エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

虐待大国 ニッポン

2016-04-15 07:48:02 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
希望を語る時
  これは、今から92年前、内村鑑三が、関東大震災直後に、新宿柏木(南新宿)の自宅の玄関に貼ったと言います。その文は「今は悲惨を語る時ではありません。希望を語...
 

 

 子どもにいろんな人が関わる社会、人間らしい社会を作っていきたいですね。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第11章、「癒しのやり取り」のp.237の第2パラグラフの、8行目途中から。

 

 

 

 

 

赤ちゃんたちは、遠く離れて、一人ぼっちにされていると気付いている、ということは、驚くにあたりません。実際、驚きなのは(人間の脳の柔軟性を反映しています)、多くの赤ちゃんたちが、一人ぼっちにされることにすぐに馴れてしまう、ということの方です。赤ちゃんたちは、終いには、一人ぼっちにされるために、ストレスの仕組みを容易に働かせることが出来なくなるまで進化するけれども、その進化は永遠に働いてしまうのであって、ほとんどの親たちに都合のいい予定表通りではないのです。

 

 

 

 

 

 こうして、赤ちゃんは、発達トラウマ障害になってしまいます

 虐待にネグレクトが入る、という認識が、ニッポンでは非常に希薄です。多くの人が、長時間労働、サービス残業にならされていますでしょ。みんながやってんだから…って言う頭なんですね。保育園に預けているし、その後は、おばあちゃんが面倒みてくれてんだから…と言う場合もありますね。でも、いずれの場合も、その非常に多くのケースで、虐待になってんですね。

 ニッポンで一番多い虐待は、ネグレクトです。でも、保育園に預け、おばあちゃんの世話にもなっているケースで、身体的暴力もなければ、ネグレクトという立派な虐待であっても、児童相談所に「虐待」として通報されませんでしょ。教員や保健師さんたちなどのそんな話をしますとね,「それって,普通じゃん」と言います。そうです,

お母さんたちが普通にしていることが,虐待になってんです

 ですから、児童相談所に、虐待の通報件数がうなぎ上り、と言う場合にも、一番多い、このネグレクトのケースが,数に入ってないんですね。

 いかにニッポンが虐待大国かが、分かりますでしょ。

 

 

 

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考えも、フラッシュバックになる

2016-04-15 06:35:52 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
夜明け:悪い良心からの解放 改訂版
 ルネサンス期は、人間性を解放したまでは良かったのですが、振り子が触れすぎる危険が常にありました。 Young Man Luther 『青年ルター』p193の6行目から。...
 

 

 重たい発達トラウマ障害≒愛着障害の子どもは、その母親も(そして、おそらく父親も)発達トラウマ障害が重たい、ということはよくあります。その母親は、覗くに覗けない怖い自分が一人いることを、うすうす感づいていますが、実際はその自分から逃げ回っています。

 ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第14章 Languare : Miracle and Tyranny「言葉 :奇跡も残虐も(、もたらすもの)」p.248、第5パラグラフから。

 

 

 

 

 

 トラウマを負わされた人たちは、理屈の合わないいろんな考えがあるに違いありません。「私が魅力的だったらいけなかったの」、「他の皆は、怖がらなかった。その男たちもホントにいたんだもん」、「その道を通るんじゃなかった」。こういった考えは、認知的なフラッシュバックとして治療することが一番望ましいのです。皆さんは、その人たちと論じ合わないようにするのは、ひどい事故をフラッシュバックして思い出している人と議論しないのと同じです。そういったものは、トラウマの元になる事件の残りカスですし、この人たちが考えていることは、トラウマが起きた時か、起きてすぐ後に起こるものですが、ストレスの大きい状況で反応を起こします。その治療には、EMDRや、この後の章のテーマによってなされます。

 

 

 

 

 

 フラッシュバックといえば、視覚的なものと思いがちですが、考えも、フラッシュバックになり得るのですね。これまでにも、ヴァン・デ・コーク教授が指摘していることと同様に、その治療には、EMDR等を用いると言います。

 

 

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ボーとしている子ども、表情がさえない子ども

2016-04-15 00:41:05 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
エピジャネシスの概略図の良さ
  エピジャネシスの表は、うまくできている。 The life cycle cpmpleted 『人生の巡り合わせ、完成版』、p29の9行目から。&nbs...
 

今晩も、今から7年前、311(2011)を遡って2年前、ヴァン・デ・コーク教授が、2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : defelopmental trauma disorder)をDSM-Ⅴにハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf) の15日目。

今晩は、 「発達トラウマ障害≒愛着障害の証拠」の章の5日目。B.3.「いろんなことに気付かない/感覚と感情と体調の解離」の残りです。

 

 

 

 

 

 CCTC(シカゴ子どもトラウマ・センター)の発達トラウマ障害の子ども達は、他のトラウマを負わされた子ども達とは、かなり違います。それは、感情の起伏が大きい点、自分の気持ちが分からないないし、自分の気持ちを言葉にできない点、離人感の点、周りのことについて気付いていないことの差が大きい点で、違っています。この重大な集団の違いは、子ども解離チェックリスト(パットナム、1993)に関するCCTC(シカゴ子どもトラウマ・センター)のサンプル調査でも、臨床で見つかる解離の多くのケースにおいても、見付かったことです。このようなデータが示していることは、発達トラウマ障害の診断基準Aのトラウマのストレスの元にさらされた子ども達は、発達トラウマ障害の診断基準Aにさらされていない子ども達以上、自分の感覚、感情、体調になかなか気づかない、ということです(カムラス、グロウ、リボディ、1983; 坪井、リー、2007; ブラウン、ホウク、ハーディ、レスカノ、2005; マックフィル、シチェッティ、トス、2001; 坪井、リー、2007;  カムラス等1983;  ブラウン等2005; ゴールドスミス、フレイド、2005; マックフィル等 2001)。

 

 

 

 

 発達トラウマ障害の子ども達が、解離がありますし(たとえば、頻繁に、ボーっとしていることなど)、自分のきもちを言葉にすることが出来ませんし、表情が冴えませんよね。

 

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退去命令:文献を読めば読むほど、あの方の詐欺師ぶりが分かります 言い逃れはできないでしょう

2016-04-15 00:16:10 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
希望を語る時
  これは、今から92年前、内村鑑三が、関東大震災直後に、新宿柏木(南新宿)の自宅の玄関に貼ったと言います。その文は「今は悲惨を語る時ではありません。希望を語...
 

 

 

 この一月の間、エリクソンの著作の翻訳は、だいぶお休みして、ヴァン・デ・コーク教授、ブルース・ペリー教授、その他の、発達トラウマ関連の英文献を精力的に読んでいます。読めば読むほど、あの無知で無恥な「専門家」の火事場泥棒ぶり、詐欺師ぶりに、怒り心頭に達しています。我慢ならない! ガセネタを流して、出張費、滞在費、レンタカー台、飲食費その他を稼ぎ、しかも、社会的な立場を取り繕っていた、と言って、間違いないでしょう

 あの、無知で無恥な「専門家」は、PTSDの三大症状の1つでもあれば、PTSDかもしれない、だから、埋もれているかもしれないPTSDの子ども等を見つけ出さないといけない、トラウマは、震災関連のトラウマと他のトラウマは区別できない、…と言ってましたっけ。

 

 がしかし、全てガセネタ、ウソです。

 ヴァン・デ・コーク教授は、今から7年前、311(2011)を遡って2年前の、2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : defelopmental trauma disorder)をDSM-Ⅴにハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf)で、

「PTSDは、一回のトラウマになるような出来事の結果である場合が多いです(グリーンら,2000)。研究によれば、PTSDは、いくつかの小さな修正を経て、安心・安全で、約束に基づいた、見通しと一貫性のある養育のやり方で育てられた子ども達が、一回の事件・事故によるトラウマの影響を捉えるのに相応しい診断だとされます。しかし、いろんなトラウマを繰り返し負わされた、たくさんの子ども達が、たとえPTSDの症状をいくつか示した(下記のシカゴ・子どものトラウマ・センターのデータをご参照ください)としても、たくさんのデータに基づけば、PTSDと診断することは、不適切な養育のやり方で、対人間暴力の犠牲者になっている子ども達が示す症状を、適切に捉えたことにならない、ということが明らかになっています。」(堕落論   聖書の話ではありませんからね

と言います。また、ヴァン・デ・コーク教授は今から7年前、311(2011)を遡って2年前の、2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : defelopmental trauma disorder)をDSM-Ⅴにハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf)で、

赤ちゃんの頃から、母親によって、いろんな形で繰り返し負わされたトラウマに関連する臨床像のある子どもの大多数は、PTSDの診断基準を満たす状況でさえも、そのPTSD(たとえば、図6参照、訳注:この翻訳では割愛)の診断一番うまくいった場合でも、臨床上、子ども達の一番目立っている、様々な症状の多くを捉えきれません最悪、間違った治療を招きかねません。PTSD向けの、実証済みの、証拠に基づいた、短期療法をしたって、PTSDの症状とPTSDの診断を減らすことはできても、発達トラウマ障害の子どもの特色となっている、広汎性発達障害を治療することにはなりません。たとえば、この短期療法をしたからと言って、感情をコントロールしたり、行動を調整したりすることはできませんし、愛着に関係するいろんな困難を解消することにはなりません」(私どもの進むべき道

と、指摘します。これはまさに、今の被災地の心理支援の混乱ぶりを預言していたかのようですね。あの無知で無恥な「専門家」のガセネタ、ウソのせいだ、といって大過ないでしょう。

 また、まだこのブログでは翻訳していないのですが、「発達トラウマ:発達トラウマは眼には見えない」(http://attachmentdisorderhealing.com/developmental-trauma/)の一部を翻訳しますと、

「ベッセル・ヴァン・デ・コーク博士は、医学博士であると同時に、脳科学と愛着の分野の指導者ですが、発達トラウマに真面の向き合うように、呼びかけておられます。発達トラウマ障害(DTD)は、ヴァン・デ・コーク博士が2005年にハッキリとその存在を指摘した障害です。」

発達トラウマは、子宮にいる時から始まります。子宮にいる時には、脳幹以外にはあまり発達していません。しかも、意識のない年月です。発達トラウマは、36ヶ月まで、思考する脳(前頭葉)が働くまで繰り返されるのが普通です。生後45ケ月には、全般性不安(訳注:いつも原因がハッキリしない不安に襲われて、コントロール出来ない)からコントロール出来ない恐怖までが、起きてきます。3歳のなるまでが、赤ちゃんにとっては、とっても長い時間になります」

「ヴァン・デ・コーク博士は、同僚のマリリン・クロワトル博士による様々な研究について述べています。その研究は、発達トラウマの原因は、愛着にまつわるいろんな問題だということに関する研究なんですね。」

「クロワトル博士が分かったことは『単なるPTSDの(三大)症状は、特定のトラウマになる事件の為に生じているものです。しかし、(発達トラウマ障害の)他の症状、すなわち、感情をコントロール出来ないこと、気分をコントロール出来ないこと、怒りの爆発、繰り返される自殺念慮、自傷、自分自身に対する関係も、ほかの人との関係もうまく持てないこと、…は、PTSDでは、ありえません。こういったことは、愛着関係が混乱しているために生じるものです』ということです。」

 

また、こちらの映像を、youtubeで見て下さい。英語ですが、おおよそでも分かればためになります。

https://www.youtube.com/watch?v=jYyEEMlMMb0

 

 どうですが、あの方の情報が、いかにガセネタ、ウソだったのか、ハッキリ分かります。

 被災地の心理的支援からは当然、引退、撤収、退去してもらわなくてはなりませんね!

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