人共に看過して(株主もであるが)、定時株主総会を了してしまったものである。

 臨時株主総会を開催して、承認決議を受け直すそうだが、総会の開催費用は約500万円とのことである。

 上記は、旧商法ベースの話であるが、会社法においても、剰余金の配当をする場合には、その額の10分の1を準備金として計上する必要がある(会社法第445条第4項)。
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規制改革・民間開放、中間答申の素案

2006-07-22 18:17:13 | いろいろ
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060722AT3S2100K22072006.html

 中間答申の素案が明らかになったそうだ。

 なお、同本部から各省庁への検討要請に対する回答は、7月26日(水)ごろに公表される模様である。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kiseikaikaku/osirase/060719/060719osirase.html
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信用金庫の幽霊会員

2006-07-21 13:10:08 | 会社法(改正商法等)
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20060721AT2C0702M20072006.html

 株式会社に所在不明株主が存するように、信用金庫にも幽霊会員が多数存し、法定脱退事由(法第17条)に該当しないことから、問題となっていた。株式会社には、所在不明株主の株式の売却制度が存するが、信用金庫には同様の制度はないからである。除名(法第17条第1項第4号)の制度はあるが、手続が煩雑であり、法改正が要望されていたものであるが、ようやく実現の方向であるようだ。
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相続人等に対する売渡しの請求(会社法第174条)に関する定款の定めは登記事項か

2006-07-21 01:26:43 | 会社法(改正商法等)
 相続人等に対する売渡しの請求に関する定款の定め(会社法第174条)につき、「発行する株式の内容」(会社法第911条第3項第7号)に該当するとして、登記事項であると指導する登記所があるそうである。しかし、それは誤りである。「発行する株式の内容」とは、会社法第107条第1項に基づく「株式の全部についての内容」又は第108条第1項に基づく「発行する各種類の株式の内容(+発行可能種類株式総数)」のいずれかに限られるからである。

 昨日(7月20日)付の葉玉ブログでも、その旨のQ&Aがある。

Q6
譲渡制限株式について、定款に「相続人等に対する株式の売渡請求」ができるという条項を設けた場合、取得条項付株式に当たるのでしょうか?
A6
当たりません。取得条項付株式は、株式の内容として規定されるものであり、相続人等に対する譲渡制限株式の売り渡し請求とは別物です。
http://blog.livedoor.jp/masami_hadama/archives/50914110.html
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