木簡節臨 (半紙1/3×3枚)
なんとなく心落ち着かない日は、木簡の臨書をする。
おっし。
今日はちょっと几帳面そうなあなた~
細い羊毛の筆でシャープに書いてみた。
木簡は、当たり前の日常の中で、繰り返し書かれてきた生活の書でもあり、
それぞれの書き手の個性が魅力の書でもある。
生真面目な隷書のようなもの、大胆な草書のようなもの、稚拙でありながらも温かいもの、
力強いもの、無器用そうなもの、意地悪そうなもの・・・・とクスクス笑いながら
ひとつひとつを眺めていると、心にひっかかっていたものが、す~っと消えて、
ま、いっか・・って思えてくる。
時代も違う、国や生きている環境も違うのに、人間って根っこは変わらないんだなぁって
思うと、あれこれ許せる気がしてくる。
おんなじ人間だもの
多少の性格や好み、価値観の違いはあっても、太古の昔から、世界中どこへ行っても
人は同じように息をして、食べて笑って泣いて怒って、走ってころんで歌って寝るわけで。
木簡を眺めていると、そんなことがつらつらと浮かんでくる。
木簡を臨書していると、いろんなタイプの人に出会える。
それでもって、実際にそんな人に出会ったとき、初対面でもなんだか懐かしいような、
いとおしいような気さえしてしまう
不思議なもので。
木簡は、人生を教えてくれているような気がする