黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

楸邨の句

2016年01月12日 15時41分27秒 | ファンタジー

俳句も短歌もよくわからないが、楸邨の句は生々しさがいい。


「百代の過客しんがりに猫の子も」
 この句は先に掲げたとおり、「猫の吾(あ)も」に改編させていただいた。

「枯れゆけばおのれ光りぬ枯木みな」
「さむきわが影とゆき逢ふ街の角」
 自己の孤独を見つめる厳しさに満ちているが静かなたたずまい。

「蟇(ヒキガエル)誰かものいへ声かぎり」
「炎天下くらくらと笑(えみ)わききしが」
「鰯雲人に告ぐべきことならず」
 私には、抑圧された心の叫びを感じるのだが。

「さえざえと雪後の天の怒濤かな」
「生きてあれ冬の北斗の柄の下に」
「燕はやかへりて山河音もなし」
「火の奧に牡丹崩るるさまを見つ」
 やはり、人の死と深く結び合う句か。

「死ねば野分生きてゐしかば争へり」
「火の中に死なざりしかば野分満つ」
 苦渋の思いあふれた句。

「雉子の眸のかうかうとして売られけり」
「天の川怒濤のごとし人の死へ」
「猫と生れ人間と生れ露に歩す」
「しづかなる力満ちゆきばつたとぶ」
 我に比べ、雉子や猫たちの堂々たる面構えに心打たれる。

「ふくろふに真紅の手毬つかれをり」
「天の川わたるお多福豆一列」
「落葉松はいつめざめても雪降りをり」
「おぼろ夜のかたまりとしてものおもふ」
 見たまま、感じたままでいい。(2016.1.12)


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