黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

大きくなってはいけない

2016年03月16日 15時41分25秒 | ファンタジー

 タスマニアデビルは今、致死性の病気のまん延に苦しんでいる。顔面や口内に悪性腫瘍ができて、食物をとれなくなり死に至る。恐ろしいことに、このガン細胞は個体の傷口から伝染する。
 ガン細胞をやっつける薬の開発、生息地の棲み分けなど手を尽くしているが、先行きは明るくない。二十年くらいで絶滅するだろうという予測もある。
 ところが、最近、奇跡的に快復を遂げた個体が発見された。耐性ある個体が着実に生まれているという。
 過去にも、ウイルスにかかり絶滅寸前まで行ったとき、遺伝子レベルの変化が起き、新たな進化を遂げた例がある。ほ乳類の胎盤はそうして作られたという。
 しかし病気にかからないにこしたことはない。
 病気にかからない個体には、ある特徴がある。それは、タスマニアデビルの習性でもある、咬みつき行動をあまり得意としないこと。咬みつかなければ、咬みつかれる頻度も低い。傷つかなければ病気をうつされないし、うつさない。
 弱肉強食の論理によると、強者は圧倒的に有利な立場にあるように見えるが、実はそれは一時的なもの。かえってあまりケンカをしない、温厚で平和な個体の方がしぶとく生きのびる確率が高いということだ。
 恐竜絶滅の引き金となった地球環境の大変動に耐えたのは、確か数十センチ以下の小さく弱い生き物だった。ネコもヒトも大きくなってはいけない。(2016.3.16)

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ネコ国通信 咬みつき合い

2016年03月16日 14時13分11秒 | ファンタジー

「とのからの手紙 咬みつき合い」は次のとおり。

 あるネコ国軍事評論家が指摘した、かつてのネコ国の軍事政策上の「8つのノー」とは、海外派兵はしない・集団的自衛権の行使は認めない・戦力投射能力は持たない・宇宙の軍事利用はしない・武器輸出はしない・軍事技術を他国と共有しない・防衛予算は国内総生産(GDP)の1%を超えない・核兵器は持たないであった。しかし、現在のネコ国のノーは、曲がりなりにも、「核兵器は持たない」ただひとつになってしまった。
※「戦力投射」とは、軍事力を準備、輸送、展開して軍事作戦を遂行すること。

 軍事政策をここまでなしくずしに変えた上に、ネコ国憲法九条を「猫の命を守るためなら、他国との咬みつき合いを許す」と改変したならどんなことになるか。
 現在、海外の国々では、外患にあおられて、国内の利益を守ろうとするナショナリズムがぐんぐん台頭している。節操のないこのネコ国が、オオカミ国やブタナベ国の脅しや冗談にさらされることがあったなら、虚勢を張りたいだけのネコ様方が、外交戦略なんていう、まだるっこしいやり方をすぐにでも放り出し、ネコ国世論を咬みつき合い態勢に誘導するのは明らかだ。なので冷や汗が止まらなくて気持ち悪い。(2016.3.16)
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猫世間で偉いのは

2016年03月16日 11時12分13秒 | ファンタジー

 猫世間の基本は単身なので、夫婦別姓の議論は起きない。それ以前に、婚姻そのものがない。
 猫世間では、男は一定の地域に住民登録しているが、女は住所不定。ただし、男は住所に落ち着く前に、落伍することがある。一方、女はどこにでも住める。 
 女は、男の手を借りずに子を産んで育てるし、食い物も自前で調達するから、男にへつらう必要はない。その分、男に発言権は認められない。
 女は男に何も期待しない。気に入らなければ、男を噛む。
 猫世間では、明らかに女がいちばん偉い。やっぱり、はなにはかなわない。(2016.3.16)
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