黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

棒鱈

2023年12月14日 19時38分28秒 | ファンタジー
 古いつき合いの家族が、私のことを心配して三が日に遊びに来るというので、おせちをどうしたものかと思い悩んでいた。そんなとき、学生時代に京都の下宿屋で寝正月を決め込んでいた私を見兼ねて、大家さんが振る舞ってくれた正月料理を思い出した。頭に浮かんだのはなぜか棒鱈の煮付けだけ。初めて味わう食材をよほど気に入ったのだろう。当時、堀川北大路通りの辺りには師走になると出店が軒を連ねて賑わっていたが、私は京都のおせちがどういったものかまったく興味がなかった。
 数日前、スーパーに行くと、干した大きな鱈がつるされていた。それを見て、京都のおせちに加え、棒鱈の原産地の稚内に住んでいたころ、秋になったら、あちこちの家の軒先にぶら下っていた妙なもののことまで記憶がよみがえった。妙なものとは強い浜風にさらされた鱈。これも何かの縁だと思い、衝動的に一本買ってしまった。
 棒鱈煮付けレシピを見ると、2、3日水に漬けてから、煮たりアクを取ったりの一日がかりの大仕事。そんな手間がかかるのに比べ、原料の干した鱈の値段は200円。せっかく時間かけて立派に干し上がった鱈なのに、ちょっと安すぎ。
(追記) 煮付けの写真を取る前に食ってしまった。薄味だがなかなかの味わい。(2023.12.14)


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