心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

迷いのない姿の美しさ

2008-03-21 | つれづれ
                      独活(ウド)  はがき




    自然は賢明である
    自然は細心である
                 (高村光太郎)



すっかり春めいてきましたね。
子供の頃は食べられなかった山菜、今は大好きです。

つくし、ふきのとうやたらの芽の天ぷら、セリのお浸し、ウドの酢味噌和え。
特にウドは大好き。
あの淡白な味は、日本人にしかわからないだろうなぁ。。

「うどの大木」なんて言われますが、成長が早く、茎は食材にしか使えない
ことからその由来があるようで。

その上、実はあんまり栄養価はなく、香りと苦味を楽しむ食材ってことのようです。
でもその苦味が食欲増進効果があって、つまりは縁の下の力持ち?

それにしてもよくよく見ると、不思議なお姿。。
神様はどうしてこんな姿を創造できるんだろう。。。

役に立たないと言われながらも、その迷いのない姿は
まさに賢明であって、細心。

それにひきかえ、私は迷ってばかりで、散漫なこと。。

ウドさん、きみは美しいよ~  !

(・・って私の絵からは想像しないで、本物を想像してくださいね  )






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おはぎとぼたもちの違い

2008-03-20 | つれづれ
                     (般若心経一節 はがき)
                     ~串で書いて顔彩で色づけ~




今日は春分の日。
昼と夜の長さが同じになると言われ、「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」
として、国民の祝日になっているらしい。(知らなかった・・)

それをなぜお彼岸とするのか、ちょっと調べたけどいまひとつすっきりしない。
また機会があったら、調べてみます。

ところで、お彼岸と言えば、おはぎ。
いつだったか絵手紙教室で「おはぎとぼたもちの違いは?」が話題となった。

物知りの教室のみな様によると・・・
実はおはぎとぼたもちは同じもの。
おはぎは漢字で書くと「お萩」で、ぼたもちは「牡丹餅」。

つまり、ぼたもちは牡丹の季節、春のお彼岸に食べるもので、
おはぎは、萩の季節、秋のお彼岸に食べるものなんだそう。

なるほど~  !

で、ついでになぜお彼岸におはぎを頂くかと言うと、江戸時代より、
あずきの赤色には、災難から守ってくれる、邪気を払う食べ物としての
信仰が定着し、先祖の供養にも忌明けに食べるようになったそう。

文化って面白いですね 
でも文化は生き物だから、時代と共に変化してしまう。

現代は情報化社会と言われているけど、ほんとはそんなに莫大な情報は
いらないのにって思う。
日々の生活をゆったりと楽しめる分だけの情報で十分。
しかも、その方がほんとはしあわせだったりするのかも・・って思う。


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探しているもの

2008-03-19 | 



時々ふと、私は何を探しているんだろうって思う。
探しているというより、欲している、の方が近いかな。

この間、気分転換にふらっと近くの天然温泉(スーパー銭湯)に行った。

洗い場で、私からひとつ置いた所で中年の女性が洗顔中。
そこへ(私の隣に)かっぷくのいい中年の女性が座り、しばらくして
「あら、こんばんは。今日は早いのね」
「そうなの、今日は見たいテレビがあるからね」

なんだか、昔の銭湯みたい?で、いいなぁって思った 

今どきご近所の人の裸なんて見たことない。
もしかしたら、裸を知っていたから、お互いを信じられたのかもしれない。
裸を知っていたから、裏切れなかったのかもしれない。

たった一度の人生。
せっかく出逢ったご縁。
できることならば、出逢った人とはやさしく、気持ちよく、仲良くいたい。

たぶん、ただそれだけのことを探している・・のに。
伝えたいことは、たぶんそれだけのことなのに。
欲しいものはたぶん、それだけなのに。

なかなかうまく伝えられないもんだなぁ。。。

ベランダから、じっとスズメの姿を眺める
ぷくぷく(三毛猫♀7才)のまん丸のうしろ姿を見ていて、ふと思った。
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夢中になれるもの

2008-03-18 | つれづれ
                     (富岡鉄斎 扇面)
    



高橋尚子選手は、走ることが好き。
そしてこの富岡鉄斎は、描くことが生きることそのものだったそう。

幕末の頃の、ジャンルとしては文人画家。
作品の特徴としては山水画や水墨画、彩色画を多く描き、時に繊細に、
大胆に、自由で何ものにもとらわれない独創的な表現を生みだしてゆく。

しだいに「賛」(画賛)といって、描かれた絵に作品の一部でもある鑑賞文、
賛辞を書き始める(ちなみに自分の絵に書くことを自画自賛という)。
   
はぁ・・・いいなぁ。 何度見てもため息
絵も字も生き生きとしていて、絵の中の二人の声や息遣いまで聞こえてきそう。

結局は「線」なのかなと思う。
その作品が生きているのか、死んでいるのか、それは絵でも書でも。

線はいろんなことを語る。
書き手のその時の心情や、どれだけ書いてきたかまでもお見通し。

走り続けることと、描き続けること。
どんな場面でも、ただ無心に続けることで、結果は自然とついてくるのでせう。


   ←左:短冊 右:扉に描かれた作品



富岡鉄斎のこぼれ話で、こんなのがある。

鉄斎はとにかく描くことが好きで、白い壁、ふすま、扉などを見つけると
「描いてやろう」と言って、所かまわず書いてしまうので、
家主は彼が来るとなったら、家中のふすまを外し隠したそう。

そんな風に、夢中になれるものが、あったらいいですね

私だったら、余分なふすまも買ってそこらへんに置いておくのになぁ。

(画像はネットから拝借しました

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梅の花のように生きられたら

2008-03-17 | 八木重吉
                          (はがき)




あっという間に梅が咲き、もうだいぶ散ってしまった。
でもあの香りは、鼻から脳に記憶してある。

昨日は久々に、八木重吉の詩集を読んでいた。
ちょうど見つけた「梅」という詩。


  ひとつの気持ちをもっていて
  暖かくなったので
  梅の花がさいた
  その気持ちがそのままよい香りにもなるのだろう



女子マラソンの高橋尚子選手は、残念ながら今度の
北京オリンピックには代表に選ばれなかった。
それでも、彼女は笑顔で言っていた。

「私はまだ走っていたい。そして走り続けることで、
 諦めなければ願いは叶うんだという思いを伝えたい」

キューちゃんの生き方は、あの梅と同じなのかもしれないって思った。

私もそんな風に生きられたらなぁ・・。





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幸運は準備された心に訪れる

2008-03-16 | つれづれ
                      「春山如笑」(半紙)
                (参考作品:赤枠は雅印を押す位置の目安に)




しゅんざんわらうがごとく。
春の山は笑っているかの如く、明るく楽しげだ・・という意味。

「春」の左払いを伸びやかにして、「日」は笑っているようにふっくらと
真ん中の横線を点にして・・楽しげに見えます?

「笑」は大笑いではなく、にこっと笑っているイメージで書いてみた。
全体的には軽快に、線にリズムをつけて、心躍る印象になったかな・・・?

冬の山はどこか寂しげで、入ることを拒んでいるかの様にも感じ、
春の山は、様々な植物の芽吹きと共に、訪れる人の心を解放して、
穏やかで、何となく心弾む思いを与えてくれる。

この詩を書いていて、ふと思い出した詩人・松永伍一氏のことば。
「幸運は準備された心に訪れる」

そっか・・そうかも。

春のように、笑っている人のところへは、自然と人も集まる。
幸運っていうのも、悲しい顔やしかめっ面は苦手なのかもって思う。


愚痴を言っていると、愚痴を言う人が集まる。
そうすると、忘れていた愚痴まで引き寄せてしまうこともある。

愚痴の代わりに、ありがとうが言えたら、
何かが変わるかもしれない。

春山如笑。
なるべく愚痴は言わないようにしよぉって、思った。
そして、なるべく笑顔でいようって思った。

そう思えたのは、ブックマークでもご紹介している
のしてんてんさんのブログ のお蔭かな。。
ありがとうございます 
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急がば回れ

2008-03-15 | つれづれ
                          (はがき)



10代の頃の私は、父に「お前は四角四面だな」と言われるくらい
真面目で疑うことを知らず、素直で  無器用な方だった。

今も実はあまり変わらないのかもしれないけど、
そうじゃない自分になりたいっていう自分が同居しているから、
多少弛んではいるとは思うけど。

あの時、父にそう言われてから、変わりたいって強く思った気がする。
父に対する反発ではなくて、自分でもそうかもって思ったから。

人はたぶん、本来の自分と、その逆の自分と両方を持っているんだと思う。
そのことは、書を始めて実感した。

作品を書いていても、本来の自分はどうしたって、出てきちゃう。
でも、どこかで、本来の自分とは逆の自分を探したくなることがある。
で、その回り道の過程で知る自分っていうのもある。

自分が一番わからない。
自分を知りたくなったら、少し回り道をしてみるのもいいのかも。

美味しくないものも時々食べると、美味しいがよくわかる。
好みじゃない音楽も聴いてみると、意外といいって思うこともあるかも。
興味がないと思っていた世界に足を踏み入れたら、虜になったり。

新たなるよろこびを得るためには、急がば回れってことですかね 
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部屋中「一生懸命」

2008-03-14 | 書の話
                    みーにゃ(猫)も一緒に



8/4のブログ にも登場した、香川にある桑島道場の桑島師範から、
今年は創立20周年、その記念に「一生懸命」ということばをテーマに
したいので、書いて欲しいとの依頼を受けた。

熱く力強い師範をイメージして、一生懸命  書いた。
最初は半紙に、でも力強さを表現するには紙が小さく感じてだんだん大きくなり。

中腰で1枚書くと結構息が切れる。(体力なさすぎ・・?)
1枚書くと、ここがだめ。 更に1枚・・あっちがだめ。

そんな中から、何枚か選んで師範に送る。

師範から、送った中の2枚と、その2枚を合体させたものの3枚から選びたいと
連絡があり、悩む 

自分ではこれがいい!と思っていたのが選外だったから。
しかも合体? 呼吸が違うし、タッチも違うのになぁ。。。。

依頼されたものなので、私の作品であると同時に、相手の好みを優先・・と
最初は敢えてコメントはしなかったけれど、思い切って聞いてみた。

「あの・・選外の1枚のご感想は・・・?」

1日経って、メールがきた。

「沙於里さん推薦の作品に決定しました!」
奥様も薦めて下さったとか  ほっとしました~。

更にうれしいおことばを頂きました。
「あなたの作品は、第一印象より時間が経ってからじわじわ来るようです。」

ありがとうございます  !

↓以前、桑島道場の文字も書かせて頂きました。







新橋にある:東京美術倶楽部 で3/22まで「日中書法の伝承展」開催中です。
(10:00~18:00 最終日は15:00まで)

三田線「御成門駅」A4出口より徒歩2分
浅草線・大江戸線「大門駅」A4出口より徒歩5分
JR「新橋駅」烏森口より徒歩10分
銀座線・浅草線「新橋駅」より徒歩10分
JR「浜松町駅」北口より徒歩10分





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感激を封じ込められたら

2008-03-13 | 書の話
                 李白詩 (‘07年 90cm×180cm)
             「對酒不覚瞑 落花盈我衣 酔起歩渓月 鳥還人亦稀」



この詩が好き。
「對酒不覚瞑」 酒に瞑(ひく)るるを覚えず
「落花盈我衣」 落花 我が衣盈(み)つ
「酔起歩渓月」 酔いより起きて 渓月に歩めば
「鳥還人亦稀」 鳥還って 人も亦た稀なり

酒と差向かいでいたら、日の暮れたのに気づかなかった。
散りしきる花びらは、私の衣にいっぱいになった。
酔ったあとの眠りからさめて、谷川の月にそぞろ歩きをすると
鳥たちはねぐらにかえり、人影もまた稀であった。
             (岩波書店 中国詩人選集 李白より)


春の日のほろ酔い気分を、書で表現したかったんだけど・・・。
この詩が書きたい!って感じたときは、たくさんは書かない。
これも、一発勝負だった。

「感激」は長続きしないもので・・
「その瞬間」を、作品に封じ込められたらなぁって思う。

ここんとこ忙し過ぎて、肝心の「感激」がまだやって来ない。。
大丈夫かな。。締切りはとっくに過ぎてるんだけど。。。

実はあとで「渓」の字の三角がひとつ足りないよって、I先生に指摘された
ほんとだ。 
感激のまま一気に書いちゃったから・・なんて言い訳しちゃいけないのだ

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久々の書展巡り~池田満寿夫展へ

2008-03-12 | 書展・展覧会情報
                奎星展俊英作家展(上野の森美術館)      



昨日は午前中書道教室。
ランチを軽く食べて、久々に上野へ。
先日ご紹介した東京都美術館での奎星展と創玄展 へ出かける。

奎星展は、今年は落ち着いているように感じた。

落ち着いている・・っていうのは、今までは、ただ激しさや
ただ強さや、迫力を求めていたようなところがあって、
もしかして書いている本人もよくわからず書いてるのでは?と
思わせる感もあったけれど、今年はそれぞれに自分の意識で作品を
書いているというか。。。 (なんて偉そうに  )

でも確かにそれぞれに今、書きたいものを書いているっていうのは感じた。

墨のマチエールを研究した作品も多く、興味深かった。

   2×6尺

   2×6尺 (部分)


そしてお隣では、創玄展。
こちらは9000人の会員を誇るマンモス団体だけあって、作品の数も
半端じゃない・・・。
入り口に出品者のブースを調べる名簿の他に、パソコンで検索してくれる
係のお兄さんまでいらした。

それにしても、あまりの点数の多さに、観る気力を失う 
↓こんな感じ。。。 色気も余韻もなくて。。






今NHKで書道講座の講師をされている、石飛博光先生の作品は
入り口入ってすぐのところにあった。↓の写真(勝手に載せてごめんなさい
さすが人気は高いようでした 




それにしても、これは書展といえるのだろうか・・・と 
どこも仕方のないこととはいえ、この羅列。。。

書は空間芸術とも言われているのに、こんなにひしめき合っていては
作品の魅力も半減するような気がする。。

なんとかならないのかなぁ。。。もったいないもったいない。。

今日観た中で、一番心に響いた作品は、奎星展でのこの「心」 ↓
まっすぐで一生懸命で真心を感じた。





上野の森での俊英作家展では、偶然兄弟子のH先生にお会いして
熱く語る姿に刺激を受ける。

その足で、新宿の東京オペラシティアートギャラリーで開催中の
池田満寿夫「知られざる全貌展」へ。

縄文土器に刺激を受けた彼の焼き物は、ものすごい生命力に溢れていた。
今回は陶芸、版画、陶板、般若心経を中心にした書など多数展示。

私は池田満寿夫の版画の、赤と青の色が、なんとも印象的。
一番好きなのは、エッチング作品の「化粧をする女」
「タエコの朝食」も好き

いやぁ・・・久々の展覧会のはしごに、腰が痛い。。

夜、地元に戻り、結心さん(ブックマークのペパスタの主)と
念願だった美味しい韓国料理をたらふく頂き(結心さん多謝~ )
10時過ぎに帰宅。 

うう・・・腰が痛い。。 ふくらはぎもぱつんぱつん 
でも、外に出ると刺激や発見もあるから、また行こっと 

ところで、3月16日まで池袋三越7階の催物会場で、
片岡鶴太郎展」やってるみたいです 

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