また、回りくどい話。
楽しいこと、美味しい食べ物、目や耳に心地よいことだけ思い出す訓練をすると、脳の神経回路が強化されると書かれた読み物がある。そうしたいのはやまやまだが、昨今、政治や軍事、差別や侮蔑、力や言葉による暴力の話題がやたらに多く、心がイライラ・ドロドロしない時間は一分たりともない。なので、そのゲームに参加できるヒトはごくわずかしかいないのでは。
一方、ある学識者は、日常生活の中で様々な刺激にさらされれば、へこたれてネガティブになるのは当たり前。たまには気の抜けた風船のようにフワフワ・グダグダしていないと身も心も持たないよと、正直に吐露している。
ところで、脳という器官が、感情や記憶、思考や神経回路の一切を司っているわけではないという説がある。恐竜の場合は、身体が大きすぎ神経が全身に行きわたらなかったので、下半身にも脳があったとされている。ヒトの場合、驚いたり喜んだり思い詰めたりしたとき、心臓が釣り鐘を打つようにドキドキしたり、真綿で絞められるように苦しくなることがある。
このことは、心臓自体、脳が反応する前に、あるいは脳とは別に、外界の変化を認知し信号を発する機能を担っていることを表している。さらに、心臓移植を受けた人が、元の心臓の持ち主の記憶などを再現した事例が実際にあるという。脳と心臓との連動を否定するわけではないが、心臓に別系統の神経細胞の束が組み込まれていると考えた方がつじつまが合う。心臓は移植できる世になったものの、やはり大事にしなければ。
ほんとうは、これからネコ国の事件について書こうと思っていたのだが、私自身の心臓に悪い作用をしそうなので、この次にする。
楽しい心で日常を過ごすのは、ほんとうにむずかしいことだ。そうした環境は外からなかなかやって来ない。本人のそれなりの努力が必要だ。ちょっとしたいざこざなんて気にしない・気にならない、何ごとにも寛容さを失わず怒らない、悪いやつを見たらすぐ目をそらす、といったネコの目を持たないヒトは、ネコのように生きながらえないだろう。(2016.3.17)
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