本試験過去問題分駅の作法

2016-08-19 23:20:11 | 司法試験関連

コメント欄へのお返事です。

本試験過去問題の分析の仕方は、予備試験とはまた異なる面があります。

本試験の問題は予備試験と異なり、「既視感のある問題」は出ません。本試験では、「試験委員が受験生にどのようなスキルを要求しているか」をマスターすることが過去問題分析において最も重要な点になります。出題趣旨、問題文、採点実感等の分析はそのような目的で行います。したがって、「こんな論点が出た」、「この論点は何年に一度の割合で出る」、などは何の意味もありません。まずこの点に留意しましょう。

また、スキルの一環として、処理手順を学ぶ、という面もあります。伝聞処理パターンが有名ですが、それ以外にも適用違憲の処理の仕方や、行政法や商法における添付資料の使い方、行政法、民訴法で顕著な判例射程問題の解き方などがこれまで本試験を通じて「教育・指導」なされてきました。

本試験では、知識そのものの量ではなく、明らかに知識の使い方をを問われています。「道具の数」ではなく「道具の使い方」が問われているのです。どのように「道具を使って欲しいのか」を科目ごとに分析していくこと、それが本試験過去問題をやる実質的な理由なのです。

あとは、時間配分や答案での表現の仕方(形式面のみならず、分量配分も含む)も重要です。過去問題は何度も書いて、自分なりの理想的な答案像を追求してください。秋以降の答練は、それを「実践できるか」を試す場であり、実践できるようになるためには「現状何が問題か」をえぐりだす「手段」に過ぎません。この点を履き違えないようにしましょう。答練はインプットなどのペースメーカーではありません。実践トレーニングの場なのです。

具体的に要求されるスキルや勉強の際の視点については、9月に発売する、私の2冊目を参考にしてみてください。手前味噌ですが、大変参考になると思います。最後は宣伝になってしまいました(笑)

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