黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

ミョウガクイザル

2020年08月23日 17時48分45秒 | ファンタジー
 ミョウガをもらって食すこと3日目、食べすぎると物忘れがひどくなると言われているのに、20年あまり前、知り合いの家で見慣れない動物に出会ってびっくりした記憶がふとよみがえった。
 初めてその家を訪れ、居間の椅子に腰かけたとき、私の足元にジワジワすり寄ってくる、ぬいぐるみのような物体があった。服を着たサルだった。私の方に、薄茶色の大きな頭を突き出してじっとしている。飼い主によると、頭を撫でてほしいのだという。かなり年のいった、おとなしいサルは大のミョウガ好きだった。
 そのサルは東南アジアに生息するカニクイザルといって、日本では輸入禁止の外来種。その家で飼われるようになった経緯は、地元の新聞に写真入りで紹介されたこと以外、すっかり忘れてしまった。
 カニクイと言えば、数万年前、琉球列島にはカニを大量に食した旧石器人がいた。(「南の島のよくカニ食う旧石器人」藤田祐樹)彼らの遺骨はそのカニ殻の堆積した中から見つかった。つまりカニ塚だ。私は、中学生のころ考古学クラブに入っていて、貝塚(千歳市美々貝塚だったと思う。)を見学しに行ったことがある。その場所が海岸から数十キロメートルもの内陸にあることが腑に落ちなくて、そこで見たことは何ひとつ頭に残っていない。
 そのサルに関してもうひとつ思い出したことがある。彼は、自宅の畑で採れるミョウガを食べ続けたのだったが、あるとき肛門から原因不明の出血があった。たまたま飼い主が近所の人からアドバイスを受けて、ミョウガを断ってみた。すると、じきに出血が治まったという。好物には要注意、とくに年取ってからは。(2020.8.23)

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