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商標に無頓着な人が多すぎる!?

2020年06月10日 04時05分38秒 | 合同会社アシタネプロジェクト

20年前のこと。私は、WEB会社の立ち上げと運営を任され、IT企業が集まるオフィスの一角に事務所を構えた。会社では、ホームページの企画制作を始め、IT教育、ショッピングモールを運営していた。特に同モールは全国から出店があり、オープン1年後にはメルマガ会員1万人を有していた。

ある日の午後、1通の書留速達郵便が事務所に届く。宛先は、東京の弁護士事務所。なんだろう・・嫌な予感がした。

恐るおそる封筒を開けてみると、予想は的中。内容は「ショッピングモールで使っている屋号は、すでに商標登録されており、すぐに販売を中止すること。そして、ネットショップでの全顧客名と売上を報告するように」との警告文章だった。

売上はさておき、顧客情報を出すことは信用失墜であり、事実上の事業閉鎖となる。どうすればいい・・・。

悩んだ末、隣接するビルにある(一社)宮崎県発明協会に相談。その結果、隣県に特許庁を退官したばかりのAさんが弁理士事務所を開設されており相談するようアドバイスいただく。

早速、社長に報告。その日のうちに、同協会よりAさんに連絡を取ってもらい、翌日事務所に伺うこととした。

JRとタクシーで乗り継ぐこと約2時間半。路面電車が走る町。街路樹が美しい通りにひっそりと立つ事務所で、Aさんはあたたかく迎えてくれた。

改めて経緯をお話すると、「よくあることなんですよ。商標に無頓着な人が多すぎる、ある程度泳がせて(使わせて)おいて、ある時突然要求を突きつける」という手法を取るという。その言葉から、商標の扱いの怖さを改めて痛感した。そして、Aさんより対処方法をアドバイスいただく

即日事務所を戻り、教えられた通り、ネットショップを閉鎖、弁護士事務所にお詫び状を発送、出店者ほか関係者に連絡した。

1週間後、店名を変更し経緯をホームページに掲載した。その上で、改めて弁護士事務所へ書類にて1週間前からの対応を説明する文章を送付。

それから10日後、今回の警告を不問とする了解をもらった。

今思うと、迅速にそして具体的に行動したことがリスクを最小限に抑えられたのだと改めて思う。もし、対応を誤っていたらと思うと、ぞっとさせられる。

そんな経験もあり、立ち上げた法人の屋号とロゴマークを商標登録することとした。前出の発明協会に相談。登録カテゴリー(たとえば教育、福祉など)を慎重に選んだのち、マークも合わせてを特許庁に申請。一連の手続きを10ヶ月かけて、無事登録が完了した。

商標は、ネットなどを通じて、サービスを提供する場合、登録しておくことが必要。しかし、費用と時間がかかるので、まず身近な公的機関に相談することが肝要です。

ちなみに、Tさんより、商標取得の印しである®は、レジスタという意味で、米国の牛の刻印が起源らしい。

両手で支え育てる種、人が躍動し踊り出す、そんなイメージを込めてデザインしたマーク。


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