黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

近況 残っていた通帳

2017年08月30日 20時13分16秒 | ファンタジー
  <函館の坂>

 リタイア後、書棚の奥に突っ込んだままの蛇腹のファイルを取り出した。そのファイルは親が使っていたもので、家の財産関係の書類がしまい込んであった。父母が亡くなったとき、私は、必要な書類を抜き取って正規の処理をしたので、重要なものは残っていないと思っていた。ただ、父母の古い実印など、まだ処分未了のものがあったので、気が進まない作業を始めようとした。
 ファイルを開けてみると、やはり使用済みの銀行通帳などがあった。それらを破り捨てていたとき、使用済みの処理がされていない郵便局の国債口座の通帳が2冊出てきた。まさかと思いながら相続関係の書類と照らし合わせたが、該当する項目はない。今さら処理していないものが出てきても手続きが大変なだけだと思ったが、すぐさま頭の中は、これだけあったらあれもこれも買えるという、とらぬ狸状態になってしまった。
 翌日、近くの郵便局で通帳の残額確認の申請手続きをした。待つこと数日して、㈱ゆうちょ銀行から書留のお手紙が来た。恐る恐る封を切り、1枚の紙面に羅列された文章の中に探し当てたのは、残額は一切ありませんでしたという、あっさりした1行。決して独り占めしようとか、たくさんもらおうとか、よこしまな考えはなかったのだが、私の願いは1円も叶わなかったのである。(2017.8.30)
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