両忘(りょうぼう)。両方を忘れること。
たとえば、好き・嫌い、善悪、是か非か、苦楽、生死、白か黒か、
幸不幸、美醜、真偽、貧富、喜び・悲しみ・・・。
どちらかに執着したり、強く心に意識すると息苦しくなることも。
正しいことが全てじゃないって思う。
世の中の出来事は、全てが白黒で解決できるものではなく、
お互いが主張を通していては、解決も得られなかったり。
最近の社会の不条理には、疑問や憤りを感じずにはいられないけれど、
せめて日常の生活では、あいまいで中途半端と思えるこの「両忘」の
心を持てたら、がんじがらめの価値観から解放されて楽になるのでは・・なんて。
人と人との間では「ま、どっちだっていいんじゃないかな」っていう穏やかで
呑気な心を持てたらなぁ・・って願望です。
色でいうと生成色。
白ほど反射せず、黒ほど拒絶せず、赤ほど主張せず。
今は個性の時代だ、個人主義の時代だとも言われていますが、
だからと言って、個人の主張ばかりを通すと、最後には誰もしあわせに
なれない気がします。
両方を忘れるっていう意味は、持っているものを失うのではなく、
大事なものを見つけられるってことなのかもしれませんね。
答えはきっとひとつじゃなくて。
中道を生く、それでいいんですよね、きっと。