花だけでなく地下で自家受粉するミゾソバ

役に立たない犬用のイヌタデと同様タデ科の一年草ミゾソバ（溝蕎麦）はイヌソバと名がつかなかった。訳は湿った場所に群生し、飢饉のとき救荒食として栽培されていたからで役に立つ植物である。

田の畦や小川の岸などに生え、高さ40㎝位に伸びるがその茎には下向きにトゲがあり大きな植物に絡まったりして伸びている。葉は互生し牛を正面から見た形に似ているのでウシノヒタイと名がついている。

ミゾソバは金平糖のような可愛い花を咲かせるが、順番に咲かせているので長く持つ。虫を呼び寄せるようには目立たないから花が咲き終わっても目立つように淡いピンク色をしている。

しかし、地上の花粉で子孫を繋ぐだけでなく、地下で自家受粉によってしっかりと親の遺伝子を受け継ぐのである。一年草だからこの種子が後を引き継ぐのである。

地上のミゾソバの実は水鳥などのお腹にたまり、種子は大変硬いので糞と一緒に排出され新天地勢力を拡大しているがそう簡単に子孫が増える訳ではない。それより安全な土の中の種子の方が子孫を増やすことが出るミゾソバの特技でもある。