黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

非整数次倍音とは

2024年11月08日 00時25分36秒 | ファンタジー
 この1年あまり、お気に入りの曲を300曲くらいスマホのアプリにストックして、飽きもせず聴いている。
 聴きたい曲を選んでみたり、メニューの先頭から順番にかけてみたり、そのときの気分次第。そんなふうに1日に何度も繰り返し聴く。そのうち、曲によってかかる回数が大きく違ってくるのがわかる。
 たとえば、ビートルズよりローリング・ストーンズ、シナトラよりルイ・アームストロング、アレサ・フランクリンよりニーナ・シモン、ジョン・レノンよりデビッド・ボウイ、ジョージ・ハリスンよりニーナ・シモン、マイルスよりウェザー・リポート、エラ・フィッツジェラルドよりビリー・ホリデイ、ポール・マッカートニーよりスティング、ルー・リードよりジョー・コッカー、イーグルスよりザ・バンド。ブルース・スプリングスティーンよりバディ・ガイ。きりがないが、後者の方が断然登場回数が多い。美しい響きの曲よりも、癖のある泥くさいのが好みなのだ。
 最近、非整数次倍音という音波の話を聞いた。非整数ということは、整わない音をいうらしい。どんなのかといえば人工的な音でなく、自然界にある、たとえば波や滝、虫の声など。私は遠くに聞こえるカラスの鳴き声やプロペラ機の発する気だるい音にも心をいやされる。
 人の声にも整数と非整数の両方がある。わかりやすいのは、バーブ佐竹、青江三奈、八代亜紀、森進一、桑田佳祐、村田英雄らの声は非整数。美空、春日八郎、三波春夫らは整数だろう。若い世代の声は、耳が遠くなったせいで聞こえないから比較しようがない。困ったもんだ。
 つまり、私は無意識に非整数次倍音の声にひきつけられて音楽を聴いているということではないか。
 雑草雑木アレルギーでつらい鼻づまりを起こし眠れなかったり、海に行ったら耳に海水が入って抜けなかったり、馬に乗ったら振り落とされそうになったりで、自然の中で生きられない宿命を抱えたインドア人間の私が、なんで自然の波長にとらわれるのか不思議というしかない。
 若いころ、ウィーン少年合唱団みたいと言われた自分の声が、いつしかツヤのないおじんの声に変化したのを目の当たりにして、つくづく思う。つまり、すべては自然に還るべくしてちゃんと還るのだと。(2024.11.8)

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