
組織が腐る時 VS 弱い立場の人と共に悦ぶ時

組織が腐る時とはどういうときでしょうか? 最近の様々な一流企業、国や自治体などの組織的犯罪が問題です。その典型が、東京電力や経済産業省(旧通産省)などの国...
それでは、ヴァン・デ・コーク教授が、2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : defelopmental trauma disorder)をDSM-Ⅴにハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf) から、まず冒頭部分の翻訳です。
発達トラウマ障害(DTD)を、DSM-Ⅴの診断に含めてほしいと提案する目的
発達トラウマ障害(DTD)という診断名をご紹介する目的は、慢性的に対人関係の中でトラウマに晒されている、思春期までの子ども達の臨床像の現実をハッキリと示すためなんですが、それによって、効果の出る治療法を、臨床医(心理臨床家)の皆さんに、開発し活用してもらうとともに、日常的な対人間暴力が神経生理学な変化をもたらすことを、研究者の皆さんに、研究してもらうためなんですね。発達トラウマ障害の子ども達が、PTSDの症状を示すかどうかに関わらず、子どもたちが、現在進行形の危険や、虐待や、不適切な養育環境の中で育っている場合、今ある診断のやり方では、役に立ちません。よくあるパターンは、1)診断されないままでいる、2)いろんな間違った診断がされちゃう、3)症状の原因に、対人関係の中で負わされたトラウマと、安全・安心に欠けていたことがあることが分からないまま、問題行動の指導ばかりを強調されちゃう、というパターンです。次にお示しすることは、私どもが提案する診断基準です。まずは、出版済みのデータと未公開のデータを概観し、データの信頼性と妥当性を根拠づける、と同時に、評価します。そのデータには、発達トラウマ障害に関するデータの他に、DSM-Ⅴに、新たな発達トラウマ障害という診断を創り出すための診断基準を巡る会議をやる理由も入ります。
このように、診断(アセスメント)がチャンとできないと、その治療(セラピー)もできないばかりか、症状を悪化させることにもなりかねません。
今のニッポンですと、愛着障害、発達トラウマ障害のことは、臨床現場でさえ、それほど知られていませんでしょ。そうじゃなければ、どれもこれも似たり寄ったりの岡田尊司さんの本が、あれだけ次から次に出版されませんし、あれだけ売れませんもんね。
被災地と言われる地域でさえ、一発の地震や津波によるPTSDは、レアケースで、圧倒的多数が愛着障害、ヴァン・デ・コーク教授の言葉で言えば、発達トラウマ障害の子どもです。あのミスリードの「専門家」は、そもそも勉強不足のために、発達トラウマ障害の事も知らないから、アセスメントがちゃんとできてない。それが全てのお門違いのミスリード(ウソとゴマカシ)の始まりです。
今臨床の現場を見ますと、多くの子どもが、1)診断されないまま、ですから、セラピーもされずに見捨てられている状態です。それが一番多数のケースでしょう。その次に多いのが、いくつもの間違った診断(アセスメント)がされてしまって、間違った治療、むしろ、傷口に塩を塗るようなことがされているケースが多いことです。その傷口に塩を塗るような対応の最たるものが、ここでヴァン・デ・コーク教授が指摘する、3)症状の原因に、対人関係の中で負わされたトラウマと、安全・安心に欠けていたことがあることが分からないまま、問題行動の指導ばかりを強調されちゃう、というパターンです。
