黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

寒中お見舞い

2012年01月12日 16時30分49秒 | ファンタジー
「遠く離れた京都時代の友ヘ」

 寒中お見舞い申し上げます。
 北海道は今、冷凍庫の中にいるような、強烈な寒気に覆われています。私の住む町は、毎日氷点下20℃近くまで気温が下がっています。20数キロ西方の札幌は、10度前後も暖かいのに。北海道の中でも、十勝地方の陸別や上川地方の幌加内は、テレビなどで厳寒の地として紹介されますが、ここはそれらの土地に負けないくらい寒く、家にいながら、毛嵐(けあらし)やダイヤモンドダストを見ることができるんだ、と本州の人には自慢しています。
 私の家から2キロメートルくらい北東に、一級河川のI川とT川との合流点があって、両河川が音もなく混じり合う河面辺りから、大量の水蒸気が大気に放出されています。大気の温度が急激に下がったときなど、川から立ち登る水蒸気が冷却されて、もうもうと濃い霧になるのです。これが毛嵐です。水面から蒸発する水分と大気との温度差が大きいことが発生の条件ですから、本州でもごくまれに起きるそうです。
 内陸より気温が高い海岸部の毛嵐については、私は太平洋岸でしか見たことがありませんが、主に河川が海へ流れ込む辺りに発生します。この現象は、川水が暖かいから起きるのか、それとも川面を上流から吹き下ろす風が周辺の大気より冷たいからなのか、あるいはまったく別の原因で起きるのか、そんなことがわからなくても、海岸から沖に向かって細長く伸びる毛嵐の真っ白な輝きは見応え十分です。見方を変えると、子どものころ露天で食べた綿飴のような粘着性の質感があります。
 ダイヤモンドダストは、大気の水分が細かい氷になって太陽の光を反射して輝くのですが、この厳寒の町では陽がささなくても大気中にうようよ泳いでいる姿が見られます。
 前回貴兄とお会いしたのは平成20年でしたから、4年もの年月が経とうとしているのですね。翌21年、私は太平洋岸の静かなU町を離れ、同時に32年間よくぞ勤めた会社を退職しました。その後、現在の会社に入って、約3年になるところです。転職したお陰で、久しく忘れていた文章書きに目覚め、2年間ちょっとで700枚以上の愚作を物すことができました。なんという幸運かと思いながら、この作業に専念できる会社に毎日通っています。今年2月には定年の齢になり、いよいよ最終的な身の振り方を決めなければと思っています。また懐かしい京都でお会いできる日を楽しみにしております。

コメント
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