The Natural Seven/Al Cohn
(RCA LPM-1116)
(RCA LPM-1116)
ズートとともに語られる事の多いテナーサックス奏者、アル・コーンをアップします。巷ではズートとのテナーバトルが有名でいくつかの名盤がリリースされて いますのでご存知の方も多いと思います。バトルプレイでは、結構わかりにくいプレイもあるのですが、やや固めの音色がアルのテナーです。RCAにもいくつ かのアルバムを吹き込んでいますが、やや大きめの編成でアレンジの才能を示した好盤が見られます。"MR.MUSIC"(RCA LJM-1024)なども彼の編曲の才能を如実にしめしたアルバムで、カバーにはアルのトレードマークとも思われるボストンタイプの眼鏡が使われていまし たね。
このアルバムでは、タイトルどおり、ベイシーバンドからギターのフレディ・グリーンの参加を得てベイシーのカンサスシティセヴンを意識した アレンジと演奏を聴く事が出来ます。彼のギタープレイについてはもう語り尽くされていると思いますが、ジャズギターではきわめて異色なリズムギターで、ほ とんどソロはとらず、そのstrummingで強烈なベイシーサウンドのリズムの中核を作っていたことは皆様ご存知のとおりです。ピアノのナット・ピアー スも間をいかしたシングルトーンプレイはベイシーのピアノを意識したものでなかなかの好演です。ベースは手堅いミルト・ヒントン、ドラムにオシー・ジョン ソンを起用しジョンソンは最後のブルースで渋いヴォーカルを聴かす粋な配慮でまさにベイシーモードです。フロントはベイシーバンドのトランペット、 ジョー・ニューマンとトロンボーンには名盤の誉れ高きDAWN盤で共演したフランク・リハックというまさに自分好みのパーソネルです。
センターレーベルはNIPPER DOG(COLOR)のdeep grooveでオリジナル?と思います。カバーもイラストでの7人とその楽器が描かれたもので美しいですね。