『福井新聞に載った参院選関係の記事』
18、19歳の投票率は、総務省の抽出調査では45・45%と全体を9・25ポイント下回った。
投票に行かなかった同世代は「関心がない」「忙しい」などを理由に挙げた。
住民票が地元にないからという県外出身学生もいた。これについては、不在者投票の周知徹底や方式の簡便化を進めるべきだ。
「若い候補者が多かったら、ちょっと違ったかも」という若者も。被選挙権年齢の引き下げも検討課題だ。見た目を若くしてもダメか。
政治不信を理由に挙げる高校生もいた。
「選挙が信じられない。きれい事を言って実行しなかったり、意見を変えたりする政治家を見てきた」党利党略、私利私欲に走るのが見え見えということか。若い人たちに選挙不信を植え付けないでほしいと切に願う。
「プレミア感があって、投票には行きたかった」という話もあった。しかし、投票した友人は「最後はよく聞く名前で決めた」と話すなど、真剣に政治を考えている人は少ないと感じたという。プレミア感とは若者の間ではどんな意味に使われているのか。投票とは、初物で美味しそう? プレミアム、つまり高級感がある? あるいは、誰に投票するかは二の次だったという意味か。
「政治に関心がなく、参院選があることすら知らなかった」のは論外として、「行きたい気持ちは強かったが、候補者を選ぶ基準が分からなかった」とは正直な気持ちなのだろう。選挙とは人気投票ではないので、むずかしいのは当たり前。
こんなのもあった。
「無理に選挙に興味を持たせて、世論を動かすのはどうか」と投票率を上げようとする社会の動きに疑問視する意見や、「例えば憲法改正と護憲。どっちも理解できるから、自分は選べない。選べる人が投票すべき」というのはちょっと後ろ向きにすぎて賛同しかねる。いまの世論がマスコミや声の大きい者によって作られることを批判する気持ちは理解するが、選挙とは、世論やマスコミがどうであろうと、投票する側のセンスが試されていると考えるべきだろう。
県内の大学生らでつくる県明るい選挙推進青年活動隊の代表者は、投票率の伸び悩みについて「残念。投票に行こうと呼び掛けるだけでなく、政治に興味を持ってもらうような啓発活動を考えていきたい」と述べた。政治に興味を失う国民が増えるにつれ、国民の幸せを考えない政治家が増長する。(2016.7.12)